気がついたら異世界転移してました!?~変わったのは世界と私達!?

かもめ みい

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 前回の反省をした私達は──主に私だけどね──人族じんぞくのNPCが経営している普通の食堂で待ち合わせをした。

 もふもふはいないけど、別にいいんだもん。
それに兎耳族じびぞくだけがもふもふじゃない。他にプレイヤーキャラのもふもふがいるし。
 虎とか猫とか狼等の獣人系の人達が。
──肉球はないけどね。
大事だからもう一度言おう。
──肉球はないけどねっ!!

 どうして運営は肉球を排除したのか理解に苦しむわ。肉球は癒しでしょうに。
──っと、とりあえずもふもふについて考えると止まらないから、今はもふもふの事はおいて置いて、いい加減話し合いを進めなければ……。

 私とナユタは『天空の塔』についてお互いが調べた情報を報告しあった。
その結果、お互いの情報は大概同じような内容だった。
 まあ、情報源がネットの掲示板となると、そうなるのも仕方ないだろうけど。

──天空の塔について分かった事を纏めてみると……。

 まず満月の夜にしか登れない、という事だった。
しかも、リアルの月の周期で満月じゃないといけないらしい。
そして天気の状況は一切関係がなく、周期さえ合っていれば問題はないそうだ。

 次に天空の塔の近くにある町に、満月になる数日前に滞在している事。
その町のギルドの倉庫機能は使えないので、道具や装備等は手持ちで賄わないといけない事。
それに伴ってお金も使えなくなるので、換金できるアイテムも必ず持っていく事。
大まかにこの三つだった。

「……どう思う?」
「ある意味、鬼畜仕様じゃないか?」

 目の前にあるチョコレートパフェをパクリと食べつつ言うナユタ。
若干眉根が寄っている。

「やっぱり?」

 チョコレートパフェは私の方が絵的に合うと思うんだけどなあと思いつつも、湯気がまだ上っている出来立てのボロネーゼをくるくるとフォークで綺麗に巻いて、一口頬張った。
 何の感想も、余韻を味わう事もなく機械的に二口目をくるくるとフォークで巻き取る。
それでもなるべく、綺麗に見えるように注意しながら。

 味の感想が全く思い浮かばないのは、私が味覚音痴というわけではなく──VRでは味を一切感じないから。
 所謂仕様、というわけではなく幾らVR技術が革新したからと言っても、『味覚』という感覚までは再現に至らなかった。
だからVRでは一切味を感じる事が出来ない。
 それならどうして食事をする必要性があるのかというと、プレイヤーには『空腹』ステータスというものが存在しているからだ。

 パラメーターに満腹値というものがあって、それは時間と共に数値が徐々に減少していく。
十パーセントをきると防御力や俊敏力、移動速度が落ちたり、攻撃や魔法、罠の回避などあらゆるところでミスをする確率が格段に上がってしまう。
 ゼロになっても死ぬ事はないけれど、何かがあった時に素早く対処が出来ない。
もしそれがフィールドで起きて、雑魚敵にでも囲まれれば……。
よくて瀕死、最悪死亡なんていう状況に簡単になってしまう。
だからオズに慣れたプレイヤーは、食べられる時は余裕をもって食べるようにしている。
 実際そういう状況に陥るのは、大半が初心者プレイヤーなんだよね。
そこで痛い目を見て学習するパターンが意外に多いらしい。
まぁ、まだレベルが高くない段階で陥っているから損失は少ないんだろうけど。

 当然私はそんな初歩的なミスはしていない。
初心者が陥りやすい注意点は、事前に掲示板にてチェックしていたからね。
 何事においても情報は大事だよ、本当にね。

 ちなみに飲み食いできるものならなんでもいいらしい。
何もなければ最悪、回復薬でも毒草でも。
『飲んで食べてお腹に入る』という行動が出来るものなら、満腹値が上がるように設定されているらしい。
らしいばかりの不確定な情報なのは公式でそう発表されているわけではなく、有志の方々が地道に調べた結果で分かった事だから。

 公式で発表されていない以上、断言は出来ない。
仕方ないと言えばそうなんだけど、でも頑張っているのに不確定情報としての扱い。
なんだか遣る瀬無いよね。
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