ヴァンパイア♡ラブforever

田口夏乃子

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第1章

第十八話 「愛ってなんだ?」

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「ガーゴー、ガーゴー。」

……おい、またかよぉ。

「ガーゴー、ガーゴー……んがぁ!おはようさ~ん。」

おはようさんじゃねぇ!
ったく、また酒なんか飲んでやがって!これで何回目だ!

「ガーゴー、ガーゴー。」

って、またねるんじゃねぇ!

「んがぁ!いい朝だぁ~。」

って、俺にだきつくなっ!

「ガーゴー、ガーゴー。」

って、またねるなよっ!

「んがぁ!ごめんごめーん。」

お前、服はどーしたんだよ。

「あんだって?」

服はどーしたんだよって、聞いてんだっ!

「ああ~。お洋服ね。あっち。」

ウルフ一郎が指をさした方を見ると……。
服にズボン、アクセサリーに、シャツ。パンツ、くつした、くつが全部、散らばってる。
あーあ。こんな道端に散らかしちゃあ、めいわくになるぞ。
俺はあいつの洋服を、集めた。
ほらよ。

「サンキュー。」

やつは服に着替え始めた。

「お前、いつになったら、元気になるのかよぉ。」

「ああん?なんだって?」

いつになったら元気になるかって、聞いてんだ!

「ああ~、それね。たぶん、100年後だと思う。」

ひやっ、100年後って、お前、死んでるぞ!

「それよりさ、ジュンブライトちゅわ~ん♡助けてよぉ~♡」

ちょっと、俺にだきつくなっ!

「あら。あの二人、まさか……。」

「しっ!気にしない!」

俺達はそーゆー関係じゃねぇよ!
ただ、こいつが酔っ払っているだけ……。

「ん~♡ジュンブライトちゃんの胸、あったか~い♡」

こ、こいつぅ!
ボカ、ボカ、ボカッ!
はぁ、はぁ。いいかげんにしろっ!

「はい、すびばでん……。」

やつの頭の上には、大きなたんこぶがついている。

「ところで、ちょいっと一杯、どうだ?」

「ああん?」


                                 ☆


俺達が行ったのは、俺がよく行く、ヴァンパイアバーだった。
そこには、カウンター奥にワインがズラーッと並んでいる。
結構中はそこまで広くないが、カクテルがすっごいおいしい店だ。

「ブハー!はぁ、ストレス発散するぜ~!」

……おい、それ、何杯目か?

「4杯目。」

おいおいおい、大丈夫か?

「平気、平気!マスター、おかわり!」

「かしこまりました。」

ウルフ一郎はマスターに、グラスを渡した。
ところで、ネルのことはいいのか?

「……。」

だまってないで、話したらどうだ。
リリアはきっと、反省してると思うぜ?
いくら妹をかばったってねぇ、言い方がひどすぎると思うぜ。
俺はカクテルを一口飲もうとした。

「いや、まだ愛してるよ、あいつのこと。」

ああん?

「だ、だって、あいつは、俺様にとって、一番の女だからよぉ。それに、あいつとの子供もいるし。」

そっか。

「ていうか、愛ってなんなんだ?俺様、そこが知りたい。俺様、バカだから、愛っていう言葉が、イマイチわかんねぇ。」

「愛……か……。そりゃあ、心だろ。」

俺はニッと笑った。

「えっ?」

「愛は心でできてるのさ。愛する気持ちを持てば、心が通じ合えるさ。」

「お前……。」

「マスター、お会計。」

「はい。1600円ですね。」

「ほい。」

俺はマスターの前に1600円出した。

「毎度、ありがとうございましたぁ。」

俺はバーを出て行こうとした。

「おい、まて!」

ウルフ一郎が、俺を呼び止めた。
なんだよぉ。

「たまにはいいこと言うじゃねぇか、バカ王子。」

ウルフ一郎は、ニッと笑った。

「ふっ、お前よりマシだ。」

俺はバーを出て行った。

「……俺様も、がんばらないとな。マスター、おかわり!」

「飲みすぎには、注意してくださいね。」

「……はーい。」

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