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○僕とお家訪問

◆85

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「ちょっ、坊っちゃま、わかってますっ!?
 クィーンオブクィーンっていう、とっても、とーっても怖い魔物ですよ!?
 性別を気にしてる場合じゃないですって!」

 あわあわあわって一人叫んでいるカショウに、僕はコトリ、と首を傾げました。

「ありしゃんは僕のおともらちでしゅよ?
 怖くないでしゅよ?」
「ですから……っ!」
「カショウ、あなた煩いわ」
『うむ、煩いな』
『ええ、煩いわね』

 カショウがみんなに叱られて、しょぼんとなりました。
「これ、俺がおかしいの……?」とか何とかブツブツ言ってます。
 うぅーん……。
 なんかしょんぼり具合があまりにも酷いので、頭をなでなでしてあげた方がいいのでしょうか?
 僕が頭をなでなでするとみんな元気になるって言ってくれるので、カショウにも効果があると思うのです。

『とは言え、だ。ここは便宜上クィーンと呼ぶがお前、本当にユーリ様を害する事はないのだな?』
『あら? 私の名前は『ありしゃん』よ。クィーンなんて呼ばないで』
『は?』
「え?」

 なんか、バババッ!て勢いでぴょん太とエリーナが振り返って僕の事を見て来ました。
 んー?何でしょうか?
もしかして、僕の後ろに誰かいるのでしょうか?
振り返って見てみても誰もいませんでした。
うーん……。ぴょん太とエリーナの謎の行動です。

 僕がうーん……。と言っている間に、ぴょん太が可愛いお手手を合わせて『にゃみゅにゃみゅにゃー……』みたいな事を言ってます。
 可愛いですね!
僕も真似をしてみましょうか。ぴょん太みたいに可愛いかは分かりませんけど、なんかやってみたいです!

「にゃみゅにゃむにゃむむー……」
「かわっ!!」
『ふふふ。愛らしいわね』

 むむむ。なんかすごく見られてますね。
ぴょん太の方が可愛いから、ぴょん太を見てほしいです。

『ユーリ様ぁ! あまりの可愛さに危うく術が失敗しそうでしたよ!』
「坊っちゃまが可愛いのは世界の真理だから仕方ないわ。
 それでピョンタ。結果はどうだったのよ?」

 どうやらぴょん太は可愛い仕草をしているわけじゃなく、何か術?というのをしていたそうです。
何の術?なんでしょうね?にゃむにゃむにゃむ……。

『うむ。結果だがな……。
 間違いなく従魔となっていた』
「あー……。
 坊っちゃまだしね。うん。そうなってしまうわよね……」

 なんかぴょん太とエリーナの元気がなくなっているようです。
もう疲れちゃったのでしょうか?
ありさんのお家はちょっと遠かったから、仕方ないかもしれません。

「えぇー! 従魔っ!?」

 逆にカショウは叫ぶぐらい元気が余っているようです。
僕は……。うむ。特に疲れている感じはないですね。
 うーん……。
本当はありさんと沢山遊びたかったのですが、、ぴょん太とエリーナの事を考えるとお土産を渡して帰るのがいいかもしれません。
帰りも同じ距離を歩かないとダメですからね。
うむうむ。
 やっぱり今日は帰りましょう。
この距離ならまた今度来れると思いますし、その時にありさんと沢山遊べばいいのです。
 僕と遊ぶのを楽しみにしていたありさんには申し訳ないですが、話せば分かってくれると思います。
ありさんは優しいですからね!
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