ヴァンパイア♡ラブforever

田口夏乃子

文字の大きさ
157 / 170
第1章

第五十九話 「結成!ヴァンパイア劇団!?」

しおりを挟む
いよいよ、舞踏会のシーンへ!

「お目にかかって光栄です。」

「俺達は、イケメンプリンス!」

「君のハートを。」


を。」




「キャッチだよ☆」

「キャ~♡イケメントリオ~♡」

イケメントリオ、なかなか決まってますっ!

「キャ~♡ジュンブライト様、ステキィ~♡」

「ギロ先生、かっこい~♡」

「ウルフ一郎さんもステキだわ!」

うわ!イケメントリオ、早速お客さんを、メロメロにしていますっ!

「さぁ、姫。私と一緒に、踊りましょう。」

「は、はい!遠慮なく、踊らせていただきますっ!」

アクアさんが、ジュンブライトの手をにぎって、踊り始めた。

「さぁ、姫。私達も一緒に。」

「はい♡」

「!?お、おい!二人とも、あたしのダーリンを取るなよっ!」

出た!ネルさんのやきもちパワー!

「お、おい、ネル!お前はギロと踊るんだ!」

「やだ!あたしは、ウルフ一郎と、ジュンブライト様がいーい!」

「やーん♡邪魔しないでぇ~♡」

「ちょっとバカ女!せっかくいい雰囲気だったのに、こわさないでよ!」

なんか、王子様の取り合いになっております。

「ネル様、あなたには俺様がいるじゃないですか。」

「!?」

ネルさんが振り向くと、そこには、黒スーツで、黒い蝶ネクタイを付けた、ウルフ三郎さんがいた!

「俺様と踊りましょう。」

「お前は帰れーっ!」

「ぎゃふ~ん!」

ウルフ三郎さん、蹴飛ばされ、退場しました。

「アハハハハハ!」

お客さんは、大爆笑です。

「お、俺、忘れられてるぅ~。」

よし、次は私の出番か!

「ん?あの娘は誰だ?」

「見知らぬ娘だなぁ。」

「なんてお美しいお顔なんだ!」

「ぜひ、一緒に踊りたい!」

三人は、私のところへやって来た。

「姫。」

「俺達と、一緒に、踊りませんか?」

「はい!喜んで!じゃあ、最初は、そこのオオカミの王子様ねっ。」

「OK~♡真莉亜ちゅわ~ん♡一緒に踊ろ~う♡」

私達は、一緒に踊り始めた。

「はぁ~。ウルフ一郎とラブシーンできて、し・あ・わ・せ♡」

「!?」

ウルフ一郎さん!それ、私じゃありません!

「え~!?ってことは……。」

「そう。そのまさかさ!」

強い風が、ピューと吹き始めた。
拭き終わった後、背が高くて、美人顔の女の人が現れた。

「ネ、ネル!」

「あたしの夫とラブシーンをするなんて、まだ早いわ!」

ネルさん、いつまで、やきもちやいてるの~!?

「ネル!邪魔するなら帰れ!もう、お前なんか、大っ嫌いだっ!!」

(大っ嫌いだ、大っ嫌いだ、大っ嫌いだ、大っ嫌いだ!!)

「そ、そんなぁ~。」

ショックを受けたネルさんは、ヴァンパイアキャットになって、その場を去った。

「ごめんね、真莉亜ちゃん。うちの嫁が、ラブシーンを台無しにして。」

「ううん、気にしないで。さ、演技を続けましょう。」

「うん!」

私達は再び、踊り始めた。

「ウルフ一郎さんのステップ、かっこい~♡」

「ほんと!息がぴったりだわ!」

「次は僕と踊りましょう。」

えぇ。私は、ギロさんと踊り始めた。

「ギロさんのステップも、なかなかいい感じね!」

「えぇ。」

と、その時。
ツルッ。

「あ!」

「キャーッ!」

あたたたた……こけちゃった。

「いたたたた……。」

わ!ギロさん、ヴァンパイアキャットになってるぅ!

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!猫苦手~!」

ウルフ一郎さん!逃げないでください!

「アハハハハハハ!」

まーた、笑われたし。

「つ、次は、私と一緒に踊りましょう。」

「はいっ。」

私とジュンブライトは、踊り始めた。

「やっぱり、女王様と大王様の方が、息ピッタリね!」

「えぇ。」

「さっすが、おしどり夫婦!」

えへへへへ。
ゴーン、ゴーン。

「あ、12時!早くしないと、魔法が解けちゃう!」

「あぁ!まて、なぞのお姫様よ!」

私は、階段をかけおりた。
すると……。

「キャッ!」

我ながら、転ける演技もうまいですっ!
私は片方のガラスのくつを置いたまま、ステージの裏に行った。

「姫、姫!ん?」

ジュンブライトは、ガラスのくつを拾った。

「これは、あの姫がはいてたくつ!そうだ!みなの者!明日、美しすぎる姫を探し出して、私のお妃として迎える!」


                              ☆


そして、物語はクライマックスへ!
王子様は、街の女の人にガラスのくつをはかしたけど、なかなか、入らず、とうとう、シンデレラの家にやって来て……。

「あー、もう!なかなか入らないわ!」

「お母様、太ったんじゃないですか?」

「やっかましいわ、ボケーッ!」

「じゃあ、あたしがいきます。」  

ネルさんは、ガラスのくつをはいた。

「あー、なかなか入らねぇ!これって、サイズは何cmなんだ?」

「私ならぁ、入れそーかも~♡」

アクアさんがはいても……。

「イヤ~ン♡入らな~い♡」

「そっか……結局、あの娘は現れなかったな。」

「あぁ。」

「もう、あきらめようぜ。」

三人が、帰ろうとしたその時!

「あ、あの!私にそのくつ、はかせてくださいっ!」

「ん?君は……。」

「おい、ここは娘が二人いるんじゃなかったのか?」

「え……えぇ。この子は、赤の他人でしてぇ……。」

「試してみよう。」

「お願いします。」

私は、いすにすわって、ガラスのくつをはいた。すると……。

「おぉ!」

「入った!」

「この子が、運命の人……。」

三人は、私の前にひざまづいた。

「姫!」

「この三人の中から、結婚したい人を選んでください!」

「え~!?どうしましょ~う。」

私は、三人の周りを、ぐるぐる歩き始めた。
けど、やっぱり、私の運命の人王子様は……。
私は、その人の手をにぎった。

「私、この人と結婚するわ!」

そう、ジュンブライト。
私の中で一番かっこいいのは、ジュンブライトだよ。

「ぜひ喜んで!」

「『こうして、シンデレラは、王子様と結婚し、しあわせに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。』」

パチパチパチパチ!
客席から、大きな拍手が鳴り出した。


                              ☆


「カンパーイ!」

「んく、んく、んく……あー、うんめぇ~!おいおっさん、おかわり!」

みなさん、お疲れ様です。

「ネル~。俺様、かっこよかったかぁ~?」

ウルフ一郎さん、早速酔っ払っていますっ!

「はいはい、かっこよかったよ~。ねー、ガオンー。」

「う、う~!」

「そうか~。ガオンもかっこいいと思ったかぁ~!なあ、もう1回言ってぇ~!」

「うっさい!これで何回目だっ!」

「う、う~!」

道華、応援してくれて、ありがとねー。

「う、う~!」

「ガオンくんは途中で寝てたけど、道華は目をキラキラして、見てたよ。」

そうなんですかぁ。

「う、う。」

あれ?うとうとしてる。道華、ねむたいの?

「う、う。」

ちょっと、向こうで道華を寝かしてきます。

「おう。」

私は道華をだっこして、向こうへと行った。

「……ウルフ一郎。」

「あん?なんだ?ネルちゃん。」

「……いや、なんでもないっ。」

「ふーん。」

(なーんか怪しい。)

夜の外で、私は夜空を見ながら、道華の背中を、優しくたたいていた。
また、ヴァンパイア祭、やりたいな。
今度は道華とガオンくんも加わって。
楽しみだなぁ~。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...