逍遙の殺人鬼

こあら

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他のシスター達はいったい何処に居るのでしょう…
何故私は、ひとりでこんな大量の蝋燭ろうそくを付け替えているのか……

100本ほど付け替えたところで、何でひとりでやってんだろ…って疑問に思った
遅すぎるだろうとか知らない
だってシスターエリに押し付けられる形で任されてしまったんだから
断る前に姿を消すとか都合良すぎでしょ…

脚立に乗って礼拝堂を明るく照らす照明、シャンデリアの蝋燭ろうそくを取っては降りて、新しい蝋燭ろうそくを持って登ってを繰り返す
天井が高い分、当然脚立も高い
その分不安定で、何本か蝋燭ろうそくを持って上がるとか怖すぎだし、ちょっと気を抜いただけで倒れてしまいそう









「何でいつもひとりでさせられてるんだろう…」(確かに老シスター方にやらせるよりも、私がやった方がいいけど…)

シスターシオリは相変わらず忙しそうにしてるから、まぁ…仕方ないとして
シスターエリは、本当に何も手伝ってくれない……

ここの教会の8割が60歳を超えるシスターで、残りの2割が私を含めたまだ若いと言われるシスター5人だ
10代の私と20代のシスターエリ・シスターシオリ、そして30代のシスター2人だ
教会のほとんどがお年を召された方が占めている
そのせいか、あまり好かれていないというか馬が合わない感じをヒシヒシと感じていた

別に意地悪をされたり無視されたりとかは無かったけど、結束とは思いの外強いもので、よそ者の私を受け入れてはいなかった
話しかけられることも無ければ、話を振っても最低限の返答しか貰えない

その分逆にシスターシオリとの仲間深まっていったけど、やっぱり少し歯痒かった
でも、割り切るのは案外簡単にできた
危害を加える存在ではないのだから挨拶なんかして終われば良い

「お年寄りって…なんだか怖いな……」

あの何でも知ってそうな雰囲気
今にも「全部お見通しよ」と言いそうなシワの寄った口
心を見透かしそうな、あの少し曇りがかった目
腰の曲がったあの姿勢ですら、不気味に思える
品があるはずの声も脅迫めいて聞こえるほどだ

(あの集団行動が更に恐怖心を煽ってくるんだよね…)
あの人数で、まるで死人でも見るみたいな冷たい眼差しが心に痛いくらい刺さる
それがあの、もうすぐ死ぬ人を嗅ぎ付けて来る烏のようで冷や汗だって出てくる
あんなもの迷信だと頭では分かっていても、心では信じてしまうもの
こっちだって近寄り難い

「っうわ!?……っぶない…」(脚立から落ちるところだった……。)

私は脚立に座り直してポケットからマッチを取り出した
ッボ…と燃え広がる音と、オレンジ色に燃える上がる炎が暖かい
その炎が蝋燭ろうそくの芯へと燃え広がり、徐々に明るさが増していく
隣の蝋燭ろうそくに近づくみたいに、寄り添うみたいに揺れ合う火たちが美しく写る

暖かく私を照らすこの蝋燭ろうそくたちは、まるで夜空に輝く星星の如くまだらに見えて規則正しく存在していた
熱いという物理的なものでは無く、心の中をそのオレンジ色の照明で明るく照らそうとしてくれる様でずっと見ていられた
その不規則な動きは飽きることを知らない
それを眺めていて結構な時間が立ったのだろうか?
急に下から私を呼ぶ声に一瞬驚いて脚立がグラついた

その瞬間、私は本当に間抜けで、バランスを取ろうとしたのに後ろに体重を預けたものだから、重力のままに落下した
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