史上最強の妖精姫は婚約者とイチャイチャする為に敵国を滅ぼしたい ~虐げられた王子にたっぷり愛情を注ぎます~

Lily

文字の大きさ
1 / 5

呪われた第一王子

しおりを挟む

「私は大変悲しいし、残念だ。魔法を使えないお前を20歳になるまで育ててきた。いつか魔法が使えるようになるのではないかと期待してな。だが、お前が魔法を使えないのは呪いのせいであり、生かしておくのは国に悪影響を及ぼすと魔法研究省が突き止めてくれた。幸いにも私には、魔法に長けた子供が大勢いるし、そもそもお前には王位継承権も与えていないし、どうしても必要な場以外は社交にも出さない。これがどういう事か分かるか?」
「半分以上は何を言っていたか覚えていませんが、結論からお話されてはいかがですか、父上」
「お前のその態度、いつまで持つか見物だな。第一王子ギルフォード=ルネヴァン。今この場にて命を断て。胸に突き刺せばすぐ楽になれる魔法具も用意してやった。呪いによって錯乱したお前が自害したと通達すれば誰も疑いはせんよ」

 私は大変怒っています。
 はらわたが煮えくり返るって、遠い東の国で使われる言葉があるって前に習ったけれど、まさにその言葉がぴったりな状況だわ。
 でも、我慢しなくては。まだ勝敗が決まっていないのだから今登場するのはルール違反よ。

「王族全員が集まったこの場にて、王族全員がお前の錯乱による自害を見届ける。お前がいなくとも、この国は困らないし不要なのだよ。ただ、対外的に説明する理由が必要だったからこの年まで仕方なく育てただけのこと。私はね、ギル。優秀な子が大好きなんだ。ここにいるお前の家族は全員とても優秀で私の自慢の子供。だがな、お前のことは一度も愛したことはない。やっとお前がいなくなるこの瞬間を待っていたよ」
「父上、ご安心を。私は一度もあなたに愛されたいと思ったこともないし、ここにいる他の王族にも何の感情もない。こちらこそ、関係を切れるようでせいせいしていますよ。ただし、私に害を成そうとした場合、この国は滅ぶかもしれませんが、よろしいですか?」
「何を戯言を。我が国は魔法大国ルネヴァン。滅びる等、ありはしない」

 まぁ。どこからその自信は来るのかしら。
 この国が魔法大国として栄えているのも、誰のおかげか忘れちゃったのね。かわいそうに。周りの王族も異を唱えない、口元が愉悦に歪んでいる所を見るに、やはり生かしておく必要はなさそう。
 聞くに堪えない罵詈雑言を前に、こんなに上手に待てているのだもの、後でたっぷり甘やかしてもらわなきゃ。
 あ、魔法具が渡されたわ。いよいよ、刑の執行かしら。

「最後に何か言いたいことはあるか?」
「ええ、では一つだけ」

 あら、隠れている場所は伝えていないのに瞬時に私と目を合わせられるなんて。さすがね。
 さて、舞台は整ったようだし、私も準備しなくては。

「はぁ。ここまでみたいだ、リア。俺の負けだ」
「だから早く見限りなさいって言ったでしょ~」

 突如聞こえた見知らぬ声に、私を呼んだ彼以外の全員がざわつき始める。
 私は不可視の魔法を解いて、ずっと私に待てをしていた大好きな彼をギュッと抱きしめた。罵詈雑言が凄かったから、いつも以上に丁寧に頭を撫でるオプション付きで。

「何者だ!!」

私の登場に王が叫び、周りの王族も私に向けて魔法を放つ準備をする。私の顔も見えているはずなのに、誰だか分からないなんて相当お花畑ね、ここの王族。
私はギルを抱きしめたまま、普段は制御している魔力の波を少しだけ解放する。

「静かに。発言は認めてないわ」
「「…ッ!」」
「今この場で発言していいのは私とギルだけよ」
「ずっと見ていてくれてありがとう、リア。おかげで冷静に対応できた」
「私はずっとあの日からギルだけを見ているのだから、今日という大事な日はいつもの5割増で見ていたわ」
「ああ、さすが俺の最愛だ」
「ええ、あなたも私の最愛よ。愛しているわ、ギル」
「俺の方こそ、愛しているよ」

お互いの頬に手を添えて軽く触れるだけのキスをして、私はこの場で誰よりも強い権力を誇示する為に氷の玉座を召喚した。
立ち上がり、私に左手を差し出すギルに手を添えて、ゆっくりと静かに玉座に腰掛ける。この玉座を許されるのは一国の王族のみ。どんなお花畑でも気付くでしょう。
あぁ、そういえばギルに聞かないといけないことがあったんだったわ。

「ねぇ、ギル。私の勝ちだから、この国滅ぼしてもいいのよね?」
「君なら一瞬で出来るだろうけど、まずは民の避難をしてからね」
「あら!私としたことが頭に血が上って抜け落ちていたわ。ありがとう、ギル」
「民の避難が終われば、どうぞあなた様の思うがままに」

わざとらしく臣下の礼をするギルが素敵すぎて思わず抱き着きそうになったけれど、今は我慢しないと。まだ私のターンは終わっていないのだから。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...