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第四十一話 「ネルさんの運命の人」
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こんにちは。春間真莉亜です。
「はぁ。」
あのリリアさんが、ため息をついている。
どうしたんですか、リリアさん。
「あ、真莉亜。」
ん?なんなんですか、その細い本みたいなのは!
「あ、これ?実は、私の両親が、ネルを結婚させようとしてるの。」
結婚!?
「えぇ。でも、ネルったら、すぐ断るのよぉ。」
理由は?
「ジュンブライトよ。あの子、「あたしは、ジュンブライト様しか、目がないんだ!」って言って。全く、どんだけ妄想を繰り広げるのよぉ。」
ネルさんのまね、お上手です。
「もっと他に、いい男は見つからないのかしら?」
きっと、見つかりますよ。
「なに話してんだ?」
その声は!
「ジュンブライト!」
「ネルの話をしてたのよ。」
「ネルの話?なんだ。」
ジュンブライトが、首をかしげてる。
「知らない方がいいわよ。」
「うわぁ、この男の人、かっこい~♡」
「見て、この人!体、ゴッツイ!」
「この人、まるでディズニーに出てくる、王子様みたいです~♡」
「あたし、こーゆーのがタイプ♡」
「こら!勝手にさわるんじゃないっ!」
リリアさんが怒って、子供達からお見合い写真を取り上げて、大切そうに、胸におしつけた。
「どうしたんですかぁ?リリア。」
「今日のリリア、ムキになってる。」
「た、大切なものだから、さわらないでっ!」
ネルさんと結ばれる人は、誰なんだろ。
「さぁね。」
「きっと、ウルフ一郎じゃない?」
「紅葉、なんでそう思うの?」
「だって、ネルが迷子にならないように、ウルフ一郎が手をつないでいるじゃん?その時、そう思ったの!」
まっさかぁ。
「ウルフ一郎が、ネルの運命の人だなんて、思えないわ。」
「おや、なにを話しているんですか?」
ルクトさんが、笑顔で紅茶を、テーブルの上に置いた。
「ねぇ、ルクトは、ネルの運命の人は、誰と思う!?」
「えっとぉ、わかりませんねぇ。」
え―っ?
「そんなこと、人の人生が勝手に決めるもんだろ?」
「そんなに冷たいこと、言わなくても・・・・・・。」
「ひゃーっはっはっはっはっは!な―に話してるんだい?わしもまぜてくれんかのう。」
クリスさんのとなりに、おじいさんがいるよ!
「へっ・・・・・・?ギャ―、お化け~!」
「お化けじゃなーい!わしじゃ、アンクだっ!」
「あ、ごめんなさい。」
「アンクさん、最近、しれーっと入って来てない?」
アンクさん、なにしに来たんですか?
「あぁ。実はぁ、新しい発明品を見せようかと思って。」
「新しい発明品だとぉ!?」
「私、あの日からずっと、入れかわるのは、ごめんだって、心から誓ったんですよ!?」
「今度はなに?入れかわループ、超~ビッグバージョン!?」
「いや、ちがう。」
アンクさんが、懐から、なにかを取り出した。
「テッテテーン。運命スロットぉ~。」
運命スロット?
なんか、ハートの形をした、スロットだけど・・・・・・。
「このスロットは、ただのスロットじゃない。自分の運命の人がわかる、スロットなんじゃ。」
「自分の運命の人がわかるスロット!?」
「やってみた―い!」
マドレーヌちゃんと道華が、目をキラキラさせている。
「アハハハハ。君達はまだ、子供だから、まだ早いよ。」
「んだとオラァ!」
「ひぇ―!」
マドレーヌちゃん、キャラ変えないでぇ~!
「ジュンブライトくん、試してみては、どうかね?」
アンクさんが、ニヤッと笑った。
「あー、ごめん。俺にはもう、運命の人が、見つかったんだ。」
ジュンブライト・・・・・・。
「そう。そりゃあ、残念だなぁ。」
アンクさんは、表情をしゅんっとした。
「あたし、試したい!」
テレサさんは、試す気満々ですっ。
「ちょっと、いいかしら。」
リリアさんが小さく手を挙げると、みんなは、リリアさんの方を振り向いた。
「なんだい。」
「私の妹の運命の人を、調べてもらいたいんだけど。」
えっ!?
「お前、本気かよ!」
「えぇ。妹がどんな人とめぐりあって、結婚するのか、知りたいんですもの。」
「わ、わかった!じゃあ、妹さんの写真を、渡してくれ!」
リリアさんは、ネルさんの写真を、ポケットの中から取り出し、写真をアンクさんに渡した。
アンクさんは、目をぱちくりして、驚いた。
「き、君の妹さんって、あの、桜吹雪のネルなのか!」
「えぇ。」
リリアさんは、にっこりほほえんで、うなずいた。
「こりゃあ、たまげた~。じゃあ、この写真を、スロットの中に入れま―す!」
アンクさんは、写真をスロットの左側に入れた。
「さあ、桜吹雪のネルの運命の人を、教えてくれ!」
アンクさんは思いっ切りレバーを押した。
一体、ネルさんの運命の人は、誰なんだろ。
「じいやだといいなっ。」
「って、なんでわたくしなんですか!?」
「桜吹雪のネルの運命の人が、わかったぞ!」
え!?本当!?
一体、どんな人なんだろ。
ん?この黒い中途半端にボタンが開いている制服を着ていて、黒いサングラスをかけている、オオカミさんは・・・・・・。
「ウルフ一郎!?」
えっ!?ウルフ一郎さん!?
「じゃあ、ネルの運命の人は・・・・・・。」
「ウルフ一郎ってこと!?」
「そんなバカな!なにかのまちがいよ!」
リリアさんはあわてて、レバーを押した。
結果は、やっぱり、ウルフ一郎さんだった。
「まちがいじゃないようじゃな。」
「・・・・・・。」
「ただいまぁ~。」
その声は!
「ウルフ一郎さん!」
「な、なんだよ。」
リリアさんは、すくっと立ち上がって、ウルフ一郎さんの方に向かって、お辞儀をした。
「お帰りなさい、お義兄さん。」
「俺様はいつ、お前の義兄さんになったんじゃ。」
「ウルフ一郎さんの好きな人は、誰なんですか!?」
「そりゃあ、もう・・・・・・真莉亜ちゃんだよ~ん♡」
「本当のこと、言ってください!」
「はぁ!?」
「本当は、ネルが好きなんでしょ!?」
「バ、バカ言え!あいつのどこがいいんだ!てか、あいつのことは、嫌いだぁ!」
「俺、見たんだぜ!お前とネルが、寝室でキスをしているところ!」
「した覚えはねぇ!だいたい、なんでそんな話になるんだよぉ。」
「これを見ろ。」
テレサさんが、運命スロットを、ウルフ一郎さんに見せた。
ウルフ一郎さんは、目をまるくした。
「はぁ!?こ、これは一体!」
「運命スロットじゃよ。」
「運命スロットぉ?」
「そうじゃ。自分の運命の人がわかる、スロットじゃよ。」
「って、ことは、俺様が、こいつの運命の人だというのか!?」
「そうそう。」
私達は2回うなずいた。
「ふざけんじゃねぇ!きっと、なにかのまちがいだ!」
ウルフ一郎さんは、思いっ切り、レバーを押した。
結果は・・・・・・やっぱり・・・・・・。
「ほ―ら、やっぱり君じゃ。」
「・・・・・・見なかったことにする!」
「えぇ!?」
ウルフ一郎さんは、アンクさんのところへ行き、胸ぐらを引っぱった。
「おい、クソじじい!てめぇ、またよくも、変な発明品をつくったなぁ!」
「変とはなんじゃ!」
「おい、やめろ!」
ジュンブライトが、二人を引き離した。
「はぁ、はぁ。俺様は一体、これからど―生きろってんだ。」
ネルさんと、デートすれば、いいじゃないですか?
「デートだとぉ!?真莉亜ちゃん、それはできない!」
なんでですか!?
「だって・・・・・・俺様にはもう、運命の人が、見つかったんだ。」
そ、それって・・・・・・。
「君だよ、真莉亜ちゃん。」
「やっぱり。そう言うと思った。」
「お義兄さん、お願い!ネルとデートして!これは、あの子の未来のためだから!」
「だ―から、俺様はいつ、お前の義兄さんになったんだっ!」
「リリア、頭がおかしくなってます。」
「ウルフ一郎さん、ネルさんと、デートしてくださいっ!」
「え―っ?」
「デートして、ネルに本当のことを伝えるんだ!好きって!」
「だ―から好きじゃねぇって!」
ウルフ一郎さん、お願いしますっ。
どうか、ネルさんと、デートしてくださいっ。
私が必死に説得すると、ウルフ一郎さんは、目をハートにした。
「真莉亜ちゃんがそ―ゆ―なら、してもいいよ~♡」
やったぁ!
「ほんとにな。」
「じゃあ、早速、ネルに『LINE』するから。」
リリアさんは、スマホを操作し始めた。
「もし、成功したら、結婚式、招待してね!」
「もし、子供ができたら、わたくしが、いい名前をつけます。」
「おい・・・・・・だから、あいつのことは嫌いだって、言ってんだろ。」
☆
デート当日。
私達は、菜の花広場の噴水前で、ネルさんをまっているウルフ一郎さんを、木の陰で見守っていた。
「まだ来ねぇのかよぉ。もう、とっくに時間、すぎてっぞ。」
ほんとだ。まちあわせ時間は、8時30分なのに、8時30分をすぎている。
「あっ、来た!」
ジュンブライトが、小声で言った。
「ったく、リリアのやつめ!『菜の花広場の噴水前に来い』って、送って来たから、昨日、大急ぎで東京に向かったが、ま―た、道に迷ってしまったじゃねぇか!はっ、まさか・・・・・・。」
ネルさんは、目を輝かせた。
「決闘を申しこんで来たんじゃねぇのか!?ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!やってやとーじゃねぇか!」
ネルさん、ぶっ飛んだかんちがいをしています。
「よっ、ネル。」
ネルさんは、声がした方に、振り向いた。
「ウルフ一郎!」
「久しぶりだな。」
「て、てめぇ、なぜここに!」
「デートをしよう。」
「はぁ!?決闘は!?」
「決闘じゃねぇ!デートだっ!」
ネルさんは、「ふん!」と、顔を横に向いた。
「やだね。お前とデートなんか、したくねぇ。」
「い―から行くぞっ!」
ウルフ一郎さんは、ネルの手をにぎって、走り出した。
「お、おい!なにすんだよぉ!」
ネルさんは、顔を真っ赤になってる。
いいぞ!その調子!
「真莉亜!ボ―っとしてないで、追いかけるぞ!」
えっ!?追いかけるの!?
「あたり前でしょ。」
出た!流行語ノミネート大賞予定の言葉!
「わ、わかりました!」
私達は、二人のあとを追いかけた。
☆
「はぁ。」
あのリリアさんが、ため息をついている。
どうしたんですか、リリアさん。
「あ、真莉亜。」
ん?なんなんですか、その細い本みたいなのは!
「あ、これ?実は、私の両親が、ネルを結婚させようとしてるの。」
結婚!?
「えぇ。でも、ネルったら、すぐ断るのよぉ。」
理由は?
「ジュンブライトよ。あの子、「あたしは、ジュンブライト様しか、目がないんだ!」って言って。全く、どんだけ妄想を繰り広げるのよぉ。」
ネルさんのまね、お上手です。
「もっと他に、いい男は見つからないのかしら?」
きっと、見つかりますよ。
「なに話してんだ?」
その声は!
「ジュンブライト!」
「ネルの話をしてたのよ。」
「ネルの話?なんだ。」
ジュンブライトが、首をかしげてる。
「知らない方がいいわよ。」
「うわぁ、この男の人、かっこい~♡」
「見て、この人!体、ゴッツイ!」
「この人、まるでディズニーに出てくる、王子様みたいです~♡」
「あたし、こーゆーのがタイプ♡」
「こら!勝手にさわるんじゃないっ!」
リリアさんが怒って、子供達からお見合い写真を取り上げて、大切そうに、胸におしつけた。
「どうしたんですかぁ?リリア。」
「今日のリリア、ムキになってる。」
「た、大切なものだから、さわらないでっ!」
ネルさんと結ばれる人は、誰なんだろ。
「さぁね。」
「きっと、ウルフ一郎じゃない?」
「紅葉、なんでそう思うの?」
「だって、ネルが迷子にならないように、ウルフ一郎が手をつないでいるじゃん?その時、そう思ったの!」
まっさかぁ。
「ウルフ一郎が、ネルの運命の人だなんて、思えないわ。」
「おや、なにを話しているんですか?」
ルクトさんが、笑顔で紅茶を、テーブルの上に置いた。
「ねぇ、ルクトは、ネルの運命の人は、誰と思う!?」
「えっとぉ、わかりませんねぇ。」
え―っ?
「そんなこと、人の人生が勝手に決めるもんだろ?」
「そんなに冷たいこと、言わなくても・・・・・・。」
「ひゃーっはっはっはっはっは!な―に話してるんだい?わしもまぜてくれんかのう。」
クリスさんのとなりに、おじいさんがいるよ!
「へっ・・・・・・?ギャ―、お化け~!」
「お化けじゃなーい!わしじゃ、アンクだっ!」
「あ、ごめんなさい。」
「アンクさん、最近、しれーっと入って来てない?」
アンクさん、なにしに来たんですか?
「あぁ。実はぁ、新しい発明品を見せようかと思って。」
「新しい発明品だとぉ!?」
「私、あの日からずっと、入れかわるのは、ごめんだって、心から誓ったんですよ!?」
「今度はなに?入れかわループ、超~ビッグバージョン!?」
「いや、ちがう。」
アンクさんが、懐から、なにかを取り出した。
「テッテテーン。運命スロットぉ~。」
運命スロット?
なんか、ハートの形をした、スロットだけど・・・・・・。
「このスロットは、ただのスロットじゃない。自分の運命の人がわかる、スロットなんじゃ。」
「自分の運命の人がわかるスロット!?」
「やってみた―い!」
マドレーヌちゃんと道華が、目をキラキラさせている。
「アハハハハ。君達はまだ、子供だから、まだ早いよ。」
「んだとオラァ!」
「ひぇ―!」
マドレーヌちゃん、キャラ変えないでぇ~!
「ジュンブライトくん、試してみては、どうかね?」
アンクさんが、ニヤッと笑った。
「あー、ごめん。俺にはもう、運命の人が、見つかったんだ。」
ジュンブライト・・・・・・。
「そう。そりゃあ、残念だなぁ。」
アンクさんは、表情をしゅんっとした。
「あたし、試したい!」
テレサさんは、試す気満々ですっ。
「ちょっと、いいかしら。」
リリアさんが小さく手を挙げると、みんなは、リリアさんの方を振り向いた。
「なんだい。」
「私の妹の運命の人を、調べてもらいたいんだけど。」
えっ!?
「お前、本気かよ!」
「えぇ。妹がどんな人とめぐりあって、結婚するのか、知りたいんですもの。」
「わ、わかった!じゃあ、妹さんの写真を、渡してくれ!」
リリアさんは、ネルさんの写真を、ポケットの中から取り出し、写真をアンクさんに渡した。
アンクさんは、目をぱちくりして、驚いた。
「き、君の妹さんって、あの、桜吹雪のネルなのか!」
「えぇ。」
リリアさんは、にっこりほほえんで、うなずいた。
「こりゃあ、たまげた~。じゃあ、この写真を、スロットの中に入れま―す!」
アンクさんは、写真をスロットの左側に入れた。
「さあ、桜吹雪のネルの運命の人を、教えてくれ!」
アンクさんは思いっ切りレバーを押した。
一体、ネルさんの運命の人は、誰なんだろ。
「じいやだといいなっ。」
「って、なんでわたくしなんですか!?」
「桜吹雪のネルの運命の人が、わかったぞ!」
え!?本当!?
一体、どんな人なんだろ。
ん?この黒い中途半端にボタンが開いている制服を着ていて、黒いサングラスをかけている、オオカミさんは・・・・・・。
「ウルフ一郎!?」
えっ!?ウルフ一郎さん!?
「じゃあ、ネルの運命の人は・・・・・・。」
「ウルフ一郎ってこと!?」
「そんなバカな!なにかのまちがいよ!」
リリアさんはあわてて、レバーを押した。
結果は、やっぱり、ウルフ一郎さんだった。
「まちがいじゃないようじゃな。」
「・・・・・・。」
「ただいまぁ~。」
その声は!
「ウルフ一郎さん!」
「な、なんだよ。」
リリアさんは、すくっと立ち上がって、ウルフ一郎さんの方に向かって、お辞儀をした。
「お帰りなさい、お義兄さん。」
「俺様はいつ、お前の義兄さんになったんじゃ。」
「ウルフ一郎さんの好きな人は、誰なんですか!?」
「そりゃあ、もう・・・・・・真莉亜ちゃんだよ~ん♡」
「本当のこと、言ってください!」
「はぁ!?」
「本当は、ネルが好きなんでしょ!?」
「バ、バカ言え!あいつのどこがいいんだ!てか、あいつのことは、嫌いだぁ!」
「俺、見たんだぜ!お前とネルが、寝室でキスをしているところ!」
「した覚えはねぇ!だいたい、なんでそんな話になるんだよぉ。」
「これを見ろ。」
テレサさんが、運命スロットを、ウルフ一郎さんに見せた。
ウルフ一郎さんは、目をまるくした。
「はぁ!?こ、これは一体!」
「運命スロットじゃよ。」
「運命スロットぉ?」
「そうじゃ。自分の運命の人がわかる、スロットじゃよ。」
「って、ことは、俺様が、こいつの運命の人だというのか!?」
「そうそう。」
私達は2回うなずいた。
「ふざけんじゃねぇ!きっと、なにかのまちがいだ!」
ウルフ一郎さんは、思いっ切り、レバーを押した。
結果は・・・・・・やっぱり・・・・・・。
「ほ―ら、やっぱり君じゃ。」
「・・・・・・見なかったことにする!」
「えぇ!?」
ウルフ一郎さんは、アンクさんのところへ行き、胸ぐらを引っぱった。
「おい、クソじじい!てめぇ、またよくも、変な発明品をつくったなぁ!」
「変とはなんじゃ!」
「おい、やめろ!」
ジュンブライトが、二人を引き離した。
「はぁ、はぁ。俺様は一体、これからど―生きろってんだ。」
ネルさんと、デートすれば、いいじゃないですか?
「デートだとぉ!?真莉亜ちゃん、それはできない!」
なんでですか!?
「だって・・・・・・俺様にはもう、運命の人が、見つかったんだ。」
そ、それって・・・・・・。
「君だよ、真莉亜ちゃん。」
「やっぱり。そう言うと思った。」
「お義兄さん、お願い!ネルとデートして!これは、あの子の未来のためだから!」
「だ―から、俺様はいつ、お前の義兄さんになったんだっ!」
「リリア、頭がおかしくなってます。」
「ウルフ一郎さん、ネルさんと、デートしてくださいっ!」
「え―っ?」
「デートして、ネルに本当のことを伝えるんだ!好きって!」
「だ―から好きじゃねぇって!」
ウルフ一郎さん、お願いしますっ。
どうか、ネルさんと、デートしてくださいっ。
私が必死に説得すると、ウルフ一郎さんは、目をハートにした。
「真莉亜ちゃんがそ―ゆ―なら、してもいいよ~♡」
やったぁ!
「ほんとにな。」
「じゃあ、早速、ネルに『LINE』するから。」
リリアさんは、スマホを操作し始めた。
「もし、成功したら、結婚式、招待してね!」
「もし、子供ができたら、わたくしが、いい名前をつけます。」
「おい・・・・・・だから、あいつのことは嫌いだって、言ってんだろ。」
☆
デート当日。
私達は、菜の花広場の噴水前で、ネルさんをまっているウルフ一郎さんを、木の陰で見守っていた。
「まだ来ねぇのかよぉ。もう、とっくに時間、すぎてっぞ。」
ほんとだ。まちあわせ時間は、8時30分なのに、8時30分をすぎている。
「あっ、来た!」
ジュンブライトが、小声で言った。
「ったく、リリアのやつめ!『菜の花広場の噴水前に来い』って、送って来たから、昨日、大急ぎで東京に向かったが、ま―た、道に迷ってしまったじゃねぇか!はっ、まさか・・・・・・。」
ネルさんは、目を輝かせた。
「決闘を申しこんで来たんじゃねぇのか!?ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉ!やってやとーじゃねぇか!」
ネルさん、ぶっ飛んだかんちがいをしています。
「よっ、ネル。」
ネルさんは、声がした方に、振り向いた。
「ウルフ一郎!」
「久しぶりだな。」
「て、てめぇ、なぜここに!」
「デートをしよう。」
「はぁ!?決闘は!?」
「決闘じゃねぇ!デートだっ!」
ネルさんは、「ふん!」と、顔を横に向いた。
「やだね。お前とデートなんか、したくねぇ。」
「い―から行くぞっ!」
ウルフ一郎さんは、ネルの手をにぎって、走り出した。
「お、おい!なにすんだよぉ!」
ネルさんは、顔を真っ赤になってる。
いいぞ!その調子!
「真莉亜!ボ―っとしてないで、追いかけるぞ!」
えっ!?追いかけるの!?
「あたり前でしょ。」
出た!流行語ノミネート大賞予定の言葉!
「わ、わかりました!」
私達は、二人のあとを追いかけた。
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