転生令息の、のんびりまったりな日々

かもめ みい

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○僕とおうちたんけん

◆71

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『ユーリ様、おねむですか?』

 僕が記憶さんとお話ししていたら、ぴょん太が心配そうに聞いてきました。
ぴょん太には僕と記憶さんのお話しは聞こえないので、勘違いされても仕方ないのかもしれません。

「ぴょん太、ぼくまだ元気でしゅよ!」

 僕は元気よく応えました。
さっきまでぴょんぴょんしてましたが、まだまだ元気いっぱいなのです!

『そうですか……。でも、もうずいぶん時間が経ちましたからお部屋に戻らないといけません』
「……ぶぅ」

 僕はちっちゃく抗議の声を上げました。
お部屋を出てからお時間がかなり経っていますし、いわれたのも二回目ですからね。
だから抗議の声もちっちゃくしました。
 無駄な抵抗ですけどね、意思表示は大切なのです!

『賢いユーリ様は、もうお部屋に戻らないと駄目だとお分かりですよね』
「……。戻りましゅ……」

 結局お外がちゃんと見れませんでした。
残念です。
 夜のお庭とか森とか、どんな感じなのかちゃんと見たかったのですが仕方ありません。
諦めたくはないですが、諦めないといけない時もあるのです……。
納得は出来ませんけどね。

 僕はぴょん太に促されて、とぼとぼとお家の中へ向かって歩いて行きましたが、ひとつだけやり残した事があったのでちょっと歩くのをやめました。
そして森のある方へと振り返ります。

「ありしゃん、もうちょっと待っててくだしゃいね」

 
 小さくて消えてしまいそうな僕の声に応えるかのように、今まで静かだった森の木々が一瞬、騒めきました。
そして、どこからか遠吠えが……。

 それはまるで──待っているよ。って言うありさんからのお返事のように感じられました。
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