彼は死神

こあら

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11 「…。さっき、本当に触ろうとしませんでしたよね?」

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「お前の方は何ともない?」


「っ!何ともないです‼」

顔を覗きこまれ反射的に顔を逸らしてしまう



「…」



(今は逸らしちゃダメなやつだった…)

だって、だって、私だけ意識してるみたいで

そう思うとなんだかセツさんの顔見られない




「っふ。」



「てめぇ今笑ったろ‼」



「呼吸音です。」



「そんな不規則なおめぇの呼吸音はじめて聞いたぞ」




「もめないでくださーい!!!!!」

精一杯の大声で2人を止めた





「はい。」 「おう…」


「もう疲れたので、寝ます」


小走りでその場から逃げた

















「では、おやすみなさい花穂カホさん。」


「おやすみなさい、クロさん。」






「おやすみ」


「…おやすみなさい、セツさん。」


「ちゃんと寝ろよ」


じゃあなとドアを閉める





「はぁ~…」


ぼふっ、っとベッドに倒れこむ


「やばかった…」


倒れそうになって頭をかばってセツさんが自分の方に引き寄せた時、すぅっと鼻の中に入ってきた香りは同じ物を使ったはずなのに、全然違う匂いに感じた


力強い手は優しく私を支え、倒れこんだ瞬間互いの唇が触れてしまうほどの距離





(あと数センチ近ければキスしていたかも…)



タートルネックでは見えなかった鎖骨は男らしく、前髪で見にくくなっていた顔は下からだと違って見えた






「…私だげ意識して、バカみたい…」
























「クロ、お前自分所で寝ろよ」


「ケダモノになられたら困るので。」


「おまっ、ほんと笑えねぇぞ」



「彼女は人間です。そのことをお忘れなく。」


「そんなこと、俺が一番わかってる…。」


「好きなのですか?」


「っぶ、クロ、おめぇまたんなこと…」


「…。」



「まだ、わかんねぇよ…」



「…。さっき、本当に触ろうとしませんでしたよね?」


「してねぇーよ!早く寝ろ」




毛布を掛け会話を強制終了させる




(触るどころじゃねぇわ。あんな甘い匂いしやがって…。…俺も俺だ、童貞みたいな反応見せて…)




「ちゃんと寝てくださいよ。」


「わかったよ‼」























「…。おめぇの寝相の悪さ、忘れてたよ」


日に入り頃頬に飛んできた小さな足を退けて部屋を出る




「水水、」

腹をボリボリかきながら大あくびする




「っ、うっ…、ううぅっ…」



「なんだ?」

(泣いてる?)



不思議に思いドアをひねり部屋に入る




「うう…っう…」



(なんで泣いてんだよ。怖い夢でも見てんのか?)


指で涙を拭う




「泣くなよ。どーしていいのかわかんねぇ」




「行かないでょっ…」



「ここに居るぞ」


そっと乱れた髪の毛を耳にかける


「ここに、ちゃんと居んだろ」





























『ここはどこ?私セツさんの家に居たはず…誰かー。いませんかー?』


どれだけ聞いても答えは返ってこなかった


不安になり足を前に走り出す




『誰かー、いないのー?誰かっ』



花穂カホ



『誰?…セツさん‼よかった…。1人にしないでくださいよ。セツさん?』



『俺は死神だ。お前とは住む世界が違う。』



『急にそんなこと言わないでくださいっ。私、私は、』



『お前がいるべき場所はあっちだ。』




『おかえり花穂カホ。心配したんだよ。』




『やだ、施設には戻りたくない!閉じ込められるの、お願いだから施設には帰さないで‼』



『じゃあな。』



『待って!セツさん!行かないで‼』



『さぁ、帰っておいで。』


『やだ、やだ。行かないでよ!』




(もう、あんな所には戻りたくないっ)




〔〔ここに居るぞ〕〕




セツさん?』



「〔ここに、ちゃんと居んだろ〕」











セツ…さん?」




「わりぃ、起こしたか?でもお前泣いてたから」




セツさんが目の前に居る…夢?)



「っ…!」



「うぉ!?どうした?」


私は現実か確かめたくてセツに抱きついた






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