ヴァンパイア♡ラブforever

田口夏乃子

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第1章

第六十話 「リュウちゃん、再び!」

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「あ、う!あ、う!」

うふふふふ。ガオーン、今日も一日、頑張ろうなぁ~。
ピンポーン。

「ん?誰だろ?こんな朝早くに。」

ウルフ一郎が、ドアを開けると……。

「おはようございます!ネルさん、いますか?」

「ん?誰だ、てめぇ。てか、なんでうちの嫁の名前を知ってる。」

「ウルフ一郎、誰としゃべってんだ……あ……。」

その、青い髪と、青い目と、白シャツと半ズボンと、刀は……。

「リュウ!」

「久しぶりです、ネルさん。」

超~久しぶりじゃねぇか!

「はいっ!」

「なんだ。お前ら、知り合いだったのか。」

あぁ。こいつは、あたしの元弟子、リュウだ。

「初めまして。リュウです。」

リュウは、ウルフ一郎に向かって、お辞儀をした。


た。




「えっ!?お前の弟子!?」

あぁ。
リュウは、あたしに憧れて、弟子入りしたけど、『雷神の風』を習得したいと言う事聞かなくて、あたしと勝負した結果、あたしが勝って、リュウはあたしのそばから離れたんだ。
いやぁ~、2年ぶりだなぁ~。

「はい!」

なんであたしがここにいるってわかった。

「ロゼッタ先輩から教えて貰いましたぁ!」

ロゼッタ先輩?
はっ!まさか、お前!

「はい!剣士になりましたぁ!」

え~!?すげーなぁ!

「はい!2年前、ネルさんの弟子をやめたあと、剣士広場に行って、登録しましたぁ!」

へえー。

「うぇ~ん、うぇ~ん!」

あ、ガオンを一人にさせちゃった!

「ガオン?」

リュウが首をかしげてる。
あぁ。あたしの息子だ。

「え~!?ネルさん、お母さんになったんですかぁ~!?」

相変わらず、驚きすぎだろ。
ま、とりあえず、中に入れ。お前といっぱい、話したいことがあるからなぁ。

「はい!」

リュウは笑顔になった。


                                   ☆


あたし達は、女子二人で、女子会をした。

「ふぅ~。紅茶を飲むと、落ち着きますぅ。」

マスターは元気か?

「はいっ!とっても元気にしてますっ!」

じゃあ、「よろしく。」って、伝えといてくれよ。

「はいっ!」

「う、う~!」

「ガオンくん、かわいいですねぇ。」

「あぁ。」

「あい、あい!」

ほらガオン、リュウお姉ちゃんにあいさつはー?

「う、う!」

「アハハ。初めまして。」

うふふふふ。
ガチャッ。

「ネルすわ~ん♡遊びにきたよ……ん?」

ウルフ三郎の視線は、リュウの方を見ている。

「あ、あなたは、雷のリュウ!」

リュウ、お前、そんなに有名になったのか!

「はい。おかげさまで。」

「最年少で大物賞金稼ぎと手を組み、賞金首を、次々たおしていく、小柄ながら、強い相手と立ち向かう、NO.1剣士!」

へえー。
あたし、口ポカーン。
だって、あんなに泣き虫だった弟子が、今ではもう、あたし以上に有名になってるもん。

「えへへへへ。そう行ってもらえると、恥ずかしいです。」

「アハッ。こいつは俺様の弟。こー見えて、剣士オタクなんだ。」

「へぇー。」

「……ネルさん。」

ん?どーした、リュウ。
さっきまで笑顔だった顔が、消えてるし。
すると、リュウはスッと顔を上げた。

「なんで剣士をやめたんですか?」

えっ……それは……。

「俺様と結婚したんだ。」

ちょっ、ウルフ一郎!

「ネルさんが、結婚!?」

リュウ、むっちゃくちゃ、驚いてるし。

「あぁ。ある夜、一晩過ごして、子供ができて、やめたのさ。ネルはもう、お前の知っているネルじゃねぇ。母親になったネルだ。」

「そんなの、デタラメですっ!」

リュウが、バン!とテーブルをたたいて、立ち上がった。

「うぇ~ん、うぇ~ん!」

「ネルさん!刀を捨てて、子育てをするなんて、あなたらしくありません!」

そ、それは、子育てに励みたいから……。

「私の知っているネルさんは、刀一本で、修行に励むネルさんですっ!今のネルさんは、やめたどころか、一晩男と一緒になってできた子供の世話をしている、頭がおかしい人ですよ!」


リュウ!そのくらいにしとけ!

「あと、あなた!」

リュウが?ウルフ一郎をゆびさした。

「私の憧れの人のこと、どー思ってるんですか!」

「あ……愛してるぜ、もちろん。」

「それがいけないんですよ!あなたの強い愛情で、ネルさんは変わった!私が知っているネルさんを、返してくださいよぉ!」

「痛い、やめろ!おい!」

リュウ、やめろ!
あたしの声で、リュウはウルフ一郎をたたくのをやめた。

「これ以上、あたしの旦那に手を出すな。」

「うるさい!ネルさん、子育てなんかやめて、私と一緒に旅をしましょう!あの時みたいに、また楽しくやりましょう!」

えっ……。

「答えは明後日、教えてくださいね!じゃ!」

リュウはそう言って、出て行っちゃった。

「ひくっ、ひくっ、ひくっ。」

「ったくぅ、なんなんだ、あいつは!次会ったらただじゃおかねぇから!」

リュウはそんなこと、言わない子なのに……。
……リュウ、お前はそう思ってたのか。
あたし、びっくひしたぞ。お前がそんなこと言うなんて。
これから、どーするか……。


                                 ☆

「えっ?リュウちゃんからそんなこと、言われたんですか!?」

「あぁ。返事は明後日に教えろって、言われた。」

リュウちゃん、ネルさんと離れて、とてもさびしかったんだね。

「あぁ。」

「……。」



         
                                    ☆
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