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第1章
第十二話 「ヴァンパイアカラオケ大会に出場!」
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「あー、負けたぁ~。100万円が、頭の中から消えたぜ。」
「ウルフ一郎。」
「ネ、ネル!」
「くやしんでいるのか?」
「あぁ。」
「……あたしは、お前が勝ったと思う。」
「え……。」
「だって、あれだけがんばったんだもん!赤ちゃんのために!お前は充分がんばった!だから、そんなにくやしむな!赤ちゃんも、そう言ってるよ。」
「ネル……うわ~ん!」
「こらこら、泣くな。赤ちゃんが、笑っているよ。」
「ゔ……ゔぅ……ありがとう、ネル。お前のおかげで、元気になったよ。ありがとう。」
「いいえ、どういたしまして。」
「いよーし!ずーっとへこんでいたらだめだ!ベビー用品はいつでも買えるんだから!」
「うふふ、そうこなくっちゃね。」
「おう!」
☆
「『準決勝に入りましたぁ!準決勝は、ハルルさんVSナツメさんで~す!』」
おぉ!これは豪華な対決!期待できるぞぉ!
「フレーッ、フレーッ、ハールールちゃーん!そーれ!フレッ、フレッ、ハルルちゃんっ。」
「フレッ、フレッ、ハルルちゃんっ。」
「がんばれがんばれ、ハルルちゃんっ。」
「がんばれがんばれ、ハルルちゃんっ。」
「冷静に!がんばって!気合いを入れて、オーッ!」
相変わらず、親衛隊のみなさんの熱い応援ら、変わりません。
「『100点!ナツメさん、決勝進出ですっ!』」
「『そ、そんなぁ~。』」
あーあ。ハルルさん、負けちゃった。
「『フォ、フォ、フォ、フォ、フォ。さぁ、決勝で、気合いを入れてがんばるぞぉ!』」
「ゔ……ゔぅ……。」
「僕達のハルルちゃんが……。」
「負けてしまった……。」
「うわ~ん!」
あらら。親衛隊のみんなも、悲しんでる。
おつかれ様です。
「『さぁ、決勝戦が今、始まろうとしています!と、その前に……。』」
?
「『ちょっと僕、トイレー。』」
「あだー!」
私達はお笑い劇のようにズッコケた。
☆
いよいよ決勝戦!
「『さぁ、とうとう決勝戦がやってきましたぁ!果たして、勝つのはどっちか!勝ち残った二人を紹介しましょう!カラオケの神様、ナツメさん!』」
ガスがバーと出て来て、ナツメさんが出て来た。
「『フォ、フォフォ。今年も優勝、間違いなしじゃな。』」
「『続いて、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライト様!』」
ガスがバーと出て来て、ジュンブライトが出て来た。
「『ニヒニヒニヒ~。絶っっっっ対、優勝してやるぜ!』」
「キャー♡ジュンブライト様ぁ~♡」
「こっち向いてぇ~♡」
「キャー♡」
「おーい、バカ王子ぃ~もし優勝しなかったら、真莉亜ちゃんを、俺様にくれーっ!」
「うっさい、バカオオカミ。」
「王子ぃ~、がんばってくださ~い!」
「応援してますよぉ~!」
「最後までがんばってぇ~!」
「おう!」
ジュンブライトは、ニッと笑った。
「ジュンブライトぉ~!」
「ま、真莉亜!」
「がんばってねぇ~!応援してるよぉ~!」
私がそう言うと、ジュンブライトの目がハートになった。
「『OK~♡優勝したら、ステーキ、おごってねぇ~♡』」
はいはい。
「俺様も行くぞ!」
「『さて、決勝戦になりましたよ、ジュンブライト様。』」
「『去年は負けたが、今年は必ず、勝ってみせるぜ!ニヒニヒニヒニヒ。』」
「『そう言って、いつもわしに負けるじゃろーが、ジュンブライト様。』」
「『!?』」
ジュンブライトは、ナツメさんの方をにらんだ。
「『まぁまぁ、そんなことは言わずに、早く対決を始めましょう。それでらナツメさんで、『天城越え』。』」
そのとたん、音楽が流れ始めた。
「『隠しきれない移り香がいつしかあなたにしみついた 誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか 寝乱れて隠れ宿 九十九折浄蓮の滝 舞い上がり搖れ堕ちる 肩の向こうにあなた……山が燃える 何があってももういいの くらくら燃える火をくぐり あなたと越えたい 天城越え』。」
パチパチパチパチ。
さすがはこれは、100点でしょ。
「『さぁ、ナツメさんの点数は!』」
デデデデデデデデデデデデデデデン、ジャン!
スクリーンに点数がうつった。
「『99点!』」
えっ!?うそ!あのナツメさんが、まさかの99点!
「『フォフォフォ。あと一歩で100点だったのに。』」
「『それではいよいよ、あの方の出番ですっ!ジュンブライト様で、『南の花嫁』』。」
「お前、よく古い曲を選んだな!」
「『フォフォフォ。高峰三枝子、なつかしいのう。』」
ジュンブライト、がんばって!
私、心の中で応援するから!
「『ねむの並木をお馬のせなにゆらゆらと花ならかんなの花が散りそで散らぬ花びら 風情燐の村へとお嫁入り「おみやげはなあに」「籠のオーム」言葉もたったひとつ いついつまでも』。」
パチパチパチパチ。
「王子、いーぞぉ~!」
「ナツメをやっつけろ~!」
「今回もじいさんに負けたらだめよ~!」
国民のみんなが、熱い声援を送っている。
「『あー、もう、わかったよ!』」
「『それでは採点に行きましょう!ジュンブライト様の点数は!』」
デデデデデデデデデデ。
お願い!神様!
どうか、ジュンブライトを優勝へ導いて!
お願いだから!
デデデデデデデデデン、ジャン!
スクリーンに点数がうつった。
果たして、結果は!
「『100点!ナツメさんおしくも初めて、優勝をのがしましたぁ!よって、今大会の優勝は、ジュンブライト様で~す!』」
そのとたん、きれいな花火が舞い上がった。
やったぁ~!ジュンブライトが、優勝した!
あのジュンブライトが、初めて優勝した!
しかも念願の!
「『やったぁ~!』」
ジュンブライトは、うれしそうに、大きくジャンプした。
「『おめでとうございますっ!ジュンブライト様には、賞金100万円をさしあげまーす!』」
メンマさんが、ジュンブライトに100万円を渡した。
「『おぉ!サンキュー!』」
「キャー♡ジュンブライト様ぁ~♡」
「おめでと~♡」
「ちっ、やってくれるぜ、あのバカ。」
「ジュンブライト様ぁ~!おめでとうございますぅ!」
「『アハハハハハ!ありがとう、みんなぁ!』」
ジュンブライトは笑顔でみんなに手を振った。
「『ジュンブライト様。』」
「『なんだよ、クソじじい。』」
すると、ナツメさんが、手を差し出した。
「『えっ?』」
「『優勝おめでとう。わしはこれから、もっと上手くなるように、修行するよ。』」
「『おう!せいぜい、がんばれよな、クソじじい!』」
二人は固く握手をした。
これぞ、永遠のライバルってことですか。
☆
ここはヴァンパイア界のステーキハウス。
このお店はなんと、主人が人間の男の人なんですっ!
なので、グロイ料理はありません。
全て、人間界の料理なんですっ!
「ん~、うめぇ~!真莉亜、食べないのか?」
う、うん。
も、もうこのステーキは、食べきれません。
「じゃあ、俺が食うよ。」
えっ!?いいの!?
「あたり前だろ。食えねぇもんは、無理に食べなくてもいいさ。」
うわぁ~。ありがとう、ジュンブライト!
私はジュンブライトにステーキをやった。
「おぉ!サンキュー!」
「すみませーん、いちごパフェくださ~い!」
「はいよ。」
って、マドレーヌちゃん、そのパフェ、何円だった?
「150円です。」
う、うわぁ。計算したら、もう、2千円超えたよぉ~。
「大丈夫?真莉亜ちゃん。」
はい、大丈夫です。
なんで、私がおごるハメになったのぉ~?
あと何円あるんだ?
えっとぉ……。
「おーい、レモンステーキ、持って来てくれー!」
「はいよ。」
って、たのまないでよっ!
「いいじゃねぇか。」
よくないっ。
「お前、真莉亜ちゃんのお金のことぐらい、考えろよ。」
「考えてるよ、そのくらい。」
「考えてねぇじゃねぇか!」
「あー!」
私は突然、声を上げた。
「どうした、真莉亜!」
「も、もう、お金がない……。」
「ぬわんだとぉ~!?」
「じゃあ、どーすんだよ!金をはらうのは!」
「仕方ない。私がはらってやろう。」
ありがとうございます、ヒアン様。
「いいえ、どういたしまして。」
ヒ、ヒアン様、優しすぎるよ、あんた!
「おーい、ビーフステーキ持って来てくれー!300gの!」
「はいよ!」
「って、ジュンブライト、それ、何円だった?」
「2400円。」
「ってめぇ!高すぎるやつ、たのむなよぉ!」
ヒアン様の声が、夜空まで響いた。
「ウルフ一郎。」
「ネ、ネル!」
「くやしんでいるのか?」
「あぁ。」
「……あたしは、お前が勝ったと思う。」
「え……。」
「だって、あれだけがんばったんだもん!赤ちゃんのために!お前は充分がんばった!だから、そんなにくやしむな!赤ちゃんも、そう言ってるよ。」
「ネル……うわ~ん!」
「こらこら、泣くな。赤ちゃんが、笑っているよ。」
「ゔ……ゔぅ……ありがとう、ネル。お前のおかげで、元気になったよ。ありがとう。」
「いいえ、どういたしまして。」
「いよーし!ずーっとへこんでいたらだめだ!ベビー用品はいつでも買えるんだから!」
「うふふ、そうこなくっちゃね。」
「おう!」
☆
「『準決勝に入りましたぁ!準決勝は、ハルルさんVSナツメさんで~す!』」
おぉ!これは豪華な対決!期待できるぞぉ!
「フレーッ、フレーッ、ハールールちゃーん!そーれ!フレッ、フレッ、ハルルちゃんっ。」
「フレッ、フレッ、ハルルちゃんっ。」
「がんばれがんばれ、ハルルちゃんっ。」
「がんばれがんばれ、ハルルちゃんっ。」
「冷静に!がんばって!気合いを入れて、オーッ!」
相変わらず、親衛隊のみなさんの熱い応援ら、変わりません。
「『100点!ナツメさん、決勝進出ですっ!』」
「『そ、そんなぁ~。』」
あーあ。ハルルさん、負けちゃった。
「『フォ、フォ、フォ、フォ、フォ。さぁ、決勝で、気合いを入れてがんばるぞぉ!』」
「ゔ……ゔぅ……。」
「僕達のハルルちゃんが……。」
「負けてしまった……。」
「うわ~ん!」
あらら。親衛隊のみんなも、悲しんでる。
おつかれ様です。
「『さぁ、決勝戦が今、始まろうとしています!と、その前に……。』」
?
「『ちょっと僕、トイレー。』」
「あだー!」
私達はお笑い劇のようにズッコケた。
☆
いよいよ決勝戦!
「『さぁ、とうとう決勝戦がやってきましたぁ!果たして、勝つのはどっちか!勝ち残った二人を紹介しましょう!カラオケの神様、ナツメさん!』」
ガスがバーと出て来て、ナツメさんが出て来た。
「『フォ、フォフォ。今年も優勝、間違いなしじゃな。』」
「『続いて、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライト様!』」
ガスがバーと出て来て、ジュンブライトが出て来た。
「『ニヒニヒニヒ~。絶っっっっ対、優勝してやるぜ!』」
「キャー♡ジュンブライト様ぁ~♡」
「こっち向いてぇ~♡」
「キャー♡」
「おーい、バカ王子ぃ~もし優勝しなかったら、真莉亜ちゃんを、俺様にくれーっ!」
「うっさい、バカオオカミ。」
「王子ぃ~、がんばってくださ~い!」
「応援してますよぉ~!」
「最後までがんばってぇ~!」
「おう!」
ジュンブライトは、ニッと笑った。
「ジュンブライトぉ~!」
「ま、真莉亜!」
「がんばってねぇ~!応援してるよぉ~!」
私がそう言うと、ジュンブライトの目がハートになった。
「『OK~♡優勝したら、ステーキ、おごってねぇ~♡』」
はいはい。
「俺様も行くぞ!」
「『さて、決勝戦になりましたよ、ジュンブライト様。』」
「『去年は負けたが、今年は必ず、勝ってみせるぜ!ニヒニヒニヒニヒ。』」
「『そう言って、いつもわしに負けるじゃろーが、ジュンブライト様。』」
「『!?』」
ジュンブライトは、ナツメさんの方をにらんだ。
「『まぁまぁ、そんなことは言わずに、早く対決を始めましょう。それでらナツメさんで、『天城越え』。』」
そのとたん、音楽が流れ始めた。
「『隠しきれない移り香がいつしかあなたにしみついた 誰かに盗られるくらいならあなたを殺していいですか 寝乱れて隠れ宿 九十九折浄蓮の滝 舞い上がり搖れ堕ちる 肩の向こうにあなた……山が燃える 何があってももういいの くらくら燃える火をくぐり あなたと越えたい 天城越え』。」
パチパチパチパチ。
さすがはこれは、100点でしょ。
「『さぁ、ナツメさんの点数は!』」
デデデデデデデデデデデデデデデン、ジャン!
スクリーンに点数がうつった。
「『99点!』」
えっ!?うそ!あのナツメさんが、まさかの99点!
「『フォフォフォ。あと一歩で100点だったのに。』」
「『それではいよいよ、あの方の出番ですっ!ジュンブライト様で、『南の花嫁』』。」
「お前、よく古い曲を選んだな!」
「『フォフォフォ。高峰三枝子、なつかしいのう。』」
ジュンブライト、がんばって!
私、心の中で応援するから!
「『ねむの並木をお馬のせなにゆらゆらと花ならかんなの花が散りそで散らぬ花びら 風情燐の村へとお嫁入り「おみやげはなあに」「籠のオーム」言葉もたったひとつ いついつまでも』。」
パチパチパチパチ。
「王子、いーぞぉ~!」
「ナツメをやっつけろ~!」
「今回もじいさんに負けたらだめよ~!」
国民のみんなが、熱い声援を送っている。
「『あー、もう、わかったよ!』」
「『それでは採点に行きましょう!ジュンブライト様の点数は!』」
デデデデデデデデデデ。
お願い!神様!
どうか、ジュンブライトを優勝へ導いて!
お願いだから!
デデデデデデデデデン、ジャン!
スクリーンに点数がうつった。
果たして、結果は!
「『100点!ナツメさんおしくも初めて、優勝をのがしましたぁ!よって、今大会の優勝は、ジュンブライト様で~す!』」
そのとたん、きれいな花火が舞い上がった。
やったぁ~!ジュンブライトが、優勝した!
あのジュンブライトが、初めて優勝した!
しかも念願の!
「『やったぁ~!』」
ジュンブライトは、うれしそうに、大きくジャンプした。
「『おめでとうございますっ!ジュンブライト様には、賞金100万円をさしあげまーす!』」
メンマさんが、ジュンブライトに100万円を渡した。
「『おぉ!サンキュー!』」
「キャー♡ジュンブライト様ぁ~♡」
「おめでと~♡」
「ちっ、やってくれるぜ、あのバカ。」
「ジュンブライト様ぁ~!おめでとうございますぅ!」
「『アハハハハハ!ありがとう、みんなぁ!』」
ジュンブライトは笑顔でみんなに手を振った。
「『ジュンブライト様。』」
「『なんだよ、クソじじい。』」
すると、ナツメさんが、手を差し出した。
「『えっ?』」
「『優勝おめでとう。わしはこれから、もっと上手くなるように、修行するよ。』」
「『おう!せいぜい、がんばれよな、クソじじい!』」
二人は固く握手をした。
これぞ、永遠のライバルってことですか。
☆
ここはヴァンパイア界のステーキハウス。
このお店はなんと、主人が人間の男の人なんですっ!
なので、グロイ料理はありません。
全て、人間界の料理なんですっ!
「ん~、うめぇ~!真莉亜、食べないのか?」
う、うん。
も、もうこのステーキは、食べきれません。
「じゃあ、俺が食うよ。」
えっ!?いいの!?
「あたり前だろ。食えねぇもんは、無理に食べなくてもいいさ。」
うわぁ~。ありがとう、ジュンブライト!
私はジュンブライトにステーキをやった。
「おぉ!サンキュー!」
「すみませーん、いちごパフェくださ~い!」
「はいよ。」
って、マドレーヌちゃん、そのパフェ、何円だった?
「150円です。」
う、うわぁ。計算したら、もう、2千円超えたよぉ~。
「大丈夫?真莉亜ちゃん。」
はい、大丈夫です。
なんで、私がおごるハメになったのぉ~?
あと何円あるんだ?
えっとぉ……。
「おーい、レモンステーキ、持って来てくれー!」
「はいよ。」
って、たのまないでよっ!
「いいじゃねぇか。」
よくないっ。
「お前、真莉亜ちゃんのお金のことぐらい、考えろよ。」
「考えてるよ、そのくらい。」
「考えてねぇじゃねぇか!」
「あー!」
私は突然、声を上げた。
「どうした、真莉亜!」
「も、もう、お金がない……。」
「ぬわんだとぉ~!?」
「じゃあ、どーすんだよ!金をはらうのは!」
「仕方ない。私がはらってやろう。」
ありがとうございます、ヒアン様。
「いいえ、どういたしまして。」
ヒ、ヒアン様、優しすぎるよ、あんた!
「おーい、ビーフステーキ持って来てくれー!300gの!」
「はいよ!」
「って、ジュンブライト、それ、何円だった?」
「2400円。」
「ってめぇ!高すぎるやつ、たのむなよぉ!」
ヒアン様の声が、夜空まで響いた。
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