炎と消える＿僕を消したアイツ 戻レナイ

現実1 瞬(２２)の記憶

 功星は、地元の大学に進学し、瞬は演劇がしたくて東京に出る。瞬が、女の子のことを口にすると＿＿功星に泣かれた。それでも、いっつんとは、ずっと付き合いたいと言ったら、アイツは＿＿
俺の前から消えた。

「どうして？ フツーに幸せになれるのに。俺とじゃムリだよ。今まで＿＿で充分。バイバイ、瞬」
「功星＿＿イヤだ！行かないで！！ 俺、功星のことが好きで＿＿」
「俺は、キライ」
「功星……」
「大っキライ！！大っキライ！！ 二度と面見せんな！クズ！！」
一人になった瞬が、泣く。
走って走って歩き出した功星が、立ち尽くす。
瞬のコト＿＿キライになんて、なれるワケない＿＿
功星「俺は＿＿バカだ＿＿」

２２歳の瞬 コイツには、同じことして欲しくないけど。こんなこと、小学生に言えないしな＿＿

©️石川 直生 2023.