149 / 333
150
しおりを挟む
医務室で安静にしている私は、あれこれ考えている内に眠ってしまった
時間帯で言えばお昼寝に近いもの
少し開いた窓から入って来た風は少し冷たく、窓を突き抜ける日差しと相まって心地よい気持ちにさせてくれる
静かな場所、ゆったりとしたベッド、気持ちの良い環境と条件は揃っていて、夢の中へと簡単に促してくれる
走って走って、また走る
今までと違うところは、誰かから逃げていないところ
まるで映画の回想シーンみたいにスローモーションで、第三者の視点から自分を見ている
あんなに嫌ってた髪の毛は赤みがかった色に戻っていて、みつ編みに縛りもしないで、風に揺らされている
草木や花々が生い茂る草原を子供みたいに走って、なにかから解放されたみたいに晴れ晴れとした表情を見せている
足を止めたその場所は、とても絶景で美しい所だった
近くには川が流れ、鳥のさえずる音
風が奏でる葉の音楽に耳を澄ませば、遠くの方から小さな女の子が走ってきた
その小さな手にはデイジーの花が1輪摘まれていて、しゃがむ私の髪にそっと指してくれる
風によって揺れる荒ぶった髪の毛を整えながら立ち上がれば、米粒ほどの大きさの男性が遠くから歩いて来る
遠目でも分かるスッキリとした髪の毛と印象的な銀髪が特徴的な男性は、何の迷いもなく私の方に向かっている
そんな男性を見ては、小さな女の子は「あの人誰?」と聞いてくる
第三者目線の私は、私も知りたいと言うが、夢の中の私はそれが誰なのか分かっているようで微笑んでみせた
その顔は自分では認知したことないくらい幸せそうだった
その理由を知りたかった
どうしてそんなに幸せそうなの?って聞きたかった
でも、それはできずコンコンッと軽快なリズム音によって、私は夢から覚まされた
「シスターちさ、具合の方はどうですか?」
「…シスターシオリ、もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
「もう夕餉の時間です。動けそうなら食堂へ参りましょう。今日はお客様もご一緒だそうなので、とても楽しみですね。」
(お客様………?)
夢から覚まされたせいか、上手く頭が回らない
まだ見ていたかった
あんな幸せそうな夢、初めて見たかもしれない
いつも夢を見ないか見ても怖いものくらいで、いっそ見なければいいのにと思う程だった
私はベッドから降り、シスターシオリと共に食堂へ向かった
安静という名の昼寝のおかげで、脚の調子もまずまずと言ったところだ
痛みはなく、このまま無理をしなければすぐ治るだろうと思える
「実は小耳に挟んだのですが、お客様は何日か教会にお泊りになるみたいですよ。」
「…、そう、なんですね。」(どうしてそれを私に?)
「誰かがお泊まりになるのは初めてなので、少し嬉しいです。しかも、それが日本の方でないのなら尚更。」
「初めてなんですか?」(まあ、教会自体人あんまり来ないし、当然と言えば当然か…。)
こんな教会に泊まりたいだなんて、駄目とは言わないけどどこに魅了を感じているのか分からない
人はほとんど来ないし、ここのシスターはほとんど愛想のない人ばかり
シスターシオリは優しい人だけど、少し変わった人でもある
これと言って思い当たる魅力が出てこない
自然が近いことくらいしか無いような気がする
ここに置いてもらってる分際で、こんな事言うのはあれなんですけどね……
嬉しそうですねだなんて話していたら、あっという間に食堂についた
他のシスターは既に席に着いていて、私とシスターシオリが最後の様だった
そこで驚いたのは他でもない、長い食台を囲む様に座るシスター達と連なって、クリスチャンさんまでもが座っていた
勿論横には通訳の人も
今まで女性と男性は分けて食事を取っていた
なのに、お客さんと言えどクリスチャンさんは男
院長も何も言わず、いつまでも立ったままの私を見据えていた
時間帯で言えばお昼寝に近いもの
少し開いた窓から入って来た風は少し冷たく、窓を突き抜ける日差しと相まって心地よい気持ちにさせてくれる
静かな場所、ゆったりとしたベッド、気持ちの良い環境と条件は揃っていて、夢の中へと簡単に促してくれる
走って走って、また走る
今までと違うところは、誰かから逃げていないところ
まるで映画の回想シーンみたいにスローモーションで、第三者の視点から自分を見ている
あんなに嫌ってた髪の毛は赤みがかった色に戻っていて、みつ編みに縛りもしないで、風に揺らされている
草木や花々が生い茂る草原を子供みたいに走って、なにかから解放されたみたいに晴れ晴れとした表情を見せている
足を止めたその場所は、とても絶景で美しい所だった
近くには川が流れ、鳥のさえずる音
風が奏でる葉の音楽に耳を澄ませば、遠くの方から小さな女の子が走ってきた
その小さな手にはデイジーの花が1輪摘まれていて、しゃがむ私の髪にそっと指してくれる
風によって揺れる荒ぶった髪の毛を整えながら立ち上がれば、米粒ほどの大きさの男性が遠くから歩いて来る
遠目でも分かるスッキリとした髪の毛と印象的な銀髪が特徴的な男性は、何の迷いもなく私の方に向かっている
そんな男性を見ては、小さな女の子は「あの人誰?」と聞いてくる
第三者目線の私は、私も知りたいと言うが、夢の中の私はそれが誰なのか分かっているようで微笑んでみせた
その顔は自分では認知したことないくらい幸せそうだった
その理由を知りたかった
どうしてそんなに幸せそうなの?って聞きたかった
でも、それはできずコンコンッと軽快なリズム音によって、私は夢から覚まされた
「シスターちさ、具合の方はどうですか?」
「…シスターシオリ、もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
「もう夕餉の時間です。動けそうなら食堂へ参りましょう。今日はお客様もご一緒だそうなので、とても楽しみですね。」
(お客様………?)
夢から覚まされたせいか、上手く頭が回らない
まだ見ていたかった
あんな幸せそうな夢、初めて見たかもしれない
いつも夢を見ないか見ても怖いものくらいで、いっそ見なければいいのにと思う程だった
私はベッドから降り、シスターシオリと共に食堂へ向かった
安静という名の昼寝のおかげで、脚の調子もまずまずと言ったところだ
痛みはなく、このまま無理をしなければすぐ治るだろうと思える
「実は小耳に挟んだのですが、お客様は何日か教会にお泊りになるみたいですよ。」
「…、そう、なんですね。」(どうしてそれを私に?)
「誰かがお泊まりになるのは初めてなので、少し嬉しいです。しかも、それが日本の方でないのなら尚更。」
「初めてなんですか?」(まあ、教会自体人あんまり来ないし、当然と言えば当然か…。)
こんな教会に泊まりたいだなんて、駄目とは言わないけどどこに魅了を感じているのか分からない
人はほとんど来ないし、ここのシスターはほとんど愛想のない人ばかり
シスターシオリは優しい人だけど、少し変わった人でもある
これと言って思い当たる魅力が出てこない
自然が近いことくらいしか無いような気がする
ここに置いてもらってる分際で、こんな事言うのはあれなんですけどね……
嬉しそうですねだなんて話していたら、あっという間に食堂についた
他のシスターは既に席に着いていて、私とシスターシオリが最後の様だった
そこで驚いたのは他でもない、長い食台を囲む様に座るシスター達と連なって、クリスチャンさんまでもが座っていた
勿論横には通訳の人も
今まで女性と男性は分けて食事を取っていた
なのに、お客さんと言えどクリスチャンさんは男
院長も何も言わず、いつまでも立ったままの私を見据えていた
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
