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第1章

第三話 「真莉亜、妊娠する」

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2カ月後。
ゔ!またきたか!
私、真莉亜は最近、吐き気とか、頭痛がするんです。
一体、なんでしょう。
 
「よっ、真莉亜。」
 
ジュンブライト!
 
「なんだ。顔色が悪いぞ。」
 
ジュンブライトが、私の顔をのぞきこんだ。
い、いやっ。悪くないよ、全然!
 
「そうか?」
 
うん!
 
だってほら、こんなに元気だし・・・・・・ゔ!
 
「真莉亜!?」
 
「オェ―!」
 
私は吐いた。
 
「真莉亜!?大丈夫か!?」
 
「オェ―!」
 
ジュンブライトは、私の背中をこすった。
 
「・・・・・・誰か、助けてくれ!真莉亜が・・・・・・真莉亜が!」
 
すると、一人の召使さんがやって来た。
 
「まあ!お妃様!これはひどい・・・・・・すぐお医者様を呼んできますっ!」
 
召使いさんはあわてて、走って行った。
 
「・・・・・・はぁ、はぁ。もう、大丈夫かも。」
 
「大丈夫じゃねぇーって!部屋でゆっくりしてろ。」
 
え―?そんなぁ~。
 
 

 
トホホホ。
なんでこんなことになったんだろ。
ズキン!
ゔ!今度は頭痛!?
もう、なんなのよ、これぇ!
ガチャッ。
 
「真莉亜ちゅわ~ん♡元気ぃ~?」
 
ウルフ一郎さん!なんでここに!?
 
「えへへーん♡実は君が寝込んでるって聞いて、駆け付けたんだよーん♡」
 
あっ、ありがとうございます。
わざわざおとぎの国から来てくれて。
 
「いやぁ~、それほどでもぉ~♡君のためならぁ、いつでも駆け付けるよ~ん♡」
 
はいはい。
ん?ウルフ一郎さん。
ウルフ一郎さんが持っているお鍋、なんですか?
 
「あ、これはね、おかゆなんだ。」
 
おかゆ!?
もしかして、わざわざつくってくれたんですか!?
 
「イエス!君のことを聞いて、あわててつくったんだよ~ん♡」
 
うわぁ。ありがとうございますぅ。
 
「いえいえ。で、このお部屋、君のお部屋なの?」
 
いいえ。
ジュンブライトと私のお部屋です。
 
「ぬわんだとぉ~!?まさか、ロンゲヤローと一緒に寝てるのか!」
 
はい。
 
「おっのれ~!ゆるさねぇ!ロンゲヤロー!今すぐ真莉亜ちゃんと離婚させてやるぅ!」
 
ウルフ一郎さん、落ち着いて!
ウルフ一郎さんが作ったおかゆ、食べたいなっ♡
 
「OK~、いい感じぃ~♡」
 
ローラか。
 
「じゃあ、早速、開けるねっ。」
 
はい。
 
「じゃーん!」
 
開けたとたん、湯気が出てきた。
うわぁ。おいしそ~う。
いっただっきま・・・・・・。
 
「あー、まって!」
 
なんですかぁ。
 
「俺様があーんしてあ・げ・る♡」
 
うぇ。
 
「遠慮しないでよぉ~。病人なんだしぃ♡」
 
そこまで言うなら・・・・・・いいですよ。
 
「やったぁ~!じゃ、あーん♡」
 
「あーん。」
 
ぱくっ。
 
「どう?」
 
ん~、おいし~い!
 
「そうでしょ?」
 
はい!
ウルフ一郎さんがつくったおかゆ、おいしいですっ!
 
「それはよかったぁ~。」
 
どうしたんですか?元気のない顔をして。
 
「・・・・・・こーすると、あいつのことを思い出しちまうんだよ。」
 
あいつって、ネルさんのことですか?
 
「あぁ。」
 
そういえば2年前、姿を消しましたね!
なんでですか?
まさか、ウルフ一郎さんのことを嫌いになったとか。
 
「ちがうんだよぉ!」
 
じゃ、なんですか?
 
「それはぁ、知ってるけどぉ、君には教えたくない。」
 
えっ!?なんでですか!?
 
「・・・・・・大人の事情・・・・・・だからさ。」
 
ウルフ一郎さん・・・・・・。
 
「また、会えるといいですねっ。」
 
私は笑顔で言った。
 
「あぁ。」
 
さぁ、早くあーんしてくださいっ。
 
「OK~♡」
 
ガチャッ。
 
「はい、あーん♡」
 
「あーん。」
 
ぱくっ。
 
「どう?」
 
ん~、やっぱサイコ~!
 
「アハハハハハ!君は相変わらず、かっわいいねぇ~♡」
 
うふふふふ。
あ・・・・・・。
 
「どうしたんだい?」
 
後ろ・・・・・・。
 
「後ろ?」
 
ウルフ一郎さんは、後ろを振り向くと・・・・・・そこにはジュンブライトが怒っていた。
 
「い・・・・・・!」
 
「てめぇ、人の嫁さんに、なにしてくれてんだよぉ!」
 
「うわぁ~!」
 
ウルフ一郎さんは、ジュンブライトになぐられて、空の果てまで飛んで行っちゃった。
ジュンブライト!なにをするの!
 
「ふっ、じゃま者は消えたぜ。」
 
そうじゃなくて!
ウルフ一郎さんは私を心配して、来たんだよ!?
それなのにひどい!追い出すなんて!
 
「ちっ、オオカミヤロー。よくも俺の女房を独り占めにしやがって!」
 
もしかして、ヤキモチ妬いてるの?
 
「や・・・・・・妬いてねぇよ!誰があのオオカミヤローにヤキモチ妬くかってんだ!」
 
顔、赤くなってるし。
 
「う、うるせぇ!ところで、どうだ、容体は。」
 
うん。少し、よくなったみたい。
 
「そっか。」
 
って、なに勝手におかゆを食べてんのよぉ!
 
「ん~、うまい!」
 
それ、ウルフ一郎さんが私のためにつくったおかゆなのよ!?
 
「うるさい。あ~、おいしかった。オオカミヤローに言ってくれ。「ごちそうさまでした。」って。」
 
もう・・・・・・。
 
 

 
 
 
夕食の時間。
今日は私だけ、夕食のメニューがちがってた。
みんなはぶたじるに、カレーライスに、とんかつ。
で、私はコンソメスープだけ。
 
「真莉亜、それだけで十分なの?」
 
はい。
自分の体のことを考えて、ちょっと、がまんします。
 
「私のとんかつ、あげましょうか?」
 
マドレーヌちゃん。うれしいけど、ごめんね。
 
「そうですかぁ。」
 
マドレーヌちゃんは、しゅんとした。
ごめんね。私も食べたいんだよ。
 
「マドレーヌ、いいから食べなさい。」
 
「はーい。」
 
ゔ・・・・・・なんか、めまいが・・・・・・。
私はばたりとたおれた。
 
「真莉亜!?大丈夫か!?」
 
ジュンブライトの声が聞こえるけど・、全然、起ききれない・・・・・・。
 
「医者を呼べ!」
 
「お医者様を呼んできますっ!」
 
「俺が真莉亜を医療室に連れて行く!」
 
「たのむ!」
 
「おう!」
 
ジュンブライトは私をお姫様抱っこしたまま、走った。
 
「真莉亜!無事でいてくれよな!」
 
 
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