彼は死神

こあら

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3 「お前飛べねぇの忘れてたわ」

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説明されて、確かにまた命を狙われるならこの人たちと一緒にいたほうが良いのかもと思いはじめた




仕方ねぇなと男が口を開く


「まぁ、拉致るからにわ守ってやるよ。」









(こんな怪しい人に守られても嬉しくない…)




「納得していただいたようで、良かったです!」

両手を合わせてパチンっと音を鳴らす





別に納得した訳じゃないけど…












「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私、裏方担当のクロと申します。よろしくお願いします。」





(クロ…なんだか、猫の名前みたい)




「猫みたいな名前でしょ?」



心を見透かされたかのようにニコッと笑いかけるクロさんにハハハと笑い返す



「裏方ってどんなことをしてるんですか?」




「主である、そこにいるあの人のお手伝いです。ちなみにあの人はセツと言う名前です。雪と書いてセツとよみます。」






「勝手に個人情報漏洩ろうえいすんな」



「自己紹介は大切ですよ。しっかりご説明して差し上げては?」




「説明って言われてもなー。セツって言って、死神やってまーす。適当によろしく。」




「ん?」



今さらっとすごいこと言わなかった?




「死神って…、あの死神?」

絶対聞き方間違えた





「どの死神だ?」






「人の魂を狩る死神でございます。」


クロさん、丁寧に説明ありがとう

でも、いくら丁寧に説明されても凡人の私には状況がうまく飲み込めない





「どっきり…?」

だったらいいな

そんな思いで聞く





「そう言えたら良かったのですが、残念ながらドッキリではありません。」



「ドッキリしてるほど、俺暇じゃねぇし」






「でも、死神って真っ黒なフード付きのマントみたいなの着て、骸骨みたいな顔に大きなかま持ってるんじゃないの?セツさんみたいな普通の人みたいな見た目じゃなくて。」




「マントとかいつの時代の死神だよ。それにかまは新人が使う仕事道具。俺は新人じゃねぇから、好きな道具を使ってるってわけ」




「時代が変わり死神も変わっていきました。」




分かる…

いや分かるけど理解するにはまだ時間がかかる







「それで、あんたの名前は?」





「っあ…か、花穂カホ花穂カホって言います。」




「素敵な名前ですね。」 「腹減ったなー」



「…。」



「お名前を聞いているのに失礼ですよ。」




「時間確認したら、結構いいお時間でっせ」




「いつから時計を携帯するようになったんですか?」




「体内時計だ」




「…。花穂カホさん、すいません。こんなんでも仕事はできるので許していただけないでしょうか。」


ペコリと頭を下げるクロさん

別にこの人のせいじゃない




「大丈夫ですよ。なんか…もう、なんとなくわかりました。」




「…、痛み入ります。」

先程より深くお辞儀する





「んじゃ、俺まだ仕事残ってから」


そう言うと先程いた場所から上空へと勢い良く飛び出した


「ふぇ?」


飛んだ!?人が飛んだよ?


っあ、…死神だった…







「もぅ…、また1人で突っ走って…。花穂カホさん重ね重ねすいません。」


呆気に取られているとセツさんが戻ってきた

よっと少ししゃがみ、太もも辺りを両手で囲み軽々と私のからだを担ぎ上げる



そのままさっきのように、よいしょっと空に舞う




「お前飛べねぇの忘れてたわ」



「えぇぇぇぇ!そんなことより高ぁぁぁぁぁぁい…」

叫ぶ私の反応を見てゲラゲラ笑う最低男に、唯一使える両手でセツさんの上着にしっかり捕まる


「絶対に落とさないでよ…。」



「離さねぇよ」

涙目の私に向かって安心しろと言い、楽しそうに目的に向かう






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