ヴァンパイア♡ラブforever

第1章

第六十話 「リュウちゃん、再び！」

  ー大草原ー

「私をここに呼んで、なにをするんですか！」

「まあまあ、落ち着いて、落ち着いて。話そう。」

「はぁ？誰があんたと話をしますか！帰りますっ！」

「ちょっとまて！まだ始まってないのに、帰るなっ！」

「離してくださいっ！この、変態オオカミ！警察、呼びますよ！」

「へ……まあ、とりあえず、落ち着け。この、変態オオカミさんと、話をしようじゃないか。」

「……。」

「……あのな、ネルは今の方がしあわせだと思っているんだ。なぜだかわかるか？剣士時代の頃は、ずっと一人で旅をしてた。けど、俺様と一晩過ごして、子供ができて、俺様達は結婚した。ネルは、ずっと一人でいるより、家族と一緒にいるのを選択した。ネルは、剣士の頃より、ずっと笑っている。それほど、しあわせだという証拠だ。そのしあわせを、どーしてお前が奪おうとする。もし、剣士に戻ったら、ネルはまた笑わなくなる。俺様、初めてネルと、一晩過ごした時、こう誓ったんだ。こいつのそばから離れないって。だから、ネルの旦那になったんだ。ネルを、しあわせにするために。ネルを、笑顔にするために。そして、子供の成長を見届けるために。それが、俺様のあいつへの深い愛情さ。これで、、わかっただろ？チビ。」

「チ……チビじゃありません！ピッチピチの16歳です！うわ～ん！私、バカでした！ネルさんが……ネルさんが、そんな思いで、辞めたなんて、知らなかった……それと、あなたがネルさんを愛する気持ち、よくわかりました……。」

「ふっ。泣き虫なやつめ。」


                               ☆

翌日。

「リュウ、あたし……。」

「えぇ。わかってます。剣士に戻らないんですね。」

「えっ……。」

「ネルさんは、剣士だった頃より、今の方が、一番、輝いている。もう、桜吹雪のネルじゃない。母親のネルですよ。」

リュウ……。

「じゃあ、これでおさらばします。じゃあね、ガオンくん。」

「う、う～！」

ちょっとまて、リュウ！

「え？」

これ、持って行け。

「えっ！？これは、ネルさんの……。」

「あたしの分まで、活躍してこい。」

「ネルさん……。」

まあた、目に涙があふれてるし。
リュウは、あふれた涙を、手の甲でぬぐった。

「はい！ネルさんの分まで、がんばりますっ！」

リュウは、笑顔になった。
おう！がんばってこい！
あたしは、ニッと笑った。

「じゃあ、さようなら！また会う日まで！」

リュウは、手を振りながら、バタンとドアを閉めて行った。

「おい、本当によかったのか？刀をやって。」

あぁ。いいんだ。
あいつには、第2のあたしとして、頑張って欲しいから。

「ネル……。」

あたしは、ガオンを抱っこした。

「さーて、そろそろおっぱい、飲もうかねぇ。」

「う、う～！」

「おぉぉぉぉぉぉ！ネルの授乳、まってましたぁ！」

「やっぱり、お前は変態だな。」