遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

文字の大きさ
195 / 496
第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~

2-150.追放者のオーク、ガンボン(67)「うん。コングラッチュレーション!」

しおりを挟む

 
 
 ───俺の知っている範囲で言えば、あのときの経緯はこんな感じだ。
 
 ◆ ◆ ◆
 
「───ニキ、今、だ……」
 
 微かに聞こえたその声は、あまりに力が無く、あまりに虚ろで、まるで死人そのものの声に思えた。
 足元に崩折れているのはJB。その脇腹に開いた穴からは、焼け焦げた肉の匂いと血の匂いが溢れ出し漂ってくる。
 
「ボルトを……放て」
 
 言い終わるか終わらぬかの内に、射出音と風切り音、そして……ボルトが肉と骨に突き刺さる音。
 
 戦いの激しい喧騒の中、ここだけ静かで、静謐な空間にでもなったかのようだ。
 その続く小さな一連の音が、全ての終わりを告げる。
 つまり───30年前から隠れ潜み存在し続けて、ハコブさんという新たな肉体を得ることでその妄執から再びクトリア王朝を再興し支配者として君臨しようとしていたザルコディナス三世の亡霊が、ハコブさんの死とともに消滅したのだという、その事を。
 
 俺は、痛みを堪えつつ身体を起こし、周りを見る。
 ケルッピさんは倒れ伏し意識を失っているJBへと寄り添い、【癒しの水】を使う。けど傍目にもかなりの大怪我。脇腹の傷口は、ただ刺されたのみならず、魔法の闇の炎により焼けただれ腐食している。ただ幸いと言えるのか、焼かれたことで傷口からの大量出血は避けられてもいる。
 
 アダンさん他、探索者の人達も皆、それぞれにダメージを負い、疲労困憊の満身創痍。うずくまり、倒れ伏し、呆然としている。
 見つめる先は───ハコブさんだったもの。
 そして、構えていた弩弓を下ろし立ち尽くすニキさん。
 ニキさんは、ハコブさんの言葉が正しければ親しくしていた古い仲間の何人かをハコブさんのせいで殺されている。ニキさんが止めを刺したと言うことは、その敵討ちという意味でなら「勝ち」だと言えるのかもしれない。
 けれどもこの戦い、結末には果たして本当の意味での「勝者」は居たのだろうか。
 「敗者」は居る。ザルコディナス三世なんかはまさにそれだろう。
 けれども───。
 今ここに、勝利の凱歌を掲げる喜びを味わっている者は、誰一人として存在しない。
 
 
「はーっはは! 見事な勝利だな、穴蔵鼠ども!」
 
 えぇっ!? と驚き振り返る先に居たのは、“悪たれ”部隊のニコラウス隊長。
 ハコブさんを上回る鷲鼻傷だらけの凶相で喜色満面とでも言う表情。いや、ちょっと空気読んで!? 今、そういう流れじゃないから!?
 当然ながらもその声、その発言に、意気消沈の探索者達が色めき立ち顔を向ける。
 
「ふむ、結局ハコブは無理だったか。まあしかし仕方あるまい。奴の貴い犠牲のおかげでの勝利だ。
 そうだな……地元の英雄として盛大に祭り上げるか。その方がクトリア人どもも盛り上がるだろう」
 
 とんでもなく無神経なこの発言に、殺意を剥き出しにしたスティッフィさんが、怪我だらけの両腕で戦鎚を担ぎ上げる。いや、待って待って、気持ちは分かる! 分かるけど、それは流石にマズい!!
 痛むおけつを無理やり起こし、その暴走を止めようと一歩を踏み出すとほぼ同時に、別の声がしてその場の流れを変える。
 
「───その件だがなー」
 イベンダーだ。立ち上がるのも難儀な様子で、片膝をつきつつそう切り出した。
「ハコブのことについては、暫く箝口令で頼む。お前さん等には関係無いことだが、この件にはまだ完全なケリがついとらんでな」
  
 何についてのどういう話か。よく分からないまま俺たち全員が現場での応急処置を経て『黎明の使徒』本部へと運び込まれての緊急入院。俺も何だかんだで疲れ果てて居たこともあり、イベンダーの話の詳細を聞くより前に気絶するみたいにして眠ってしまい、そして一夜明けての今日になる。
 
 ◆ ◆ ◆
 
 そして、今。
 
 おけつが痛い。
 いや、おけつのみならず全身のかなりの箇所が痛い。
 焼かれ、斬られ、殴られ、刺され……とにかく最低最悪な有り様で目が覚める。
 
 戦の後、だ。
 そう、まさに戦の後、なのだ。
 
 レイフと共に誤って転送された古代ドワーフ遺跡。
 その奥底で偶然にも始まった試練、又の名をダンジョンバトル。
 それらを順繰りにクリアした最後に待っていたのは、なんとこのクトリア王朝最期の王、ザルコディナス三世の亡霊との死闘。
 正直、何度も死ぬかと思った!
 思ったけど───右手を見て、左手を見て、腹を見て、自分の身体が五体満足なのを確認して───うん。
 
 生きてらどーーーーー!
 
 そう叫びたくなる。叫ばないけど。
 
 ベッドに寝かされているのは俺だけじゃない。
 イベンダー、JB、アダンさん、ニキさん、スティッフィさん、マーランさん、ジャンヌさん、それと、ベッドではないけど部屋の隅でプギプギお休み中のタカギさん。
 そして───。
 
「や、元気?」
 
 目が覚めた俺にそう話しかけてくるのは、枕元で椅子に座り本を読んでいたダークエルフ、レイフだ。
 
「ん、おけつが、痛い」
 そう答えると目を軽く見開いてからまた細めて、
「やっぱ母上の鍛造したミスリルダガーは切れ味が鋭いね」
「ん、体感した」
 フフ、と二人して小さく笑う。
 
 例の元聖女候補のグレイティアさん率いる医療ボランティア団体『黎明の使徒』本部、その中の大部屋にて、全員ひとまとめに入院中。
 ほぼほぼ死にかけだったJBを筆頭に、満身創痍だった俺達を、彼等は懸命な治療、治癒魔法、錬金薬、そしてさらには外科手術までして救ってくれた。
 外傷がほぼないレイフと、元からこちらに詰めていたダフネさんはその手伝いをしつつ、翌日にはなんとか全員が命に別状のないまでにはなっていた。
 ただ一人───ハコブさんを除いて。
 
 
 最期のあの時のことを、俺はそんなに正確には覚えて居ない。俺とタカギさんは獄炎の炎に焼かれて大火傷を負い、さらにはその後も奮戦していた俺はおけつまでぶっ刺され、もはや虫の息……は言い過ぎだけども、戦える体力も気力も残っていなかった。何せ俺はその前にも大量の闇の魔物達相手に大奮戦していたのだから、もう完全にオーバーワークなのだ。
 
 いや、まあその辺は置いておくとして、だ。
 俺は正直、彼らの間で何があって、どうしてああいうことになったのかを詳しくは分からない。
 偶然聞いてしまったイベンダーとハコブさんとの会話も、その裏付けもない。
 ハコブさんがあのときイベンダーに告白したようにグレタ・ヴァンノーニと裏で通じていて、本当はずっとJB達“シャーイダールの探索者”を裏切っていたのか。叉はその後の計画として、本当にレイフを殺して魔力溜まりマナプールの支配権を奪おうとしていたのか───。
 それら全ては結局、藪の中だ。
 
 死人に口無し。もはやそれらが語られるは無いだろう。
 死霊術でも使われない限りは。
 
 
 JBはまだ目を覚ましていない。マーランさんやスティッフィさん、アダンさんなんかは何度か目を覚まし、食事や排泄をしたり、治療や診察を受けたりもしてる。
 一人留守番で事情を全く分かってないダフネさんが色々と聞きたがってはいるのだけど、彼等は一様に口が重く、また焦燥し詳しくは語らない。いや……語れないのだろう。

 で。
 
 医師も治癒術師も揃ったここで、それぞれに治療を受け、その中でも比較的軽傷……いや、本当はかなりの火傷もしたんだけども、治癒術ではこういう外傷は早期になら治癒しやすい。なので効果がよく出て回復の早い俺は、他の探索者メンバーよりもかなり調子を取り戻し、目が覚めてからはとても暇。
 タカギさんはというとこちらも手厚い看護を受けたのだけど、いやほら、タカギさんって、光属性の魔力を強く宿した聖獣じゃん?
 ちょおすげえVIP、つまりはベリー・インポータント・ピッグ扱い。
 いや、俺達よりはるかに丁重に扱われちゃってるの。
 
 もう、そんなにここが良いなら、ここの子になりなさいよ!?
 
 
 昼過ぎになって、何やら大慌てでやって来たのがアデリアさんと、ハーフリングのブルさん。
 既に起きていたイベンダー達に、むっつりとしたまま話を聞く二人。
 アデリアさんは何か聞く度に大声でうひゃあ、ぐひゃあと大騒ぎで、度々ブルさんに叩かれてる。
 で、そこでアデリアさんによってもたらされた情報、新事実によると……うーん。
 元々の話がよく分かってない俺としては何ともコメントし難いのだけども、その、シャーイダールさん? の、偽物さん?
 
 死んでなかったらしい。
 
 横で聞いてた話として纏めると、アデリアさんは自分の無力さやらみんなの心配やらで夜も眠れず、かと言って何が出来るでもなくやきもきし、レイフの作ってくれた木刀の魔法剣、“おそろし丸”を腰にうろうろとしていたらしい。
 んで、本来なら「見習いはまだ入るな」と言われていたアジトの奥にまで入って行ってしまった。
 見張りの門番の人、何してんのよ、と。
 
 で、そのとき何やらコソコソと隠れつつシャーイダールさんの部屋を伺う影を見る。
 すわ、これは賊の侵入か? と思い、“おそろし丸”を手にしてこっそり近づき……コケた。
 コケて、大きな音を立てて、“おそろし丸”も手からすっぽ抜けて、相手にも気付かれヤバい! となったときに、そのすっぽ抜けて空中を舞っていた“おそろし丸”が、相手の頭を直撃。
 で、付与された魔法の効果である【恐怖】により、その相手はビビりあがり逃げ出そうとする。
 その大騒ぎに駆け付けたブルさん他のメンバーにより、その人物は捕縛される。
 
 その人物とは誰か? というと、これまた探索者メンバーの一員ながらも長期休養をしていたアリックという人だと言う。
 何で? とか、その辺は俺にはよく分からん。ただ話の隙間を想像で埋めれば、つまりはハコブさんは主要メンバーを引き連れてこちらで仲間の救出と“悪しき者”ザルコディナス三世との戦いをしている最中に、偽物のシャーイダールさんをアリックという人に殺させるよう指示していた……と言うことなのだろう。
 “おそろし丸”による【恐怖】の魔法効果で完全にビビりあがってしまっていたアリックさんはその辺の事情を聞かれもしないで全部暴露。
 本当に偶然にも、それらの計画をアデリアさんが防いだのだ。
 
 なんともまあ、とんでもラッキーガールだわ。
 ……んー? ラッキーなのか? 悪運が強い……てな感じ?
 
 夕方近くになると、ようやくJBも目が覚めた。
 何せ一番の重傷。幸いにも腹の奥の内蔵までは手酷く傷付いていなかったらしいけど、それでもエグい程に焼かれ、刺され、切り刻まれていた。
 医師による切開に縫合、治癒術師による体力回復、錬金薬による治癒……と、それら全てをてんこ盛りにしての現在だ。
 目覚めてから周りを見、状況を把握し、それから再びゆっくりと目を閉じて、彼は静かに涙を流した。
 
 誰も言葉をかけない。かけられる訳もない。

 
 ◆ ◆ ◆
 
 夜中になり、元々無駄体力バカである俺は、昼間にかなり寝ていたこともあっていまいち眠れずに居た。
 巡回の見張りも居るので、この『黎明の使徒』本部を暇つぶしにうろつく、というのもちと気が引ける。
 なのでベッドの上で特にやることも無くボケーーーーーーッとしていたりしたワケだけど、そこへちょこちょこっとやってきたのは猫熊インプ。
 レイフの使い魔であるそれは、俺へと手を触れて念話で語りかけて来る。
 
『あのさ』
『ん?』
『いやー、昼間は、他にも人が居たから、ちょっと話しづらくてさ』
『うん』
『普通の伝心でも良いけど、ここ、術師が多いし、伝心だともしかしたら聞かれちゃう可能性もあるしさ』
『うん』
『で、まあ、そのー……』

 んんん? 何? ちょっと、何なの?
 
『うーん、その、変な話……なんだけど、さ』
 
 え? 変な話? いや、変じゃない話は最近めっきりご無沙汰ですけども? ちょっと、何、何、何よ? 何なのよ?
 
『どーーーーも、ね。あの、ダンジョンバトル? 古代ドワーフの試練? 結果的に僕、全クリしたワケじゃん?』
 
 あー、ハイハイそうね、そうなるね、うん。コングラッチュレーション! 全クリおめでとう!
 
『それでさ』
 
 はいはい、それで?
 
『何か……僕、クトリア王に奉じられちゃった……みたいなんだよね』
 
 ほー、なるほど王に────て、えぇぇぇぇぇーーーーー!!??
 
 ドユコト!?
 
 ……いや、ドユコト!?
 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

『三度目の滅びを阻止せよ ―サラリーマン係長の異世界再建記―』

KAORUwithAI
ファンタジー
45歳、胃薬が手放せない大手総合商社営業部係長・佐藤悠真。 ある日、横断歩道で子供を助け、トラックに轢かれて死んでしまう。 目を覚ますと、目の前に現れたのは“おじさんっぽい神”。 「この世界を何とかしてほしい」と頼まれるが、悠真は「ただのサラリーマンに何ができる」と拒否。 しかし神は、「ならこの世界は三度目の滅びで終わりだな」と冷徹に突き放す。 結局、悠真は渋々承諾。 与えられたのは“現実知識”と“ワールドサーチ”――地球の知識すら検索できる探索魔法。 さらに肉体は20歳に若返り、滅びかけの異世界に送り込まれた。 衛生観念もなく、食糧も乏しく、二度の滅びで人々は絶望の淵にある。 だが、係長として培った経験と知識を武器に、悠真は人々をまとめ、再び世界を立て直そうと奮闘する。 ――これは、“三度目の滅び”を阻止するために挑む、ひとりの中年係長の異世界再建記である。

異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】

きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】 自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。 その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ! 約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。 ――― 当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。 なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

処理中です...