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第四十五話 「ギロさんの仕事場に潜入!」
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うわぁ。とうとう、院長室の前に着いたよぉ。
なんか、リリアさんじゃないのに、自分が緊張しちゃってるよぉ~。
「じゃあ、いきますよ。」
「はい。」 「おう。」 「えぇ。」
私達はうなずいた。
トントン。
「父さん、入るよ。」
「あぁ。」
部屋の向こうから、低い声が聞こえると、ギロさんは、ガチャッとドアを開けた。
うわぁ~。すっごく広―い。
大きな本棚には、いっぱい、医学の本があって、床にはオシャレなじゅうたんがあって、大きな窓もあって、壁には歴代の院長さんの肖像画がある。
「ギロ、その人達は誰だ。」
「こ、この人達は、俺の知り合いで・・・・・・。」
「ど―も―!ジュンブライトだぜっ!」
ジュンブライト!勝手に名乗らないで!
「だってぇ、あいさつしなきゃ、だめだろ?」
それはそうだけど・・・・・・・。
「ジュンブライト?」
ギロさんのお父さん、ジュンブライトに興味もった?
「あの、ヴァンパイア界の王子かぁ。ギロ、お前、すっごい友達を見つけたなぁ。」
男の人が、くるっと大きな椅子を私達の方向に振り向かせた。
髪の色は黄緑で、とんがった目をしていて、ちいさなひげが生えていて、医者の服を着ている、ヴァンパイアさん。
かっこいい~。
「紹介します。この人が、俺の親父の・・・・・・。」
「ギンだ。よろしく。」
ギンさんは、にこっと笑った。
「私は春間真莉亜です。14歳で、中学二年生です。」
「俺はジュンブライト。ヴァンパイア界の王子だ。」
「わたくしは、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライト様の執事、ルクトでございます。」
「私はヴァンパイア界の王女、マドレーヌですぅ~!」
「君、かわいいなぁ。ほら、クッキー、あげるから、こっちにおいで。」
「うわ―い!」
マドレーヌちゃんは、ギンさんのところに走って来て、ギンさんにクッキーをもらった。
「ありがとうですぅ~!」
「どういたしまして。」
「よかったわね、マドレーヌ。」
「はい!」
マドレーヌはちゃんは、笑顔で大きくうなずいた。
「あたし、黒月道華!10歳!よろしく!」
「あたしはテレサ。ギロの先輩だよ。ちなみにこいつも、ギロの先輩。」
テレサさんは、ジュンブライトのうでを、ぎゅっとひっぱった。
「は、離せよぉ!」
「君達は、息子のなんの先輩なんだい?」
「あぁ、それはあとで話すよぉ!」
「ふーん。」
「私は久瀬紅葉。よろしくお願いします。」
紅葉はていねいにギンさんに向かって、お辞儀をした。
「あたしはクリス!猫族の看板娘!好きなのは、ジュンブライト様ぁ~♡」
クリスさんは、ジュンブライトのうでを組み始めた。
「こ、こら!離せぇ!」
「もう、照れちゃって♡」
「照れてないわ、ボケ!」
「あたしはアキ。よろしく。こっちは双子の妹のソラ。」
「よ・・・・・・よろしくお願い・・・・・・します・・・・・・。」
ソラちゃんは、がんばって、恥ずかしがりながら、自己紹介をした。
「俺様はウルフ一郎。いつもあんたの息子と、仲良くしてる。」
「ほう。ありがとう。私の息子と仲良くしてもらって。」
ギンさんは、ウルフ一郎さんに向かって、にこっと笑った。
「父さん、この子、覚えてる?」
「どうも、お久しぶりです。」
「う~ん。」
ギンさんはリリアさんを、目を細くしながら、見つめている。
「誰だったっけ~?う~ん。思い出せないなぁ。あ、そうだ!」
思い出しましたか!?
「いや、え―っと、誰だったっけ?え―っと、え―っと、え―っとぉ・・・・・・。」
ギロさんのお父さん、ギロさんに似て、天然ですね。
「あー、もういいよ!リッちゃんだよ、リッちゃん!」
「リッちゃん!?あの、リリアちゃん!?うわぁ~、久しぶりだねぇ~。」
ギンさんは立ち上がって、リリアさんのところに行き、リリアさんの両手をぎゅっとにぎった。
「久しぶりです、おじさん。」
「いやぁ、二十何年振りだろ。こんなにべっぴんさんになって!」
「うふふふふ。」
グゥ~。
あ~、昼ご飯、なにも食べてないから、お腹が空いたよぉ~。
グゥ~。
「私も~。」
グゥ~。
「俺様も~。」
グゥ~。
「あたしも~。」
「んじゃあ、お茶をごちそうしてやるよ。」
えっ!?いいんですか!?
「あぁ。いつも息子が、お世話になってるしな。」
うわぁ。ありがとうございますぅ、ギンさん!
「いえいえ。どういたしまして。さ、ソファーにすわって、すわって。」
私達は、ソファーにすわった。
「紅茶とコーヒー、どっちがいい?」
「紅茶で。」
「子供達には、オレンジジュースをお願いします。」
「わかった。では早速、準備に取りかかろう。」
ギンさんは早速、準備に取りかかった。
「あっ、私、クッキーを出しましょうか?」
「あぁ。ありがとう。じゃ、そこに置いてあるクッキーを出してくれ。」
はいっ。
私は、机の上に置いてあるクッキーを、テーブルに運んだ。
「次に、オレンジジュースをついでくれ。」
はいっ。
私は冷たいオレンジジュースを、4つのコップに注いだ。
「君、優しいねぇ。息子の妻にふさわしいねぇ。」
えっ・・・・・・。
私は突然、顔を真っ赤にした。
「・・・・・・!」
ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!リリアさんからものすごい目で、にらまれたよぉ!
「父さん、真莉亜ちゃんは先輩とつきあってるんです。」
「え~!?マジで~!?」
驚き方も、ギロさんにそっくり。
「ちなみに、道華ちゃんは先輩と真莉亜ちゃんの未来の子供なんです。」
「え~!?ほんと~!?」
「ほんとだよ―ん。」
「さっさと紅茶をつくれっ。」
「ごめん、ごめん。もう少しでできあがるから、まっておくれ。」
「お前、驚く暇があったら、紅茶をぱっぱっぱっと、仕上がれっつ―の。」
ギンさんは、紅茶を9つのティーカップに注いだ。
「おまたせ~。さ、お茶をしよう。」
ギンさんは笑顔で、4つのコップと、9つのティーカップをおぼんに乗せて持って来て、テーブルの上に乗せた。
「うわぁ~。おいしそ~。」
「では早速、飲んでくれ。私のお気に入りの紅茶だ。すっごくおいしいよぉ~。」
じゃあ、早速、いただきま~す。
私とジュンブライトとルクトさんとリリアさんとテレサさんと紅葉とクリスさんとギロさんとウルフ一郎さんが、ゴクゴクと、紅茶を飲んだ、その時!
「ブ―!」
いきなり、紅茶を吐き出した。
な、なにこれ!
「ていうか、苦っ!」
「これ、紅茶じゃないねぇ~。コーヒーだねぇ~。」
「え―?そんなぁ。確かぁ、ちゃんと入れたのにぃ・・・・・・あ―!」
どうしたんですか!?
「こ、これ、君の言う通り、コーヒーだったぁ!」
ギンさん、ナイス天然!
「ったく、父さん、ちゃんとしてくれよぉ。」
「そーゆーお前も、天然すぎた行動、するじゃねぇ―か!」
「ごめんね。まちがえちゃって。」
「いいですよ。気にしないでください。」
私は笑顔でギンさんをはげました。
「優しい真莉亜ちゃんも、ステキだぁ♡」
「なんでお前が会話に割り込むんだよ。」
ん~。このクッキー、おいし~い!
「これ、ギンさんの手作りですか?」
「手作り・・・・・・?あれ、このクッキー、どこのだったっけ?手作りでもないしぃ、みせのじゃないしぃ。どこで手に入れたっけなぁ?」
「もう、いいです。手作りということにしますので。」
「ごめんね、みんな。こーゆー、天然の父がめいわくかけて。」
「だーかーらー、お前も天然だよ!」
「アハハハハハ。ゆかいだ、ゆかいだ。ところでギロ、ジュンブライトくんとテレサさんは、お前のなんの先輩だったんだい?」
するとギロさんは、肩をびくっとふるわせて、苦笑いを浮かべながら、ギンさんの方を見た。
「い、いや、大学の先輩で・・・・・・。」
「ヴァンパイア暴力団時代の先輩だよ!」
「ちょっ、先輩!」
ギロさんが、ジュンブライトの口をふさいだ。
「暴力団時代の先輩だとぉ!?」
ひぃぃぃぃぃ!ギンさんの目が、急にこわい目になって、ギロさんの方をにらんでるよぉ!
すると、ギンさんはテーブルをバンっとたたいた。
それと同時に、私達はビクッとビビった。
「貴様、この私にナイショで、暴力団という悪の組織に入ったなぁ!だから6年前、急にいなくなったのかぁ!ゆるさん!」
「と、父さん!落ち着いて!暴力団はその3カ月後にやめたからぁ!」
「・・・・・・そう。」
ふぅ。やっと、ギンさんの怒りがおさまったよぉ。
ギロさん、本当なんですか!?
「あぁ。入って3カ月後、やめたんだ。」
へぇ―。
「ところでリリアちゃん、君の妹の名前、なんだったっけ?」
「ネル・・・・・・ですか?」
「あ~。そうだ、ネルちゃんだ!なつかしいなぁ。あのころはかわいかったのに、今は急に、男みたいにかっこよくなって!で、なんでいないのかい?」
「あの子、生まれつき、方向オンチで、人間界をさまよい歩いてるんです。まぁ、私達のところに来ることはあるんですけど。」
「へぇ―。」
「・・・・・・。」
ウルフ一郎さん、どうしたんですか?急にだまりこんじゃって。
「い、いや、君のことを考えたんだよ―ん♡」
気持ち悪い。
「・・・・・・。」
リリアさんは、そんなウルフ一郎さんを、不思議そうに見つめた。
すると、ギロさんがスッと立ち上がった。
「あっ、父さん!話があるんだけど・・・・・・。」
「話?話って、なんだい?」
ギンさんは、首をかしげた。
「あぁ。とっても大事な話で・・・・・・。」
「あ―!」
ギンさんが、なにかを思い出したように、右手をグーにして、左手にポンッと置いた。
また、なにかあったんですか!?
「ギロ、大事な話で思い出したんだが・・・・・・。」
ギンさんは鼻歌を歌いながら、机の方に行くと、引出しの中から、なにかを取り出し、スキップしながら、私達のところに戻って来た。
なに?この茶色くてひらべったい本みたいなの。
「これ、なんだかわかる?」
「い、いきなり言われても・・・・・・。」
「じゃあ、正解を教えてやろーう!正解はぁ、じゃーん!」
ギンさんが、本みたいなのを開くと・・・・・・。
「うわぁ~。」
「きれーい。」
ヴァンパイアで、金髪で、リリアさんよりすっごい美人で、ピンクのロングドレスを着た女の人の写真があった。
ほんとだ。きれーい。
「父さん、これって、まさか・・・・・・。」
「そう!お見合いが決まったよ!」
「え~!?」
私達は、大きな声で驚いた。
「そ、そんな急に!」
「なんだ。なにか不満でもあるのか?」
「い、いや、不満はないよっ。」
ギロさんは、苦笑いを浮かべた。
「そう。ならよかった。相手の家族、すっごく楽しみにしてるって。」
「へぇ―。」
「よかったね、ギロ!」
「結婚式、呼んでねっ!」
「う、うん!」
ギロさん、そんなに笑顔でうなずいて、いいの?
あなたには、リリアさんがいるじゃない。
それなのに、お見合いしようとなんか、しないでよ・・・・・・。
ポタポタポタポタ。
あれ?誰か泣いてる?
後ろを振り向くと・・・・・・。
リ・・・・・・リリアさんが、泣いている・・・・・・。
みんなは泣いているリリアさんに、注目している。
「リ・・・・・・リッちゃん?」
ギロさんは、リリアさんの手をにぎろうとした。
「来ないで!」
リリアさんは、ギロさんの手を思いっ切りはらって、ドアの方へ歩き、ギンさんの方を振り返った。
「おじさんのバカ!」
バタンとドアが閉まったとたん、部屋じゅう、しーんと静まり返った。
「い、一体、なにがあったんだ?」
「父さん!俺、リッちゃんを追いかけて来る!」
そう言って、ギロさんは部屋を出た。
「俺達も行くぞ、真莉亜!」
うん!
私達も、部屋を出た。
「わ、私がなにか、いけないことを、言ったっていうのかね?」
☆
なんか、リリアさんじゃないのに、自分が緊張しちゃってるよぉ~。
「じゃあ、いきますよ。」
「はい。」 「おう。」 「えぇ。」
私達はうなずいた。
トントン。
「父さん、入るよ。」
「あぁ。」
部屋の向こうから、低い声が聞こえると、ギロさんは、ガチャッとドアを開けた。
うわぁ~。すっごく広―い。
大きな本棚には、いっぱい、医学の本があって、床にはオシャレなじゅうたんがあって、大きな窓もあって、壁には歴代の院長さんの肖像画がある。
「ギロ、その人達は誰だ。」
「こ、この人達は、俺の知り合いで・・・・・・。」
「ど―も―!ジュンブライトだぜっ!」
ジュンブライト!勝手に名乗らないで!
「だってぇ、あいさつしなきゃ、だめだろ?」
それはそうだけど・・・・・・・。
「ジュンブライト?」
ギロさんのお父さん、ジュンブライトに興味もった?
「あの、ヴァンパイア界の王子かぁ。ギロ、お前、すっごい友達を見つけたなぁ。」
男の人が、くるっと大きな椅子を私達の方向に振り向かせた。
髪の色は黄緑で、とんがった目をしていて、ちいさなひげが生えていて、医者の服を着ている、ヴァンパイアさん。
かっこいい~。
「紹介します。この人が、俺の親父の・・・・・・。」
「ギンだ。よろしく。」
ギンさんは、にこっと笑った。
「私は春間真莉亜です。14歳で、中学二年生です。」
「俺はジュンブライト。ヴァンパイア界の王子だ。」
「わたくしは、ヴァンパイア界の王子、ジュンブライト様の執事、ルクトでございます。」
「私はヴァンパイア界の王女、マドレーヌですぅ~!」
「君、かわいいなぁ。ほら、クッキー、あげるから、こっちにおいで。」
「うわ―い!」
マドレーヌちゃんは、ギンさんのところに走って来て、ギンさんにクッキーをもらった。
「ありがとうですぅ~!」
「どういたしまして。」
「よかったわね、マドレーヌ。」
「はい!」
マドレーヌはちゃんは、笑顔で大きくうなずいた。
「あたし、黒月道華!10歳!よろしく!」
「あたしはテレサ。ギロの先輩だよ。ちなみにこいつも、ギロの先輩。」
テレサさんは、ジュンブライトのうでを、ぎゅっとひっぱった。
「は、離せよぉ!」
「君達は、息子のなんの先輩なんだい?」
「あぁ、それはあとで話すよぉ!」
「ふーん。」
「私は久瀬紅葉。よろしくお願いします。」
紅葉はていねいにギンさんに向かって、お辞儀をした。
「あたしはクリス!猫族の看板娘!好きなのは、ジュンブライト様ぁ~♡」
クリスさんは、ジュンブライトのうでを組み始めた。
「こ、こら!離せぇ!」
「もう、照れちゃって♡」
「照れてないわ、ボケ!」
「あたしはアキ。よろしく。こっちは双子の妹のソラ。」
「よ・・・・・・よろしくお願い・・・・・・します・・・・・・。」
ソラちゃんは、がんばって、恥ずかしがりながら、自己紹介をした。
「俺様はウルフ一郎。いつもあんたの息子と、仲良くしてる。」
「ほう。ありがとう。私の息子と仲良くしてもらって。」
ギンさんは、ウルフ一郎さんに向かって、にこっと笑った。
「父さん、この子、覚えてる?」
「どうも、お久しぶりです。」
「う~ん。」
ギンさんはリリアさんを、目を細くしながら、見つめている。
「誰だったっけ~?う~ん。思い出せないなぁ。あ、そうだ!」
思い出しましたか!?
「いや、え―っと、誰だったっけ?え―っと、え―っと、え―っとぉ・・・・・・。」
ギロさんのお父さん、ギロさんに似て、天然ですね。
「あー、もういいよ!リッちゃんだよ、リッちゃん!」
「リッちゃん!?あの、リリアちゃん!?うわぁ~、久しぶりだねぇ~。」
ギンさんは立ち上がって、リリアさんのところに行き、リリアさんの両手をぎゅっとにぎった。
「久しぶりです、おじさん。」
「いやぁ、二十何年振りだろ。こんなにべっぴんさんになって!」
「うふふふふ。」
グゥ~。
あ~、昼ご飯、なにも食べてないから、お腹が空いたよぉ~。
グゥ~。
「私も~。」
グゥ~。
「俺様も~。」
グゥ~。
「あたしも~。」
「んじゃあ、お茶をごちそうしてやるよ。」
えっ!?いいんですか!?
「あぁ。いつも息子が、お世話になってるしな。」
うわぁ。ありがとうございますぅ、ギンさん!
「いえいえ。どういたしまして。さ、ソファーにすわって、すわって。」
私達は、ソファーにすわった。
「紅茶とコーヒー、どっちがいい?」
「紅茶で。」
「子供達には、オレンジジュースをお願いします。」
「わかった。では早速、準備に取りかかろう。」
ギンさんは早速、準備に取りかかった。
「あっ、私、クッキーを出しましょうか?」
「あぁ。ありがとう。じゃ、そこに置いてあるクッキーを出してくれ。」
はいっ。
私は、机の上に置いてあるクッキーを、テーブルに運んだ。
「次に、オレンジジュースをついでくれ。」
はいっ。
私は冷たいオレンジジュースを、4つのコップに注いだ。
「君、優しいねぇ。息子の妻にふさわしいねぇ。」
えっ・・・・・・。
私は突然、顔を真っ赤にした。
「・・・・・・!」
ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!リリアさんからものすごい目で、にらまれたよぉ!
「父さん、真莉亜ちゃんは先輩とつきあってるんです。」
「え~!?マジで~!?」
驚き方も、ギロさんにそっくり。
「ちなみに、道華ちゃんは先輩と真莉亜ちゃんの未来の子供なんです。」
「え~!?ほんと~!?」
「ほんとだよ―ん。」
「さっさと紅茶をつくれっ。」
「ごめん、ごめん。もう少しでできあがるから、まっておくれ。」
「お前、驚く暇があったら、紅茶をぱっぱっぱっと、仕上がれっつ―の。」
ギンさんは、紅茶を9つのティーカップに注いだ。
「おまたせ~。さ、お茶をしよう。」
ギンさんは笑顔で、4つのコップと、9つのティーカップをおぼんに乗せて持って来て、テーブルの上に乗せた。
「うわぁ~。おいしそ~。」
「では早速、飲んでくれ。私のお気に入りの紅茶だ。すっごくおいしいよぉ~。」
じゃあ、早速、いただきま~す。
私とジュンブライトとルクトさんとリリアさんとテレサさんと紅葉とクリスさんとギロさんとウルフ一郎さんが、ゴクゴクと、紅茶を飲んだ、その時!
「ブ―!」
いきなり、紅茶を吐き出した。
な、なにこれ!
「ていうか、苦っ!」
「これ、紅茶じゃないねぇ~。コーヒーだねぇ~。」
「え―?そんなぁ。確かぁ、ちゃんと入れたのにぃ・・・・・・あ―!」
どうしたんですか!?
「こ、これ、君の言う通り、コーヒーだったぁ!」
ギンさん、ナイス天然!
「ったく、父さん、ちゃんとしてくれよぉ。」
「そーゆーお前も、天然すぎた行動、するじゃねぇ―か!」
「ごめんね。まちがえちゃって。」
「いいですよ。気にしないでください。」
私は笑顔でギンさんをはげました。
「優しい真莉亜ちゃんも、ステキだぁ♡」
「なんでお前が会話に割り込むんだよ。」
ん~。このクッキー、おいし~い!
「これ、ギンさんの手作りですか?」
「手作り・・・・・・?あれ、このクッキー、どこのだったっけ?手作りでもないしぃ、みせのじゃないしぃ。どこで手に入れたっけなぁ?」
「もう、いいです。手作りということにしますので。」
「ごめんね、みんな。こーゆー、天然の父がめいわくかけて。」
「だーかーらー、お前も天然だよ!」
「アハハハハハ。ゆかいだ、ゆかいだ。ところでギロ、ジュンブライトくんとテレサさんは、お前のなんの先輩だったんだい?」
するとギロさんは、肩をびくっとふるわせて、苦笑いを浮かべながら、ギンさんの方を見た。
「い、いや、大学の先輩で・・・・・・。」
「ヴァンパイア暴力団時代の先輩だよ!」
「ちょっ、先輩!」
ギロさんが、ジュンブライトの口をふさいだ。
「暴力団時代の先輩だとぉ!?」
ひぃぃぃぃぃ!ギンさんの目が、急にこわい目になって、ギロさんの方をにらんでるよぉ!
すると、ギンさんはテーブルをバンっとたたいた。
それと同時に、私達はビクッとビビった。
「貴様、この私にナイショで、暴力団という悪の組織に入ったなぁ!だから6年前、急にいなくなったのかぁ!ゆるさん!」
「と、父さん!落ち着いて!暴力団はその3カ月後にやめたからぁ!」
「・・・・・・そう。」
ふぅ。やっと、ギンさんの怒りがおさまったよぉ。
ギロさん、本当なんですか!?
「あぁ。入って3カ月後、やめたんだ。」
へぇ―。
「ところでリリアちゃん、君の妹の名前、なんだったっけ?」
「ネル・・・・・・ですか?」
「あ~。そうだ、ネルちゃんだ!なつかしいなぁ。あのころはかわいかったのに、今は急に、男みたいにかっこよくなって!で、なんでいないのかい?」
「あの子、生まれつき、方向オンチで、人間界をさまよい歩いてるんです。まぁ、私達のところに来ることはあるんですけど。」
「へぇ―。」
「・・・・・・。」
ウルフ一郎さん、どうしたんですか?急にだまりこんじゃって。
「い、いや、君のことを考えたんだよ―ん♡」
気持ち悪い。
「・・・・・・。」
リリアさんは、そんなウルフ一郎さんを、不思議そうに見つめた。
すると、ギロさんがスッと立ち上がった。
「あっ、父さん!話があるんだけど・・・・・・。」
「話?話って、なんだい?」
ギンさんは、首をかしげた。
「あぁ。とっても大事な話で・・・・・・。」
「あ―!」
ギンさんが、なにかを思い出したように、右手をグーにして、左手にポンッと置いた。
また、なにかあったんですか!?
「ギロ、大事な話で思い出したんだが・・・・・・。」
ギンさんは鼻歌を歌いながら、机の方に行くと、引出しの中から、なにかを取り出し、スキップしながら、私達のところに戻って来た。
なに?この茶色くてひらべったい本みたいなの。
「これ、なんだかわかる?」
「い、いきなり言われても・・・・・・。」
「じゃあ、正解を教えてやろーう!正解はぁ、じゃーん!」
ギンさんが、本みたいなのを開くと・・・・・・。
「うわぁ~。」
「きれーい。」
ヴァンパイアで、金髪で、リリアさんよりすっごい美人で、ピンクのロングドレスを着た女の人の写真があった。
ほんとだ。きれーい。
「父さん、これって、まさか・・・・・・。」
「そう!お見合いが決まったよ!」
「え~!?」
私達は、大きな声で驚いた。
「そ、そんな急に!」
「なんだ。なにか不満でもあるのか?」
「い、いや、不満はないよっ。」
ギロさんは、苦笑いを浮かべた。
「そう。ならよかった。相手の家族、すっごく楽しみにしてるって。」
「へぇ―。」
「よかったね、ギロ!」
「結婚式、呼んでねっ!」
「う、うん!」
ギロさん、そんなに笑顔でうなずいて、いいの?
あなたには、リリアさんがいるじゃない。
それなのに、お見合いしようとなんか、しないでよ・・・・・・。
ポタポタポタポタ。
あれ?誰か泣いてる?
後ろを振り向くと・・・・・・。
リ・・・・・・リリアさんが、泣いている・・・・・・。
みんなは泣いているリリアさんに、注目している。
「リ・・・・・・リッちゃん?」
ギロさんは、リリアさんの手をにぎろうとした。
「来ないで!」
リリアさんは、ギロさんの手を思いっ切りはらって、ドアの方へ歩き、ギンさんの方を振り返った。
「おじさんのバカ!」
バタンとドアが閉まったとたん、部屋じゅう、しーんと静まり返った。
「い、一体、なにがあったんだ?」
「父さん!俺、リッちゃんを追いかけて来る!」
そう言って、ギロさんは部屋を出た。
「俺達も行くぞ、真莉亜!」
うん!
私達も、部屋を出た。
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