ヴァンパイア♡ラブどっきゅ〜ん!

田口夏乃子

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第四十一話 「ネルさんの運命の人」

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「よし!これでよし!」
 
「ジュンブライト、がんばってきてねっ!」
 
「おう!」
 
ジュンブライトは、ニッと笑って、ギロさんと一緒に、お店の中に入って行った。
私達は、お店の扉を少し開けて、お店の中をのぞきこんだ。
ネルさんとウルフ一郎さんは、ボックス席にすわっている。
その後ろには、変装した、ジュンブライトとギロさんが、メニューを見てる。
 
「ウルフ一郎さん、大丈夫かなぁ?」
 
「大丈夫。ルクトさんがいるからねぇ。ルクトさんはこー見えて、恋愛のスペシャリストだからねぇ。なにかあったら、電話しろって言われてるし。」
 
「勝手に名乗らないでくださいっ!」
 
「ちょっと!二人がなにか、話してるわよ!」
 
ほんとだ。店の中がさわがしくて、なかなか聞こえないけど。
 
「なに食べる?」
 
「え・・・・・・み、みそラーメン。」
 
「じゃあ俺様は、チャーシューメンで。」
 
「メニューを決めてるみたーい。」
 
だんだん、いい雰囲気になってるぞ!
 
「ジュンブライト達は、なにしてるんだろう。」
 
さっきから、動きは一つもない。
どうしたんだろう?
 
「おい、どーやって注文する!?」
 
「声を低くして、注文しましょう!」
 
「いいなぁ、それ!んん―、すみませーん。」
 
声、すんごい低っ!
 
「はいはーい。」
 
ラーメン屋のおばちゃんが、ジュンブライトとギロさんの席にやって来た。
 
「ご注文をどーぞ。」
 
「えっとぉ、とんこつラーメンを一つとぉ、超~激辛ラーメンを一つぅ。」
 
激辛ラーメン!?そんなの、誰が食べるの!?
 
「ギロね・・・・・・。」
 
ギロさん、大丈夫なんでしょうか。
 
「ご注文は、以上でよろしいですか?」
 
「あっ、あとぉ、ぎょうざを1つください。」
 
ぎょうざぁ~!?
 
「ギロ、ぎょうざをたのんでしまったわ!」
 
ジュンブライトの目、点になってるし!
ありゃりゃ・・・・・・だめだ、こりゃ。
 
「ぎょうざをなんだと思ってるの?」
 
「ま、ギロらしいじゃない?」
 
リリアさん!ほっとくんですか!?
 
「ご注文は以上でよろしいですか?」
 
「うぃす!」
 
な、なに?ふざけた返事は。
 
「ジュンブライトお兄様、また私の『妖怪ウォッチ』を、勝手にしましたね!ゆるせない!」
 
???なんのゲームなのか、私にはわかりません。
 
「知らないの、お母さん。『妖怪ウォッチ』は、今ハヤッてるゲームなんだよ。そんなの知らないなんて、時代遅れだね。」
 
はいはい。時代遅れで、悪かったね。
 
「じゃ、ごゆっくりどうぞ。」
 
ラーメン屋のおばちゃんが、笑顔でその場を去った。
 
「おい!なんでぎょうざをたのんだ!」
 
ジュンブライトが、小声で言ってる。
 
「だってぇ、ぎょうざはラーメンに合いますしぃ。」
 
「そうじゃなくて!はぁ、もう、終わりだ。こいつの天然パワーに、もうあきた・・・・・・。」
 
ジュンブライト、すっごくあきれてるみたい。
で、ネルさんとウルフ一郎さんはというと・・・・・・。
 
「お前、高校の時、なにしてた。」
 
「サッカー部に入ってた。高総体で、選抜に選ばれたことがある。」
 
「ほ、本当か!?すっげぇ―!」
 
おとぎの国って、高総体があるんだぁ。
 
「で、お前は?」
 
「あたしは、学校がいやで、毎日サボってた。卒業式には、出なかった。」
 
「うわっ、ものすごい問題児・・・・・・。」
 
「おまたせしました!みそラーメンと、チャーシューメンですねっ。」
 
ラーメン屋のおばちゃんが、二人がたのんだラーメンを、テーブルの上に置いた。
 
「ご注文は、これでよろしかったですか?」
 
「おう。」
 
「では、ごゆっくり。」
 
ラーメン屋のおばちゃんは、にっこりと笑って、その場を去った。
 
「いっただきまーす!」
 
ウルフ一郎さんは、ラーメンを食べ始めた。
 
「んん!うめぇ!」
 
「本当だ。うまい。」
 
「だろ?」
 
ウルフ一郎さんは、ニッと笑った。
 
「この調子で、うまく行くといいわね。」
 
リリアさんは、笑顔になってる。
そのころのジュンブライトとギロさんはというと・・・・・・。
 
「イ―ッヒッヒッヒッヒ!おもしろいぜ!」
 
「アハハハハハ!ウ~ケ~るぅ~。」
 
マンガを読んで、大笑いしています。
 
「あの後ろの二人、うっせぇなぁ。」
 
「あの二人にたのまなきゃよかった。」
 
お客さんのめいわくですっ。
 
「失礼しま―す。とんこつラーメンと、激辛ラーメンですねっ。」
 
ラーメン屋のおばちゃんが、二人がたのんだラーメンを、テーブルの上に置いた。
うわぁ!あの激辛ラーメン、すっごくからそー!
ギロさん、大丈夫かなぁ?
 
「ぎょうざは?」
 
「今、つくっています。」
 
「ちっ。おせぇんだよ。」
 
「文句言うなや!」
 
「早くしねぇと、ここの店ごと、けっ飛ばすぞっ!」
 
ひぃぃぃぃぃ!ギロさん、いつものキャラに戻ってぇ~!
 
「は、はい!わかりましたから、少々おまちくださいっ!」
 
ラーメン屋のおばちゃんは、こわがいっています。
 
「よろしい。」
 
ふぅ。いつものギロさんに、戻ったよぉ。
なんで、私の周りには、キャラを変える人が、いるんだろ。
 
「よしっ!早速、食べようぜっ!」
 
「はい!」
 
二人はわりばしをバキッと割って、ラーメンを食べ始めた。
 
「ん~、おいし~い!」
 
「・・・・・・。」
 
「ん?どうした。うまくて、なにも言えねぇのか?」
 
「・・・・・・ゔ・・・・・・ゔぅ・・・・・・かっら~い!」
 
ギロさんは、ドラゴンのように、口から火を出し、ミサイルのように、飛び回った。
 
「ギ・・・・・・お前!落ち着け!」
 
ジュンブライトは立ち上がって、さけんだ。
 
「お客様、大丈夫ですか!?」
 
ラーメン屋のおばちゃんが、あわててやって来た。
 
「お水、いりますか?」
 
「あ、ありがとうございますっ。」
 
ギロさんは、冷たい水が入ったコップを取って、ゴクゴクと飲んだ。
 
「はぁ~、死ぬかと思ったぁ~。も~、誰だ?こんなに辛いラーメンをたのんだの。」
 
「お前だよ。」
 
「ちょうどよかったぁ。はい、ぎょうざです。」
 
ラーメン屋のおばちゃんが、にっこりと笑って、ぎょうざをテーブルの上に置いた。
 
「ゔぅ、くっせぇ。」
 
ジュンブライトは、苦しみながら、鼻をつまんでいる。
 
「オェー!」
 
早速キラキラしたものを吐いた―っ!
 
「オェー!」
 
あんたもか―っ!
 
「オェー!」
 
「おい、大丈夫か!」
 
「オェー!」
 
「オェー!」
 
「あんたらもか―っ!」
 
はぁ~。せっかくのお食事が、だいなしになっちゃった・・・・・・。
 
 

 
「バッカヤロ~!」
 
ジュンブライトとギロさんは、ウルフ一郎さんに、頭をなぐられた。
二人の頭には、たんこぶがついている。
 
「貴様ら、俺様の初デートをだいなしにしやがって!反省せいっ!」
 
「はい・・・・・・すみません・・・・・・。」
 
ウルフ一郎さん、そのくらいでいいんじゃないですか?二人とも、反省してるし。
 
「そうだね~♡よし、ゆるしてあげよ―う♡」
 
「あんた、一体、なんのために、説教したんだい。」
 
「ネルは?」
 
そういえば、いないね。
 
「あいつか?あいつはぁ、リリアと話をしてる。」
 
ウルフ一郎さんは、向こうで話している二人を指さした。
 
「なにを話してるんだろ、あの二人。」
 
「さあ。」
 
私と紅葉は、話している二人を不思議そうに見つめた。
 
「あいつが、あたしの運命の人だとぉ~!?」
 
「えぇ。」
 
リリアさんが、うなずいた。
 
「バカ言え!きっと、なにかのまちがいだ!」
 
「じゃあ、試してみる?」
 
リリアさん、運命スロットを持って来たんだ!
 
「ああ!」
 
で、結果は・・・・・・。
 
「ほら、この通りよ。」
 
「・・・・・・見なかったことにする。」
 
「マジで!?」
 
「あのリリアが、マジって言った!」
 
「そこ、つっこむところ?」
 
「で、あたしとあいつを、くっつけさせようとしたんだな。」
 
「えぇ。」
 
「ふん!あいつとは、結婚しねぇ!なぜなら、あいつのことが、嫌いだから―。」
 
「俺様もだっ。」
 
ウルフ一郎さんが、小声で言った。
 
「たまには、自分に正直になれよっ。」
 
「なれるかっ!てか、聞こえてたのかっ!」
 
「あたしには、ジュンブライト様という、素晴らしいお方がいるんだ。」
 
この人、どんどん暴走しておる・・・・・・。
 
「だめよ。ジュンブライトには、真莉亜という、かわいい彼女がいるんだから。」
 
「知ってるよ!あたしの夢は、春間真莉亜から、ジュンブライト様をうばい取るんだっ!」
 
「すっごい夢ねぇ。」
 
「本当は、ウルフ一郎のことが、好きなんでしょ?」
 
「!?」
 
ネルさんの顔が突然、真っ赤になった。
 
「たまには、自分に正直になりなさい。あんた、子供のころから、ツンデレだから。」
 
「ツンデレちゃうわ!きるぞ!」
 
ネルさんって、かわいいところもあるんだぁ。
 
「ねぇ、ウルフ一郎!行こう!」
 
アキちゃんとソラちゃんが、ウルフ一郎さんの手を、ぐいぐいひっぱる。
 
「は、離せ!」
 
「ネルお姉様のところに、行きましょーう!」
 
「ネル~!」
 
道華達が、ウルフ一郎さんを連れて、ネルさんとリリアさんのところに、やって来た。
 
「・・・・・・。」
 
ウルフ一郎さんは、ネルさんの方に、顔を見上げた。
ネルさんは、また顔を真っ赤にしている。
ウルフ一郎さんは、真剣な顔になって、サングラスの奥に光る、夜行性の目で、ネルさんを見つめる。
 
「ネル・・・・・・。」
 
ひゃ―っ!だきしめたよぉ!
 
「!?」
 
ネルさん、声が出ないくらい、驚いている。
ますます、顔を赤くしちゃって。
 
「ずっと、お前のことが、好きだった。」
 
「告白しましたよぉ~!」
 
ルクトさん、うっさい。
 
「友達としてな。」
 
「・・・・・・!?」
 
「はぁ!?」
 
私達は、大きな声でそろえて、驚いた。
 
「ウルフ一郎さん、どーゆーことですか!?」
 
「だってぇ、俺様には、君がいるじゃ―ん♡」
 
意味わからん。
 
「ふざけるなっ!」
 
「ネルは、俺様の友達だ!ま、嫌いだけどな、ガ―ッハッハッハッハ!」
 
「・・・・・・!お前、きるぞぉ~!」
 
ネルさんが、ウルフ一郎さんを、追いかけ始めた。
 
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!」
 
ウルフ一郎さんは、ぱっと走り出した。
 
「このあたしを、バカにした罰じゃ~!」
 
「す、すみませ~ん!」
 
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