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第1章

第五十九話 「結成!ヴァンパイア劇団!?」

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そして、一週間後。
いよいよ、ヴァンパイア祭に向けての準備が始まりました!
私は、衣装係で、ウルフ一郎さんは、小道具係。
私達は、手先が器用だから、選ばれました。

「おぉ!真莉亜ちゃん、超~うまい!」

えへへへへ。

「ふーん。チビ女王にそんな特技があったとはねぇ。」

むかむか!チビ女王とは失礼ですっ!

「ロゼッタ、もっと言ってやれ。」

ちょっ、ネルさ~ん。

「いよーし、できたぞぉ~。」

うわぁ~。かぼちゃの馬車、上手にできてる~!
本物みた~い。

「えへへ。君にそー言われると、照れちゃうよぉ~。」

もう、照れてるし。

「あう、あう!」

あ!かぼちゃの色に使ったオレンジの絵の具が、せっかくできたかぼちゃの馬車に、こぼれちゃった!

「あ、こら、ガオン!せっかくつくったかぼちゃの馬車を、台無しにして!」

「う、う~!」

(よし!ガオン、ナイス!)

「お~い、ガラスのくつ、できたぞぉ~。」

えっ!?うそ!

「近くのガラス職人に頼んでさ、作ってもらったんだよ。そしたら十万円かかって、大変だったんだぜ。」

うわぁ~。きれ~い。
本物みたいで、水色で、キラキラ輝いているガラスのくつなんて、初めて見たよぉ。

「真莉亜、はいてみろ。サイズ合ってるか、確認すっから。」

う、うん。
私は、右足にはいているくつをぬいで、ガラスのくつをはいた。
うわぁ~。ちょうどぴったりだよ!

「よかった~。合わなかったら、また十万円払うところだったぜぇ~。」

うふふふふ。
ジュンブライト、私のためにそんな大金まで払ってまでしてくれて、ありがとう。
私はそんなあなたが、大好きだよ。


                               ☆


そして、ヴァンパイア祭当日。
外はヴァンパイア界の住人達で、いっぱいです。

「ジュンブライト様!今年はなにをやるんですか?」

「それは、ステージ発表を見てからの、お・た・の・し・み♡」

「キャーッ♡」

「楽しみですぅ~。」

もやもや。なんか、うらやましいです。

「おい、チビ女王。この荷物、持って。」

え~?自分で持ってくださいよぉ~。

「やだ。私、アクアと、そこらへん、散策してくるから。行きましょう、アクア。」

「うん!ごめんねぇ~、真莉亜ちゃ~ん♡」

10分前になったら、帰ってくるんですよぉ~。
ったくぅ、パシリが得意な独身剣士め。
次したら、ただじゃおかないから!

「う、う~!」

あー、道華がいるんだった~。
もう、片手でベビーカー、押し切れないよ~。

「真莉亜、俺がベビーカー、押してやるよ。」

ありがとう、ジュンブライト。

「春間真莉亜、向こうでお茶しないか?」

えっ?ところで、ウルフ一郎さんは?

「あいつのことは知らんっ。」

あー、またなんか、やきもちをやくような行動を、されてしまったんだね。
いいんですよ。相手にしてやるから。

「ありがとう。」

私達は、カフェの方へ、向かって歩いた。


                           ☆


10分後。
いよいよ、劇が始まりますっ!

「ひーっ、緊張するぅ~。」

「ウルフ一郎、落ち着いて。」

「子供達は、私が見とくよ。」

ルアン様、よろしくお願いします。

「私も、応援するから、頑張って!」

「うん!リッちゃん、俺、頑張るよ!」

ギロさんが、リリアさんの両手をにぎった、その時。

「『最後は、毎年恒例、王族チームによる舞台発表、『シンデレラ』です。』」

あ、アナウンスが鳴った!

「じゃあね、道華。お母しゃんとお父しゃんの演技、ちゃんと見ててねっ。」

「う、う~!」

さぁ、いよいよ、ステージの始まりだぁ!

「『むかーし、昔。あるところに、シンデレラという、かわいそうな女の子がいました。シンデレラは、いつも継母と姉達にいじめられ、ご飯もろくに食べさせてもらえませんでした。』」

すると、スポットライトが、私を照らした。

「あぁ。私の王子様、いつになったら現れるの?」

「シンデレラ!皿洗いは済ましたの!?」

相変わらず、ロゼッタさんの演技はこわいです。

「あ、はい!終わりました!」

「次は床のぞうきんがけ、よろしくねー。」

ネルさん、やる気が出ていますっ!

「あ、はい!わかりました、お姉様。」

「ぞうきんがけすましたら、次は馬小屋の掃除!」


アクアさんも、相変わらずこわいです!

「は、は~い!」

そして、物語は、魔法使いが、魔法をかけるところへ……。

「キラキラクルクルチェ~ンジ!」

マドレーヌちゃんが、魔法のつえを、私の方に向けると、ボロボロの服から、青いドレスに変わった。

「うわぁ~。素敵なドレス~。」

「いいですか?魔法は12時になったら消えてしまいます。気を付けてくださいね。」

「ありがとう、魔法使いさん!」

「いいえ、どういたしまして。」

「マドレーヌ、かわいいぞぉ~♡」

「ルアン様、静かに。」


                               ☆
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