史上最強の妖精姫は婚約者とイチャイチャする為に敵国を滅ぼしたい ~虐げられた王子にたっぷり愛情を注ぎます~

Lily

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妖精姫

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 踵を一度鳴らせば、氷の玉座には氷の薔薇が咲き乱れる。氷の玉座が王族のみ許されるのであれば、玉座の装飾品はその者が王族の誰であるかの身分証明となる。そして、私が出て来ている時点で既に勝敗は決しているのだ。私の魔力の波の影響を受けた広間は静まり返っているが、どこかで聞き耳を立てているであろう者達にも聞こえるように拡声魔法を自らにかけた。

「私はアルケミー皇国第一皇女フローリア=アルケミー。そう、君達が魔法大国だと調子に乗る全ての魔法の源である魔力を生み出す精霊皇国の一族だ。先程、国王である君が滅ぼせないと豪語していたが、私達にかかれば瞬きの間に全てが終わる。何故ならば、私達が貴国への魔力供給を止めれば君達ご自慢の魔法は消滅する。まぁ、魔力供給を止めなくても私を含めた皇族の誰かが関与すれば簡単なことよ。そして、ギル。あなたが何者であるか教えてくれるか?」
「俺はギルフォード=ルネヴァン。この国の第一王子であり、君の魂の番だ」
「私達皇族はね、人間でありながらも精霊に近い部分を持ち合わせている。一生に一度添い遂げると直感で感じた魂の番を見つけて、その者だけを生涯愛し続けるのもその一つだ。私の魂の番はギルでね、まだギルが幼い頃に私が遠見で見つけて秘密裏に接触を図った。その時既に、ギルの生活環境は目に余るものだったから滅ぼして連れ帰ってしまおうと思っていたんだよ。でも心優しいギルはまだ改善の道はあるかもしれないと首を縦に振らなくて、仕方なくギルから降参宣言があるまでは表立って動かなかった。でも、ギルから降参宣言があったから晴れて君達の前で堂々と彼を奪うことができる」

 私が見つめると、ギルは私の頭と左手に優しくキスをしてくれた。早くこんなもの終わらせてイチャつかなくては。

「あぁ、それとここにいる王族達は全員ギルを暗殺しようと、毒やら色々仕込んでくれたことがあったね。何で生きているのか不思議だったかもしれないが、あれは私の魔法で未然に無害化されたいた。しっかりと君達の所業は我が国で保管してある。証拠はしっかりと残っているから安心しなさい。……さて、君達には二つの道がある。か、だ。好きな方を選べ、国王のみ発言を許す」

 発言を許された国王は同時に身体の自由もある程度は解除される。すぐさま床に頭をこすりつけた後、最上級の臣下の礼にて国王に相応しいとは言えない叫び声に似た声を上げた。

「偉大なる皇国の妖精姫よ、どうかご温情を!ギルなら好きにして構いません!その他にも愛人、奴隷でも構いませんので王族や貴族から男や女を差し出します!ですので、どうかご温情を!」
「ほう」

 どの国の貴族や王族でも自らのペットとして、男女問わず愛人や奴隷を飼うことはある。自らの重責や自由の少ない生活に対する鬱憤を気兼ねなく吐け、乱暴に扱える存在として重宝されていること自体に文句を言うつもりはない。現に、私が興味を示したと思ったのか国王の表情が一瞬緩んだのを見逃す私ではないわ。全く、どこまで私をイライラさせるのかしら。

「話にならん」
「ガッ……ア…ッ!」
「魂の番の話をした後で良くそんなことが言えるな。さすがお花畑なだけある。あぁ、これは君でも分かるよな?褒めていないということを。今、国王である君を突き飛ばし、首すれすれに刺さった氷のナイフが答えだ。あまり私をなめるでない」
「リア、それくらいに」
「まだこの家族を庇うのか?」
「そうじゃない。君の美しい魔法をこんな奴らの為に使ってやる必要はない」
「あぁ、そうだな。ギルの言うとおりだ。では、そろそろ終わりにしようか」

 抑えていた魔力を最大まで解放し、この国中をヴェールのように私の魔力で包み込む。魔法大国と謳っているが、平民が魔法を使えることは滅多にない国だ。ここで私が何かしても平民に対する影響は軽微なはず。ここまでギルを蔑ろにしてくれたツケ、きっちりと清算してもらわないと。

「ルネヴァンの全ての魔力よ、私のもとへ」

 掲げた右手に集まった光は、大きく煌めいたかと思えば弾けるように霧散した。今、私は皇族権限でルネヴァンの魔力供給を止めることに成功。つまり、この国から一切の魔法が消えた、ということ。
 もちろんギルは私の魔力を何度か流しているし、対象外として事前に皇国承認済みの為、影響はない。

「さて、私達の家に帰ろうか、ギル」
「あぁ。こんなに待たせてしまってすまない」
「気にしていない。これからたっぷりと時間はあるのだからな」

 立ち上がった私を優しく抱き留めてくれるギルに我慢の限界が更なる限界を迎えて、とんでもないことになりそうだけれど、最後に残った僅かな理性を総動員して皇国の管理官を数団体呼び出すことができた。

「父上から正式な沙汰が下るまで、この者達と貴族が妙な動きをしないよう管理しておけ。命は必要だから死ぬ直前までの魔法の使用は許可する。人員が足りなければ追加で要請してくれれば派遣する」
「承知致しました、この場はお任せ下さい」
「挨拶はするか?」
「いや、必要ない。早く君を愛でさせてくれ」
「ふふ、ならば今度こそ帰ろうか。私の最愛」

 私は一秒でも長居したくない場所から
 ギルは長年虐げられた本来は自らが継承するはずだった国から
 転移魔法で別れを告げた。
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