162 / 170
第1章
第六十二話 「しばらくの別れ」
しおりを挟む
ー3ヵ月後ー
リリアさんのお腹は、すっかり大きくなりました。
「フフフフフフーン、フフフフフフーン♪」
リリアさん、明日から、産休に入りますね。
「えぇ。今、実家に戻る準備をしてるの。」
実家で産むんですか?
「えぇ。出産する時は、ギロがついてくれるの。」
へぇー。それはありがたいですねっ。
「えぇ。」
リリアさんは、うなずいた。
「……。」
☆
「う、う~!」
ガオンくんが、リリアさんのお腹をさわってる。
「ガオン、赤ちゃんにあいさつしてるの?」
「あい、あい!」
「うふふ。あ、マドレーヌ!ちょうどよかった!あなたも、お腹さわる?今、元気にお腹を蹴ってるの。」
ところが、マドレーヌちゃんは、何も言わず、走って行っちゃった。
「あいつ、どーしたんだ。まさか、明日からリリアがいなくて、さびしがっているのか。」
「え……えぇ。」
リリアさんは、うなずいた。
「最近、あんまりしゃべってないの。マドレーヌと。」
え!?
「よっぽど、さびしがってるな。」
はい。
だって、マドレーヌちゃんは、リリアさんのことが、大好きだもの。
☆
「……リリア~。」
「『マドレーヌ!なにいたずらしてんの!?やめなさいっ!』」
「『わ!離してください、リリア~!』」
「『罰として、おしりペンペンの刑よ!』」
バシ!
「『痛い!痛いですぅ~!』」
「『リリア~。』」
「『ん?どうしたの?マドレーヌ。』」
「『絵を描きましたぁ!』」
「『うわぁ。上手ねっ。これ、私?』」
「『はい!リリアですぅ~。』」
「『うわぁ~。さっすが、私の娘みたいな子ねっ。』」
「『えへへへへ。』」
「……あなたがいなくなるなんて、さびしいですぅ。」
☆
「なにぃ?マドレーヌが、さびしがってるだってぇ?」
えぇ。
「そりゃあ、もちろんだろ。マドレーヌとリリアは、10年の付き合いだしなぁ。最初、マドレーヌはリリアに懐かなかったぜ!」
そう言ってたね。
「けど、だんだん、付き合っていくうちに、マドレーヌはリリアのことが、大好きになったんだぜ!」
へぇー。
だってマドレーヌちゃん、人懐っこいところがあるからねぇ。誰とでも、仲良くなっちゃうタイプだもん。ねー、道華ぁ~。
「あい、あい!お母しゃん、お母しゃん!」
なに?道華ぁ~。
「リリア、リリア!リリアもお母しゃんも、大しゅき~!」
うふふ。私も大好きだよ、道華~。
「う、う~!」
「道華ぁ~、お父しゃんはぁ?」
「お父しゃんも好き~!」
「やった~♡お父ちゃま、うれし~♡」
うふふ。
最近、しゃべれるようになって、会話が弾みますっ。
☆
夕食。
「ガブガブ、ムシャムシャ!」
ジュンブライトは相変わらず、お行儀よく食べてません。
「ジュンブライト、あなた、大王なんだから、お行儀よく食べてくれない?」
「はーい。」
……本当に、わかってんだか。
「……。」
マドレーヌちゃん、食べないの?
今日はマドレーヌちゃんが大好きな、エビフライだよ。
「具合でも悪いのかなぁ?」
ギロさんが、マドレーヌちゃんのおでこをさわろうとした、その時!
「さわらないでくださいっ!」
マドレーヌちゃんは、ギロさんの手を振り払った。
「ちょっと、マドレーヌ!ギロはあなたを心配して……。」
「リリアは私といない方が余っ程マシなんですね!自分のことしか考えない、ろくでなししつじ!」
「ちょっ……なに言って……。」
「私は……私は、リリアのことが大好きで……大好きで……そんなことを言ってるんです!お腹の子なんか、いなくなればいーんですっ!」
ちょっ、マドレーヌちゃん!?
私は、マドレーヌちゃんを追いかけた。
「……ゔぅ……。」
「リッちゃん、泣かないで。」
「マドレーヌは、そんなお年頃だから、そう思ってるんだよ。気にしなくていい。私があとで、きつく叱っておくよ。」
☆
リリアさんのお腹は、すっかり大きくなりました。
「フフフフフフーン、フフフフフフーン♪」
リリアさん、明日から、産休に入りますね。
「えぇ。今、実家に戻る準備をしてるの。」
実家で産むんですか?
「えぇ。出産する時は、ギロがついてくれるの。」
へぇー。それはありがたいですねっ。
「えぇ。」
リリアさんは、うなずいた。
「……。」
☆
「う、う~!」
ガオンくんが、リリアさんのお腹をさわってる。
「ガオン、赤ちゃんにあいさつしてるの?」
「あい、あい!」
「うふふ。あ、マドレーヌ!ちょうどよかった!あなたも、お腹さわる?今、元気にお腹を蹴ってるの。」
ところが、マドレーヌちゃんは、何も言わず、走って行っちゃった。
「あいつ、どーしたんだ。まさか、明日からリリアがいなくて、さびしがっているのか。」
「え……えぇ。」
リリアさんは、うなずいた。
「最近、あんまりしゃべってないの。マドレーヌと。」
え!?
「よっぽど、さびしがってるな。」
はい。
だって、マドレーヌちゃんは、リリアさんのことが、大好きだもの。
☆
「……リリア~。」
「『マドレーヌ!なにいたずらしてんの!?やめなさいっ!』」
「『わ!離してください、リリア~!』」
「『罰として、おしりペンペンの刑よ!』」
バシ!
「『痛い!痛いですぅ~!』」
「『リリア~。』」
「『ん?どうしたの?マドレーヌ。』」
「『絵を描きましたぁ!』」
「『うわぁ。上手ねっ。これ、私?』」
「『はい!リリアですぅ~。』」
「『うわぁ~。さっすが、私の娘みたいな子ねっ。』」
「『えへへへへ。』」
「……あなたがいなくなるなんて、さびしいですぅ。」
☆
「なにぃ?マドレーヌが、さびしがってるだってぇ?」
えぇ。
「そりゃあ、もちろんだろ。マドレーヌとリリアは、10年の付き合いだしなぁ。最初、マドレーヌはリリアに懐かなかったぜ!」
そう言ってたね。
「けど、だんだん、付き合っていくうちに、マドレーヌはリリアのことが、大好きになったんだぜ!」
へぇー。
だってマドレーヌちゃん、人懐っこいところがあるからねぇ。誰とでも、仲良くなっちゃうタイプだもん。ねー、道華ぁ~。
「あい、あい!お母しゃん、お母しゃん!」
なに?道華ぁ~。
「リリア、リリア!リリアもお母しゃんも、大しゅき~!」
うふふ。私も大好きだよ、道華~。
「う、う~!」
「道華ぁ~、お父しゃんはぁ?」
「お父しゃんも好き~!」
「やった~♡お父ちゃま、うれし~♡」
うふふ。
最近、しゃべれるようになって、会話が弾みますっ。
☆
夕食。
「ガブガブ、ムシャムシャ!」
ジュンブライトは相変わらず、お行儀よく食べてません。
「ジュンブライト、あなた、大王なんだから、お行儀よく食べてくれない?」
「はーい。」
……本当に、わかってんだか。
「……。」
マドレーヌちゃん、食べないの?
今日はマドレーヌちゃんが大好きな、エビフライだよ。
「具合でも悪いのかなぁ?」
ギロさんが、マドレーヌちゃんのおでこをさわろうとした、その時!
「さわらないでくださいっ!」
マドレーヌちゃんは、ギロさんの手を振り払った。
「ちょっと、マドレーヌ!ギロはあなたを心配して……。」
「リリアは私といない方が余っ程マシなんですね!自分のことしか考えない、ろくでなししつじ!」
「ちょっ……なに言って……。」
「私は……私は、リリアのことが大好きで……大好きで……そんなことを言ってるんです!お腹の子なんか、いなくなればいーんですっ!」
ちょっ、マドレーヌちゃん!?
私は、マドレーヌちゃんを追いかけた。
「……ゔぅ……。」
「リッちゃん、泣かないで。」
「マドレーヌは、そんなお年頃だから、そう思ってるんだよ。気にしなくていい。私があとで、きつく叱っておくよ。」
☆
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる