彼は死神

こあら

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42 「おい!誰だか知らねぇが、こいつは連れて行かせねぇぞ」

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「っんあ!」


「そんな大きな声出したら店員に聞かれるぞ」


「っ…、だ、って…。」

彼の指によって起こされる刺激に耐えきれず脚を内側にぎゅっと閉じる


「…、反抗?」

かがみ越しに写ったセツさんは少しイジワルな顔をしていた




布越しに動かしていた指をめくるように中に侵入してくる

直接触れる指に溺れる




「っん、つさん…、」


「どうしたの?」


「ゆっ、び…、やっ…!」


「触ってるだけ、…ん」



チュッとリップ音を鳴らして耳元にキスをする

「うんんっ」



花穂カホ、耳弱いよな。可愛い」



彼のペースに飲み込まれ抗えなくなっていく


服を買いに来たはずなのに…
















「お客様、ご試着の方はどうですか?」



「っ!?」

「…」



(お店の人が来ちゃった…)



「もっ、もう少しかかりそうです!」

「かしこまりました。ごゆっくりご試着下さい。」

「は、はい。ありがとうございます…。」





店員さんが来たことによりわずかに腕が緩んだ
それを見越してこれから離れる


体を引き剥がしできるだけ恥に寄る


試着服で体を隠しセツさんを睨む



セツさんは外に出てて。」


「…、手伝ってやるよ」


「出ていって!」


試着室の出口を指差す




「っお、い、怒ったのか…?」

「早く行って」



顔をぷいっ、っと反対側に向け会話を強制終了させる

私はしゅんっとした顔で渋々出ていく姿をかがみ越しに見ていた


試着室の外に出たものの、ドアを少し開き隙間から顔を出しこちらの様子をうがっていたか


「終わるまで外で待ってて!」

ドアをばんっ!っと閉め一人だけの空間を作った

そのまま下に倒れ込み真っ赤になった顔を必死に両手で隠す

誰に見られているわけでもない

けど、恥ずかしさで心臓バックバクでかがみに写る自分の顔がとてつもない顔だった



「…、し、試着、しなきゃ…。」







































 







「っ!」

「…。」



「なぁ、まだ怒ってんのか?…」

「…。」



「機嫌直せよ。な?」

「…。」



セツさんの目を見ることなく試着室をあとにした


あからさまにプリプリした態度を取る



(少しはこれで反省でもして下さい。)





「お客様、ご試着の方はいがでしたか?」


「とても可愛くて気に入りました。でも、次回にしときます。すみません。」




「いえっ、気にしないでください。またいつでもお越しください。お待ちしています。」


「ありがとうございます。」

ぺこっと軽く会釈をしお店から出る


後からソワソワしているセツさんがついてくるが、それも無視


「…、なぁ…怒ってるから買わなかったのか?悪かったって…」


「…。」

(別に…、それが理由じゃないけど、今はまだ言わない。)




「ごめんって…」と後ろから聞こえる謝罪の言葉を意図的に無視すると、聞き慣れた声がした
その声の主は「花穂カホ!?」と驚きと心配の融合した声色で私の名前を呼ぶ


「っ!?ちさ?ちさ!」


「探したんだよ花穂カホ、途中で離れちゃったから。ねぇ、今大丈夫?」

「うん、大丈夫。それよりちさは?その頬…どうしたの?」


「話せば長くなる…。…ずっとどこにいたの?まさか野宿なんて…」

「ううん。こっちも話せば長くなるけど、大丈夫だったよ。」

左頬を痛々しく染める彼女は私を施設から出してくれた、親友
施設を出て2人で一生懸命走っていた時、人の波によって離れ離れにされてしまった
それから色々あって、1人でとぼとぼ歩いてたらセツさんと出会った


「良かった。ねぇ、私と一緒に行きましょ。見つからない所に逃げよう。いくら距離があるからって安全とは言えないでしょう。私今お金を稼いで資金を貯めてるの。」


「ごめん、ちさ。私、行けない…」


「どうして…?まさか、もう、…見つかったの…?」

「そうじゃないの…。ただ……。」

「もしかして、行けない理由って後ろで私を睨んでる男のこと?」

「…、うん。」


少し恥ずかし思いで返事した
この人は、大切な人で一緒にいたい人
だから、ちさには申し訳ないけど一緒に行くことはできない




「おい!誰だか知らねぇが、こいつは連れて行かせねぇぞ」


「っちょ、セツさんっ」

花穂カホを離して!花穂カホのこと何も知らないくせに!!」


私の腕を引っ張るセツさんは、今から喧嘩でもするみたいに敵意を剥き出しにしている
それに負けじとちさまでもが喧嘩腰になってしまった





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