逍遙の殺人鬼

こあら

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「シスターシオリ?シスターエリはきっと大丈夫ですよ。だから落ち着いて下さい」

「やはり10月31日は不吉なんです…。シスターちさも、お気をつけください‼」

「…はい」(この演技いつまで続くんだろか?……)

シスターシオリの事は好きだけど、ここまで来ると流石に驚いてしまう
最後までやり通すタイプか私が折れるのを待っているのか…
悪いが怖がったりしない
ギュウ君も隠れているなら、流石にもう出てきて欲しい
手の混んだ芝居なんて、全然望んでませんからね…

シスターシオリとギュウ君2人が結託すると、こっちが思っている以上に独自の世界観を広げて怖がらせて来るんだから…









どうぞとお茶を渡してみても、シスターシオリは動揺しっぱなしで落ち着いてはくれない
いい加減やめたらいいのにとか浅はかな考えを持つ私に、シスターシオリは微かに震える声で話してくれた

ハロウィンの日、10月31日は生贄を捧げる日だと
そして、シスターエリは生贄として捧げられたんだと

まさか
"生贄を捧げる"なんて、いつの時代ですか…
それに、誰がそんな事をすると言うのか
ここは教会で、生贄ではなく祈りを捧げる場所
神聖な所であるのに、生贄なんて似つかわしく無い

…でも、シスターシオリがあまりにも青ざめた表情をするもんだから、私まで心配になってきた
問題が起こるくらいなら、探して見つけ出した方が良いだろうと結論出した

「分かりました。私も探してみます」

「本当ですか!ありがとうございます、シスターちさ。…では、物置部屋の方をお願いします。私は屋根裏の方を見てみます。」

「はい、シスターエリを探し出しましょう」

って…別に迷子な訳じゃ無いんだから………
でも、あんな状態のままにしおけないし
シスターシオリは忙しいのに、煩わせるなんてご法度よ
てか、シスターエリの先輩に当たる方じゃ無かったっけ…?

物置部屋は埃っぽくって好きじゃない
あまり使われて無いし、ちょっと物を動かしただけで崩れてきそうな物の積み重ねで収納されてるし、おまけに薄暗くって好ましくない

部屋の扉ですら開けづらくって、開くのにだって重労働だ
やっとのことで開いても、それだけで体力を消耗してしまった
何故か、もう歳だな…とか心の中でお喋りを始めてしまう

運動不足だったかな?…
もともとスポーツ系じゃ無いし、必要な運動しかしていなかったし
外で思いっきり体を動かして汗をかくよりも、静かで調和の取れた部屋で本を読む方が性に合っていた
そう言えば、そういう所があの子と正反対だなとつくづく思わされる

あの子は太陽みたいに輝いていて、笑顔が凄く眩しかった
歩いているだけでその場を照らすみたいに、いつも注目の的だった
ふわふわな感じとあの愛嬌が周りを味方にしていた

かくいう私はその反対で、明るいとは言い難くって笑顔なんて社交辞令に近くて、1つのことをこなすのがやっとだった
歩けばその場所が暗く、明かりが照らすどころかまるで草花の生気を奪ってしまっているみたいだった
注目なんてされなかったし、されたく無かった

そんな私でも、あの子と一緒にいる時だけは先生や施設の人達に褒められることが多かった
普通に接しているだけなのにあの子は嬉しそうにニコニコ懐いてきて、最初はそれが面倒だったけど徐々に心地良く思えていた
だんだん一緒にいる時間は増えて、私が外で遊びたくないと部屋で本を読んでいたら横に座って一緒に本を読んだりして、何となく憎めなかった

それが無意識と気付いた時には、もう姉的存在位置であの子と接していた
来るもの拒まずって訳では無かったけど、こうも素直な子は初めてだったから、自分でも驚くぐらいすんなりと受け入れていた
あの子が病気だからと外に出れなくなった時だって、自分からは珍しく毎日会いに行って話をしたり簡単な遊びをしたりしていた

他のみんなは私が読む本に興味なんか無くて遠ざけていたけれど、あの子は私の読む本やその内容を話す私を輝く目で楽しそうに聞いてくれた
それが多分、嬉しかったんだろうな…
活発的だったのに部屋から出れないなんて…と、そんな思いで一緒に居た
だけど施設の人が言った言葉、あの子が病気だからと言う話が嘘だったことはだいぶ後になってから気付くことになる
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