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第1章

第五十九話 「結成!ヴァンパイア劇団!?」

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いよいよ、舞踏会のシーンへ!

「お目にかかって光栄です。」

「俺達は、イケメンプリンス!」

「君のハートを。」


を。」




「キャッチだよ☆」

「キャ~♡イケメントリオ~♡」

イケメントリオ、なかなか決まってますっ!

「キャ~♡ジュンブライト様、ステキィ~♡」

「ギロ先生、かっこい~♡」

「ウルフ一郎さんもステキだわ!」

うわ!イケメントリオ、早速お客さんを、メロメロにしていますっ!

「さぁ、姫。私と一緒に、踊りましょう。」

「は、はい!遠慮なく、踊らせていただきますっ!」

アクアさんが、ジュンブライトの手をにぎって、踊り始めた。

「さぁ、姫。私達も一緒に。」

「はい♡」

「!?お、おい!二人とも、あたしのダーリンを取るなよっ!」

出た!ネルさんのやきもちパワー!

「お、おい、ネル!お前はギロと踊るんだ!」

「やだ!あたしは、ウルフ一郎と、ジュンブライト様がいーい!」

「やーん♡邪魔しないでぇ~♡」

「ちょっとバカ女!せっかくいい雰囲気だったのに、こわさないでよ!」

なんか、王子様の取り合いになっております。

「ネル様、あなたには俺様がいるじゃないですか。」

「!?」

ネルさんが振り向くと、そこには、黒スーツで、黒い蝶ネクタイを付けた、ウルフ三郎さんがいた!

「俺様と踊りましょう。」

「お前は帰れーっ!」

「ぎゃふ~ん!」

ウルフ三郎さん、蹴飛ばされ、退場しました。

「アハハハハハ!」

お客さんは、大爆笑です。

「お、俺、忘れられてるぅ~。」

よし、次は私の出番か!

「ん?あの娘は誰だ?」

「見知らぬ娘だなぁ。」

「なんてお美しいお顔なんだ!」

「ぜひ、一緒に踊りたい!」

三人は、私のところへやって来た。

「姫。」

「俺達と、一緒に、踊りませんか?」

「はい!喜んで!じゃあ、最初は、そこのオオカミの王子様ねっ。」

「OK~♡真莉亜ちゅわ~ん♡一緒に踊ろ~う♡」

私達は、一緒に踊り始めた。

「はぁ~。ウルフ一郎とラブシーンできて、し・あ・わ・せ♡」

「!?」

ウルフ一郎さん!それ、私じゃありません!

「え~!?ってことは……。」

「そう。そのまさかさ!」

強い風が、ピューと吹き始めた。
拭き終わった後、背が高くて、美人顔の女の人が現れた。

「ネ、ネル!」

「あたしの夫とラブシーンをするなんて、まだ早いわ!」

ネルさん、いつまで、やきもちやいてるの~!?

「ネル!邪魔するなら帰れ!もう、お前なんか、大っ嫌いだっ!!」

(大っ嫌いだ、大っ嫌いだ、大っ嫌いだ、大っ嫌いだ!!)

「そ、そんなぁ~。」

ショックを受けたネルさんは、ヴァンパイアキャットになって、その場を去った。

「ごめんね、真莉亜ちゃん。うちの嫁が、ラブシーンを台無しにして。」

「ううん、気にしないで。さ、演技を続けましょう。」

「うん!」

私達は再び、踊り始めた。

「ウルフ一郎さんのステップ、かっこい~♡」

「ほんと!息がぴったりだわ!」

「次は僕と踊りましょう。」

えぇ。私は、ギロさんと踊り始めた。

「ギロさんのステップも、なかなかいい感じね!」

「えぇ。」

と、その時。
ツルッ。

「あ!」

「キャーッ!」

あたたたた……こけちゃった。

「いたたたた……。」

わ!ギロさん、ヴァンパイアキャットになってるぅ!

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!猫苦手~!」

ウルフ一郎さん!逃げないでください!

「アハハハハハハ!」

まーた、笑われたし。

「つ、次は、私と一緒に踊りましょう。」

「はいっ。」

私とジュンブライトは、踊り始めた。

「やっぱり、女王様と大王様の方が、息ピッタリね!」

「えぇ。」

「さっすが、おしどり夫婦!」

えへへへへ。
ゴーン、ゴーン。

「あ、12時!早くしないと、魔法が解けちゃう!」

「あぁ!まて、なぞのお姫様よ!」

私は、階段をかけおりた。
すると……。

「キャッ!」

我ながら、転ける演技もうまいですっ!
私は片方のガラスのくつを置いたまま、ステージの裏に行った。

「姫、姫!ん?」

ジュンブライトは、ガラスのくつを拾った。

「これは、あの姫がはいてたくつ!そうだ!みなの者!明日、美しすぎる姫を探し出して、私のお妃として迎える!」


                              ☆


そして、物語はクライマックスへ!
王子様は、街の女の人にガラスのくつをはかしたけど、なかなか、入らず、とうとう、シンデレラの家にやって来て……。

「あー、もう!なかなか入らないわ!」

「お母様、太ったんじゃないですか?」

「やっかましいわ、ボケーッ!」

「じゃあ、あたしがいきます。」  

ネルさんは、ガラスのくつをはいた。

「あー、なかなか入らねぇ!これって、サイズは何cmなんだ?」

「私ならぁ、入れそーかも~♡」

アクアさんがはいても……。

「イヤ~ン♡入らな~い♡」

「そっか……結局、あの娘は現れなかったな。」

「あぁ。」

「もう、あきらめようぜ。」

三人が、帰ろうとしたその時!

「あ、あの!私にそのくつ、はかせてくださいっ!」

「ん?君は……。」

「おい、ここは娘が二人いるんじゃなかったのか?」

「え……えぇ。この子は、赤の他人でしてぇ……。」

「試してみよう。」

「お願いします。」

私は、いすにすわって、ガラスのくつをはいた。すると……。

「おぉ!」

「入った!」

「この子が、運命の人……。」

三人は、私の前にひざまづいた。

「姫!」

「この三人の中から、結婚したい人を選んでください!」

「え~!?どうしましょ~う。」

私は、三人の周りを、ぐるぐる歩き始めた。
けど、やっぱり、私の運命の人王子様は……。
私は、その人の手をにぎった。

「私、この人と結婚するわ!」

そう、ジュンブライト。
私の中で一番かっこいいのは、ジュンブライトだよ。

「ぜひ喜んで!」

「『こうして、シンデレラは、王子様と結婚し、しあわせに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。』」

パチパチパチパチ!
客席から、大きな拍手が鳴り出した。


                              ☆


「カンパーイ!」

「んく、んく、んく……あー、うんめぇ~!おいおっさん、おかわり!」

みなさん、お疲れ様です。

「ネル~。俺様、かっこよかったかぁ~?」

ウルフ一郎さん、早速酔っ払っていますっ!

「はいはい、かっこよかったよ~。ねー、ガオンー。」

「う、う~!」

「そうか~。ガオンもかっこいいと思ったかぁ~!なあ、もう1回言ってぇ~!」

「うっさい!これで何回目だっ!」

「う、う~!」

道華、応援してくれて、ありがとねー。

「う、う~!」

「ガオンくんは途中で寝てたけど、道華は目をキラキラして、見てたよ。」

そうなんですかぁ。

「う、う。」

あれ?うとうとしてる。道華、ねむたいの?

「う、う。」

ちょっと、向こうで道華を寝かしてきます。

「おう。」

私は道華をだっこして、向こうへと行った。

「……ウルフ一郎。」

「あん?なんだ?ネルちゃん。」

「……いや、なんでもないっ。」

「ふーん。」

(なーんか怪しい。)

夜の外で、私は夜空を見ながら、道華の背中を、優しくたたいていた。
また、ヴァンパイア祭、やりたいな。
今度は道華とガオンくんも加わって。
楽しみだなぁ~。
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