遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~

2-51. 追放者オークのガンボン(39)「着てよ、服!!!! 」

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 泉の近くで気配がして、俺とタカギさんは茂みの陰に隠れる。
 正直隠密行動はあまり得意じゃなくて、魔獣や野生の獣相手に巧く隠れおおせたことなんて殆ど無い。
 なので、見つかるであろうことを前提に、いつでも背負った棍棒を手に出来るようにして隠れていた。
 
「───誰だ?」
  
 誰何するその声、その響きに、覚えがあった。
 懐かしく、そして───。
 
「……クリスティナ?」
 
 光降り注ぐ静謐な泉の中その裸身を浸し立っているのは、俺が捜していた疾風戦団の戦乙女、クリスティナその人。

 


  
「クリスティナ? それがお前の名か?」
 
 違う、違う。それは俺じゃない。
 
「君が……クリスティナ。
 覚えてない……?」
 
 彼女は俺を見ながら、軽く首を傾げて間をおくと、
 
「ああ、そうだな。
 君は私を知っているのか?」
 
 そう、俺は彼女を知っている。
 だが彼女は……?
 
 ◆ ◆ ◆
 
「そうか、そうして君は私を捜しにここまで旅をしてきたのか」
 
 彼女───クリスティナはそう言うと軽く目を細めて微笑む。
 厳しくも凛々しい顔立ちと表情のクリスティナは、普段はそう笑うことはない。
 全体として顔立ちはほっそりとしていて、柔和でふっくらとしたある程度の肉付きが求められるこの世界の帝国人の美的感覚からしても、童顔で目がぱっちりなことを可愛らしさの条件とする前世現代日本の価値観からしても、「整ってはいるが、厳つくて怖い」と評されるような雰囲気だ。
 俺も多分、前世の田中紀男の感性だけで判断したら、「何だか怖そうだな、近づかない方が良いかも……」と考えそうだ。
 
「苦労をさせたようだな、すまない」
 そう改まってクリスティナが言う。
 言いながらもじっと俺の目を見つめてくるのだが、俺はそれをまともに見返すことが出来ない。
 というか、クリスティナのことをまともに見ることが出来ない。

「……どうした? 体調でも悪いのか?」
 
 ……て、どうしたもこうしたもねえよ!!
 何しれっと普通にしてんだよ!?
 だってちょっとあんた!
 全裸じゃん!?
 オール裸じゃん!?
 着てよ、服!!!!
 
 泉で水浴びをしてたらしきクリスティナは、俺との遭遇を経てそのまま岸辺の岩場へと腰を下ろし、足を泉に浸したままこうして話している。
 日の光を浴びて、鍛えられ引き締まった裸身がきらきらと輝いて居るようで、それはエロチックというよりはまるで壮麗な宗教絵画を見ているかに美しい光景だったが、だからって俺の方が一切気にせず直視出来るかというとそんなことはない。
 
 クリスティナは記憶喪失と言うべきか、自分自身のことやここに来るまでのことをあらかた忘れてしまっているらしく、俺の話すことにも大きく反応することはなかった。
 かいつまんでだが、闇の森での出来事や仲間の死にも触れたし、その後転送門を潜ってからのあれこれも話したが、それらへの反応も薄い。
 しかしだからって、人としてごく普通の羞恥心まで忘れる事はないじゃないですか!?
 アレですか? それともダークエルフ流の文化を取り入れたりしたとですか!? 
 あ、それともあっちの方? 「オークって二本足で歩く豚でしょ? 豚相手に羞恥心とかあり得なくなーい?」 的なやつの方?
 
 そんな内心ドギー&マギーな俺ちゃん、特に意味なく正座です。
 短い足をひん曲げての、正座ですよ。正座なんてこの世界、てか帝国文化圏にはありませんけど!
 痺れるか? つーと、痺れますよ。いや多分この身体は、前世とは違いほとんど正座なんかしてないでしょうよ。
 しかしなんだかこう、居住まい正して背筋をピンと伸ばさざるを得ない感じ?
 何ですかね、これ、もう。条件反射? うーん、違うな。何か違う。
 とにかく妙に、改まってしまう。
 
 足もやや痺れ気味、視線もそわそわ浮つき気味な俺に対し、クリスティナはややこちらへ身体を傾け、前のめりになって改めて聞く。
「何だか様子がおかしいな。
 どうしたんだ? 熱でもあるのか?」
 
「いや、ま、待って、全然、平気、大丈夫!」
 前のめりになるとますますその、谷、谷間、が……! 膨らみが! 先端が! 俺の一部の先端も!
 
 
 ビュルッ!
 ……とでも言うかの音と共に、俺の顔面に飛沫がかかる。
 飛沫? いや、水だ。
 水だが、ただの水じゃない。魔力の込められた水。
 そう、水の精霊獣ケルピーこと、けるけるケルっぴパイセンによる、魔法の水だ。
 
 あららん? 俺が視線を巡らせると、確かにそこにはケルッピさんの姿。そしてその目を見ると、おそらくはレイフが魔法で【憑依】している状態のようだ。
『何してんの……さ、君は……』
 脳裏に響くは、レイフによる伝心の声。
 
 あ、あれ……?
 この……状況……ヤバくない……?
 は、傍目には俺、全裸の美女を前にへらへらしているエロオークじゃね?
 そしてそんな有り様を目撃した現在体調不良のか弱き乙女たるレイフ的には……!
 
「や、レイフ、これ、違……」
 
 言いかけたところに放たれるのは、さっきみたいな水飛沫ではなく、火の迷宮で火焔蟻の群れを押し流しまくったケルッピさんの攻撃魔法、【水の奔流】。鉄砲水というか小規模な洪水というか、そんな水の固まりがドザッと迫る。
 ブヒリ! っと俺は危うく……避けられない! 足が痺れてますんで───……と、いや、違う。ハナからこれは、俺を狙ってはいなかった……?
 狙いは……クリスティナだ!!
 
 振り返るとクリスティナはその直撃はかわすものの、そのまま泉の中へと落ちてしまう。
 何故に!? まさか、嫉妬!? 俺を巡って2人の女性が対立しちゃう的なアレ!?
 どっちが第一夫人でどっちが第二夫人か決めてやろう、的な!?
 
 レイフの【憑依】したケルッピさんは、そのまま泉へとザボン! 水の中はケルッピさんのメインフィールド。そこで襲われるなんて普通の人間には即溺死ルートの大惨事だ!
 
「レイフ! 誤解! やめ……!」
「助けて、ガンボン……!」
 
 ……え?
 クリスティナは水の中で溺れそうになりながら、俺の方へと手を伸ばして助けを求める。
 俺は……とっさにその手を取り勢い良く引き上げクリスティナを抱き寄せると、間近に真正面から顔をつきあわせて聞く。
 
「……誰?」
 
 一瞬の間、一瞬の静寂。
 そう聞いた途端、視界がぐにゃりと歪んだようになり、軽い眩暈を感じるが、すぐに意識は明瞭になる。
 そして俺が抱き抱えていたその女は……薄緑色の肌と身体全体を覆う蔦や葉を持つ、女のような何かに変わっていた。
 
 有り得ない。
 あのクリスティナが、俺に助けを求めるなんてことは、絶対に有り得ない。
 例え記憶の一部を失っていても、彼女は本質的に自力の人だ。
 どんな苦境、どんな困難であっても、己の力一つで切り抜けようとする。
 その彼女が、俺なんかに助けを?
 
 その疑念、疑問が、幻想を打ち破った。
 
 再び、今度はケルッピさんの【水の奔流】が俺と緑の女のような何かとを打ち、引き剥がす。
 緑の女───いや、様々な植物が絡まり合い、あたかも人の似姿を象ったそれは水中に、俺は泥の上にと跳ね飛ばされ、ごろりんと転がり仰向けに。
 頭を上げて様子を見ると、泉の中で緑の女と対峙するケルッピさんと、すかさず俺へと駆け寄るタカギさん。
 
『あのまま……幻を見続けていれば幸せだったのにねえ……』
 声ではなく思念でそう告げてくる女の声音は、未だにクリスティナのそれのまま、しかし口調も内容も明らかに違う。
『……幸か不幸か……僕は今体調が悪くてね……。
 君の吐き出していた糞甘ったるいフェロモンの匂いは、ただ気持ち悪く感じるだけだったよ』
『残念。子豚ちゃんたちには効いてたのに……』
 
 幻覚を齎すフェロモン。
 つまりはそれを吸い続けていた事で、俺はあの緑の女をクリスティナと思い込んで居た……そう言うことか……。
 
『記憶を……思い出をほじくり返して幻覚を見せて支配する……。
 話には聞いてたけど、目の当たりにすると嫌らしいことこの上ないな、アルラウネのやり口は』
『それは一方的な見方ね。
 お互いに幸福な時を過ごせるのだから、共存と言って欲しいものね』
 
 レイフの【憑依】したケルッピさんは、泉の水を使い渦の柱を作り出し牽制しつつ、緑の女はそれをよけて辺りを素早く動きまわる。
 
『それで? 殺して養分にでもするのか?』
 水の柱が次々放たれ打ちつけられる。【水の奔流】の連射状態だ。
『失礼ね。私たちのことを何だと思ってるの?
 ただみんなで幸せに暮らす……それだけよ』
 避けながら飛び回り、その手の触れた木々や蔦がめりめりと音を立てつつ急激に伸び……まるで無数の触手のようにケルッピさんへと襲いかかる。
 
 最初の数発を【水の奔流】で迎撃。しかし後半の蔓や枝は迎撃をかわし、ケルッピさんの周りの地面へと先端を突き立てる。
 その様はさながら木々の檻の様。
 
『痛ッ!!??』
 水の精霊獣であるケルピーは身体を水に変化させられるので、物理的な檻などはそうすることですり抜けられる。
 レイフもおそらくはそうしようとして蔓や枝、根っこの檻へと体をぶつけるが、その瞬間まるで弾かれたように飛び退き、苦痛の声を上げる。
 この檻も、何らかの魔法によるもの。ケルッピさんの水へと変化しすり抜ける行為を阻害する結界のような能力があるのだろう。
 
『水場は自分の領域……、そう思ったでしょ?
 でもね、ここの全てがわたしの───アルラウネの領域なのよ?』
 
 次々とその檻を補強するように枝や蔦がケルッピさんの周りを覆っていく。
 こうなったら、使い魔であるケルッピさんの【召喚】を一度解除して、精霊界へと戻すしか無いだろう。
 
 俺はそのふたりの間へと身体を割り込ませ、緑の女、アルラウネの方へと向き直る。
 アルラウネは軽く首を傾げるようにしてこちらを見た。その目に見られると、先程の幻惑されていた状態に戻るかのように感じる。
 
「ありがとう」
 
 俺はアルラウネに向かいそう言った。
 アルラウネは先ほど同様に小首を傾げるような仕草をし、少しの間をおく。

「ありがとう、思い出させてくれて」
 
 俺は再びそう繰り返し、また言葉を続ける。
 
「俺が何のために、どうして旅を続けているのか……。
 誰を捜し、何を求めてここまで来たのか……。
 思い出させてくれて、ありがとう」
 
 大きく、深く息を吸い、そして吐き出すと ─── 俺は一気に駆けた。
 右手の棍棒を振り抜くと、それは人型を模した草木の固まりを粉砕し、弾き飛ばす。
 
 瞬間、その人型とケルッピさんの周りを囲んでいた木々の檻が解ける。
 解けたと同時にケルッピさんはそこを抜け出し、すかさず【水の奔流】を解けた人型の草木の固まりへとぶつけて、さらにそれらを四散させる。
 生命を……いや、魔力を失ったそれらは、ただの草、ただの木、ただの蔓や花へと戻り、バラバラに地面へと落ち、また泉へと浮かんで散乱した。
 
『───ガンボン』
 レイフの伝心による気遣わしげな思念が伝わってくる。
 けれども俺はそれに応えない。応えられない。応えようがない。
 応えればどうなるか。お互いにそれを分かっている。分かってしまっている。
 
 恐らくはほんの数瞬。一呼吸もしないだろう沈黙が、けれども長く長く降り注ぐ。
 その僅かだが永遠にも思える静寂を破って、再びの声───思念が辺りに響く。

 
『全く、乱暴な真似をするのね』
                    『ひどいね』
             『うん、ひどい』
         『意地悪』
 『お返ししなきゃ』
        『お返し』
            『お返しだね』
          『ちがうわ、おしおきよ』
      『おしおき?』
  『おしおきだね』 

 
 木霊か反響か。同じ様な、それでいてそれぞれに違うような多くの思念が四方八方から響き、声の渦に閉じ込められたかのように圧力をかける。
 腹の底から、深く長く吸い込んだ空気を咆哮とともに吐き出して、それらを振り払うが───。
 
 背を打ち切り裂くのは豪腕とその爪。 
 吹き飛ばされ泉へと転げ落ちるが、それをケルッピさんの操る水流が受け止め支えてくれる。
 
 うなり声と、強い獣臭。
 のっそりと茂みから現れたのは、例の鼻面から尾にかけて、背面を岩のような鱗に覆われた熊に似た魔獣───岩鱗熊。
 俺がこの世界で蘇って最初に遭った魔獣が、姿を現した。
 
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