ヴァンパイア♡ラブforever

田口夏乃子

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第1章

第四十五話 「ロゼッタさんがゆく!彼氏づくりの旅!〜人気アイドル編!〜」

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私はロゼッタ。26歳、独身。
ライバルのNが結婚したことを受け、私は立ち上がった!
そう、彼氏作りの旅へゆくのだ!
まってろよ、N!必ず結婚して、お前よりすっごいしあわせを、手に入れてやるからな!
フフフフフ、フハハハハハハハハ!

「お母さん、このおばさん、なんか変。」

「しっ!指ささないの!」

……さぁ、行こうか。



                              ☆


ん~!この渋谷っていうてこの服、すっごくかわい~!
ヴァンパイア界には、こんなもん、売ってないもんなぁ。
よし、買おっ。

「すみませーん、これ、くださーい。」

「ありがとうございましたー。」

さーてと、次はどこを観光しに行くか……。

「ちょっとごめん!そこ、どいてぇ~!」

へっ?
わ!帽子をかぶった男の人が、こっちへ向かって、走って来る!
ドッ!
キャッ!

「うわっ!」

いてててて……。

「大丈夫?」

男の人が、手をさしのべた。
あ、ありがとうございます。
私は手を握り、立ち上がった。

「けが、してない?」

あ、うんっ。大丈夫です。

「そう。よかった。」

と、男の人がにこっと笑った、その時。

「キャーッ♡シュンくんよ~♡」

「まって~♡」

ん!?こ、この女子軍団、なんなんだ!

「早く行こう!」

えっ?ちょっ、私まで巻き添いにする気!?

私達は、路地裏へ。

「あれ~?シュンくんはぁ~?」

「きっと、どこかにいるはずよ!手分けして探しましょう!」

「えぇ!」

タッ、タッ、タッ、タッ、タッ。

「……ふぅ。もう、行っちまったな。ありがとう、付き合ってくれて。」

あ、あたしは、なにもしていないけど!?
ん!?あー!買った服がない!
トホホホホ。せっかく買ったのにぃ。
はっ、まさかあの時!
ドッ。

「『キャッ!』」

ぶつかったと同時に、落としてしまった……。
なんて不運な私!
これは、あの男のせいだ!
あの男のせいで、私の服は……私の服は!

「おい!」

「ん?」

「私の服を、よくも落としてくれたな!殺してやる!」

「うわわわわ!まてよ!僕、なにも悪いこと、してないのに!」

私はたとえ、なにもしていない男でも、殺すものなのよ!

「ちょっとまって!帰りにご飯、おごってやるから!ゆるして!」

ふっ、ならいい。

「ふぅ、よかった。」

ねぇ、なんであんた、そんなに女子軍団に追われていたんだい?

「ふっ、その理由が、知りたくなったかい?」




そう言って、男の人は帽子を外した。
!?
か、かっこいい……。
黒い髪で、こんなに暑いのに、コートなんか着て、私より背が高い男の人。
しかも、目がきれーい。
けど、けど……。

「それがなんなの?」

「がくーっ!知らないの!?僕のこと!」

うん。
私はうなずいた。

「初めて知ったなぁ。僕のことを知らない人。」

えぇ。ずーっと、外国にいたもんでぇ。

「そっかぁ。じゃあ、自己紹介をしよう!僕は櫻井シュン!みんなのあこがれの、アイドルさ☆」

……え?

「だから、みんなのあこがれの……。」

櫻井シュンって、誰?

「え~!?そんなことも知らないの!?」

うん。
ていうか私、芸能界にはそんなにくわしくないし……。

「説明しよう!櫻井シュン、30歳!好きな食べ物、カレーライス、たくあん!嫌いな食べ物、ピーマン、牛乳、チーズ!身長178cm!血液型AB型!誕生日、7月18日!かに座!趣味、買い物、旅行!特技、サッカー!16年前、『サクラサク』でデビュー!それ以来、ドラマ、歌番組、映画で活躍している、日本の国民的アイドル!来週には、東京ドームでライブをする予定!はい、これチケット。」

あ、ありがとうございます。

「それと、電話番号♪」

あ、ありがとうございます。

「じゃあ、僕はそろそろ、事務所に戻るから、じゃあね!」

シュンくんはそう言って、その場を去っちゃった。
はぁ♡かっこよかったなぁ♡


                           ☆


はぁ♡
シュンくんのことが、頭の中から離れない♡
これって……こ……い?
ウヒョー♡
私、人気アイドルに恋しちゃったぁ~!
電話番号、もらったし、CD買ったし、もう、しあわせ~♡
トゥゥゥゥル、トゥゥゥゥル。
ん?誰からだろう。

「はい、もしもし。」

「『あ、ロゼッタちゃん、こんばんは!』」

あ!シュンくん♡

「『元気にしてた?』」

うん♡してたよ♡

「『そう。それはよかった。明日、オフだけどさ、二人で、食事とか、行かない?』」

デートのおさそい、キター!

「はい!行きます!」

「『だと思った。じゃあ、お昼の1時に、ハチ公前でねっ。』」

はい!まってま~す!
ピッ。
うふふふふ、フフフフフ、フハハハハ!
ついにこの時が、キター!
明日、なに着てこよっかな?
あ、私、この服しかなかった。トホホホホ。
これで上手く行って、結婚したら……。

「『アハハハハ!Nよ、見ろ!あんたよりすっごいしあわせを、ゲットしたわよ!』」

「『ひぃー、負けたぁ!』」

うふふふふ、なーんてことになるかも♡


                               ☆
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