ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

文字の大きさ
19 / 138

第十一話 「ジュンブライト、結婚する!?」

しおりを挟む
七時になって、ジュンブライトと、マドレーヌちゃんと、ルクトさんと、リリアさん以外のみんなは、不思議そうに、食堂に入った。

「急きょ変更って言ってたけど、なにかな?」

アクアさんが、不思議そうな顔で、いすにすわった。

「なんか、まずいにおいがするけど。」

リナンさんが、鼻をつまみながら、嫌な顔をしている。

「不可解な事件が起こりそうだ。『なぞの急きょ変更の夕食大事件』、てな。」

ジャンさん、これは大事件じゃないから。
んじゃあ、私はアクアさんのとなりにすわろうっと。

「みんな、おまたせ。夕食の時間だぜっ!」

ソアンさんが、ご飯を運んで、出てきた。
みんなは、「おぉ!」と、いすから立ち上がった。

「はいよっ!」

ソアンさんはご飯をテーブルに置いた。
そのご飯を見て、アクアさんと、リナンさんと、ジャンさんの表情が変わった。

「なにこれ?」

「ねずみの野菜炒めは?」

「これは、『なぞの夕食登場!事件』だな。」

ジャンさん、だから、事件じゃないってば。

「これは、ナポリタンという人間界の食べ物で、すげぇーおいしいんだぜ!これはからあげで、これは、肉じゃがで、これは、サラダで、デザートは、プリンだぜ!これもぜーんぶ、人間界の食べ物だぜ!」

ジュンブライトは、にかっと笑った。

「すっごーい!」

えへへへへ。実は、ソアンさんに、渡した白い紙の正体は、ナポリタンと、からあげと、肉じゃがと、サラダとプリンのレシピだったんだ。役に立って、よかった。

「ジュンブライト君、このしるものは、なに?」

「これは、みそしるっていうんだ。これも、人間界の食べ物だ!」

「へぇー。」

このご飯とみそしるは、私がつくったの。

「ではみなさん、いただきまーすです!」

「いただきます。」

「おいし~い♡アクア、これ、気にいった♡」

「真莉亜ちゃん、今度、肉じゃがのレシピ、教えて。」

「はいっ!」

「実においしい。アハハハハハ。」






「なぁ、なにを歌う?」

「俺はもちろん、『ヘビーローテーション』だぜ!」

「私も、『ヘビーローテーション』で。」

うるさいカラオケルームで、今、ソアンさんと、ジュンブライトと、ルクトさんが、『ヘビーローテーション』を歌おうとか言い合っている。

「真莉亜さん、『アンモナイトの夢』は、ありませんか?」

そんなのは、ありませんっ!

「『♪ざぁんこくな天使のテーゼ』」

アクアさんと、マドレーヌちゃんと、リナンさんが、エヴァンゲリオンの主題歌、『残酷な天使のテーゼ』を歌っている。

「『♪しょおねんよ神話になれ!』」

私も歌おうっかなぁ~。でも私、人見知りだから。

「『♪アイオンチュー♡』」

うるさい・・・・・・。

「真莉亜。」

リリアさんが、私に声をかけた。

「これ、一緒に歌いましょう。」

リリアさんが、私にリモコンを見せた。
えぇ!?『学園天国』を歌うの!?

「『♪ヘビーローテーショーン♡』」

「ヒューヒュー♡」

みんな、うるさいです。

「次は誰・・・・・・。ん?」

ジュンブライトが、首をかしげた。

「『学園天国』は、誰だ?」

「私達ですっ!」

私が大きな声で言うと、みんなはしーんとなった。

「リリアと歌うのか。」

ジュンブライトが、こっくりとうなづくと、音楽が鳴り始めた。

「イェーイ!」

なんか、楽しくなりそう。

「『♪あいつもこいつもあの席をただ一つねらっているんだよ。このクラスで一番の美人のとなりを』」

今日は、楽しい一日だったなぁ。






十一時二十三分、今日の朝食のカレー、おいしかったなぁ。
二十五分になったら、ジュンブライト、もうヴァンパイア界に帰るし。

「よっ、真莉亜。」

ジュンブライトが、どろぼうさん見たいに、風呂敷をかついでやって来た。

「昨日は、楽しかったですか?」

そりゃあもちろん、楽しかったです。って、ルクトさんも?

「はい。王子について行かないので。」

そうか。

「真莉亜お姉様、一緒にお留守番しましょう。」

マドレーヌちゃん・・・・・・。

「ジュンブライト、真莉亜になにかお礼とか言って。」

リリアさんが、ジュンブライトの頭をポンとたたくと、ジュンブライトの口が動いた。

「・・・・・・これ、あげる。今までありがとうな、真莉亜。」

ジュンブライトが、私に、ダンボールの包み紙を渡した。渡した後、ジュンブライトが、窓に腰をかけた。

「じゃあな、真莉亜。」

と、ジュンブライトは黒い翼を広げて、空を飛んで、帰っちゃった。

「今まで、王子のことを見ていただき、誠にありがとうございました。」

ルクトさんは、ジュンブライトの後を追いかけて、飛んで帰っちゃった。





ジュンブライト、お見合い、どうしたのかな?
きっと、結婚式は、○月に決定!とか、決めてんじゃないかな?
しかも、このダンボールの包み紙の中身、なにが入ってるんだろ。
私は、包み紙を開けた。ん?なに、これ。
フリフリの服で、コウモリ型のアクセで、黒いくつで、全部黒くて・・・・・・。あっ!
これ、ライトホームで、私がかわいい♡って言ってたドレス!?
なんで、ジュンブライトが、このドレスを!?
ん?ドレスの上に、手紙が・・・・・・。

『まりあへ』

このきたない字は、まさにジュンブライト・・・・・・。
私は、その手紙を広げた。

<まりあへいままでありがとうな。おまえとみじかいあいだ、にんげんかいでそばにいて、とてもたのしかったぜ!でも、けっこんがきまって、おれはおまえとはなれるの、いやだっとおもったんだけど、だいおうになるから、へいき、へいきだぜ!また、なんねんごにまた、あおうぜ!じゆんぶらいとより>

『の』は、『かいけつゾロリ』見たいになってるし。てか、小っちゃい『ゅ』と漢字、使えよ!っていうつっこむ気、ゼロ。

「『よっ、真莉亜!』」

「『お前の血、おいしそうだな。』」

「『俺が絶対、お前を守ってやる。』」

「『真莉亜!』」

ジュンブライトの声が、私の頭の中に響いて来る。
私、ジュンブライトに「好き。」って、告白出来なかった・・・・・・。

「真莉亜お姉様、泣いてるんですか?」

泣いてるに決まってるじゃない。マドレーヌちゃん・・・・・・。
私のバカバカバカバカ!ジュンブライトが結婚するっていうのに、告白、出来なかったじゃない・・・・・・。

「真莉亜、元気を出しなさい。」

「また、会えますよ。ジュンブライトお兄様に。」

うん・・・・・・。

「なにやってんだ?」

泣いているんだよ。ジュンブライトのことを思い出して・・・・・・。

「俺?俺はここにいるぞ。」

え?えぇ~!?結婚は!?

「結婚は、相手がわがままで、親父が、「人間界にもどれ。」って言われて、もどって来たんだよ。」

うそ・・・・・・。

「また、お世話になります。」

もう、心配したんだからっ!

「真莉亜。」

ジュンブライトが、しゃがみこんで、私をギュっとだきしめて、照れくさそうに、口を動かした。

「真莉亜、俺がもし、また結婚するってなったら、絶対に泣くなよ。」

うん・・・・・・。約束するよ。





「ノア様、石のにおいは、ここだねっ!」

「え?あの人間に近づきたい?」

「わかった。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写と他もすべて架空です。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編7が完結しました!(2026.1.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

処理中です...