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「大根とキャベツが他より15円も安い。あとは、」
私はひとりで買い物を任されるまでに成長した
………と言いたいところなのだが、本当はそうでもない
実際のところは、春さんもギュウ君も何故か用事があるようで仕方なく食材を買いに行くことを了承してくれた
(買い出しくらいで了承を得なけれいけないなんて…。)
私だって買い物くらいしていたし、このくらいで騒がないでもらいたいのが本心だ
ジャンさんの家に居た時だって、難なくこなしていたんだ
それすらも出来ない箱入り娘だと思われているのは、なんだか心外だ
私が出掛けようとするたびに春さんかギュウ君が止めにやってくる
初めてのお使い並みに心配されているのか…
「お得に買い物できるって幸せ♪」
私は今日ひとりで買い出し(任務)を楽しみ、やりがいを感じた
(今日の買い物の成果は思ったより大きかったな♪)
そんなルンルンな私は足取りがいつもよりプチトマト1個分軽い気がする
両手に持った買い物袋は重い
それ程の収穫があったと言うことだ
(帰ったら早速夕食を…、)
帰宅しながら献立を考える私に、あらぬモノが目に入る
それは見覚えのある車
車なんてそこら変にたくさんって分かってる
ただナンバープーレートが完全に同じ物だったから、なおさら目に止まったんだ
「ジャンさんの車と同じ…」
いつも行っている、春さんの家から近いスーパーは今日行っていない
なんと、家に届いた激安の2文字がデカデカと載ったチラシを見て、少し遠い所まで足を運んでいた
(そのかいもあって、大収穫でしたが、)
車の中には誰も居なかった
鍵はしっかりと閉まっている
この付近はやけに人通りが少ない
しかも、時間帯が時間帯だけにより人口密度が薄い
胸騒ぎもする……
大抵こういうものは当たってしまう
全然嬉しくない
「、……そんなっ…」
だって………すぐ近くで、目の前で…ジャンさんが知らない誰かに痛めつけられているから
私は手に持っていた荷物をその場に置き去りにして、拳を彼の顔めがけて振り下ろそうとする男性を自分の出せる力、めいいっぱい振り絞って体当りした
ジャンさんの胸ぐらを掴んでいた手は離され、男性の体は必然的に吹っ飛んだ
その状況に困惑しながらも、ジャンさんの安否を確かめた
口元を真っ赤な血で染めたジャンさんの顔は殴られた跡もあって、すごく痛々しく見える
傷ひとつ無かった綺麗な顔に、今は大きな殴り跡と擦り傷と、血が滲んだ跡が残っている
その様子に、私は酷く動揺して滲む視界から受け取った情報を一生懸命処理しながら、必死にジャンさんに呼びかける
「っジャンっ…さん、ジャンさんっ…」
涙が溜まっているのが分かった
もし瞬きを1回…いや、少し動いただけでもその溜まった涙が零れ落ちそうだった
それなのに、ジャンさんはなぜここに居るんだ?といった感じで私を見ている
眉をひそめて、今にもわめきそうになる私を理解できない様な顔で睨みに近い表情をしている…
私が突き飛ばした男は立ち上がり、まさか人が来るとは思わなかったようで、走り去っていく音が聴こえた
その様子を見たジャンさんは「クソっ!」と鋭い顔つきをして、肩を支える手を退けようとした
「あんたこんな所で何してんだ」
「そんなことより…何でこんなことに…。それにっ、さっきの人何なんですか!?ジャンさんのこと殴ったりして、」
「あんたのせいで台無しだ。どう責任取るつもりだ?」
「…"台無"?それに…"責任"って…なんですか…?」
ジャンさんは顔についた血を服で拭いながら冷たい目で男が行った方向を見ていた
それを見終わると、その視線を私に移動して、「あと少しだったのに」と怒りのこもった言葉を投げかけた
私はひとりで買い物を任されるまでに成長した
………と言いたいところなのだが、本当はそうでもない
実際のところは、春さんもギュウ君も何故か用事があるようで仕方なく食材を買いに行くことを了承してくれた
(買い出しくらいで了承を得なけれいけないなんて…。)
私だって買い物くらいしていたし、このくらいで騒がないでもらいたいのが本心だ
ジャンさんの家に居た時だって、難なくこなしていたんだ
それすらも出来ない箱入り娘だと思われているのは、なんだか心外だ
私が出掛けようとするたびに春さんかギュウ君が止めにやってくる
初めてのお使い並みに心配されているのか…
「お得に買い物できるって幸せ♪」
私は今日ひとりで買い出し(任務)を楽しみ、やりがいを感じた
(今日の買い物の成果は思ったより大きかったな♪)
そんなルンルンな私は足取りがいつもよりプチトマト1個分軽い気がする
両手に持った買い物袋は重い
それ程の収穫があったと言うことだ
(帰ったら早速夕食を…、)
帰宅しながら献立を考える私に、あらぬモノが目に入る
それは見覚えのある車
車なんてそこら変にたくさんって分かってる
ただナンバープーレートが完全に同じ物だったから、なおさら目に止まったんだ
「ジャンさんの車と同じ…」
いつも行っている、春さんの家から近いスーパーは今日行っていない
なんと、家に届いた激安の2文字がデカデカと載ったチラシを見て、少し遠い所まで足を運んでいた
(そのかいもあって、大収穫でしたが、)
車の中には誰も居なかった
鍵はしっかりと閉まっている
この付近はやけに人通りが少ない
しかも、時間帯が時間帯だけにより人口密度が薄い
胸騒ぎもする……
大抵こういうものは当たってしまう
全然嬉しくない
「、……そんなっ…」
だって………すぐ近くで、目の前で…ジャンさんが知らない誰かに痛めつけられているから
私は手に持っていた荷物をその場に置き去りにして、拳を彼の顔めがけて振り下ろそうとする男性を自分の出せる力、めいいっぱい振り絞って体当りした
ジャンさんの胸ぐらを掴んでいた手は離され、男性の体は必然的に吹っ飛んだ
その状況に困惑しながらも、ジャンさんの安否を確かめた
口元を真っ赤な血で染めたジャンさんの顔は殴られた跡もあって、すごく痛々しく見える
傷ひとつ無かった綺麗な顔に、今は大きな殴り跡と擦り傷と、血が滲んだ跡が残っている
その様子に、私は酷く動揺して滲む視界から受け取った情報を一生懸命処理しながら、必死にジャンさんに呼びかける
「っジャンっ…さん、ジャンさんっ…」
涙が溜まっているのが分かった
もし瞬きを1回…いや、少し動いただけでもその溜まった涙が零れ落ちそうだった
それなのに、ジャンさんはなぜここに居るんだ?といった感じで私を見ている
眉をひそめて、今にもわめきそうになる私を理解できない様な顔で睨みに近い表情をしている…
私が突き飛ばした男は立ち上がり、まさか人が来るとは思わなかったようで、走り去っていく音が聴こえた
その様子を見たジャンさんは「クソっ!」と鋭い顔つきをして、肩を支える手を退けようとした
「あんたこんな所で何してんだ」
「そんなことより…何でこんなことに…。それにっ、さっきの人何なんですか!?ジャンさんのこと殴ったりして、」
「あんたのせいで台無しだ。どう責任取るつもりだ?」
「…"台無"?それに…"責任"って…なんですか…?」
ジャンさんは顔についた血を服で拭いながら冷たい目で男が行った方向を見ていた
それを見終わると、その視線を私に移動して、「あと少しだったのに」と怒りのこもった言葉を投げかけた
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