遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!

3-111.マジュヌーン(63)砂漠の砂嵐 -戦え! 何を!? 人生を!

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 ルゴイの奴はラアルオームの山岳部族の出で、元々は砂漠を中心としたリカトリジオスや砂漠の部族の事には詳しくない。それでも“悪食の顎アルダーバ”族の悪名は聞いているという。
 曰わく、体格は比較的小柄ながらも身体頑強。上半身、膂力の強さはカリブルの“猛き岩山”にも匹敵する上、顎の力が各段に強い。さらには“黒鼻アブンアワ”にも匹敵する斥候働きの上手さがある。
 それらを用いて、彼ら“悪食の顎アルダーバ”が何をするかと言うと、
「強奪、略奪、または盗みに獲物の横取り……。とにかく、そう言うことを生業にした部族だそうで……」
 言いづらそうなルゴイの態度からは、まるで口にするのもおぞましいとでも言うかのような雰囲気がある。
 
「は! それでてめえはそんな渋いツラしてやがんのかよ、カリブル」
「……べ、別にそんな、事は、無いぞ」
「嘘つけ。てめぇの嘘はすぐにバレんだよ。ツラに出てやがらあ」
 苦々しいとでも言わんばかりのしわくちゃヅラを、さらにしわくちゃにしながらカリブルはようやく続ける。
 
「……ボルマデフとの約束は約束だ。我が身命にかけて妻子は守り、助け出す。だが……“悪食の顎アルダーバ”どもは長らく我が“猛き岩山ジャバルサフィサ”の敵でもあった。我らの村を襲い、ときに獲物を盗み、我らを煩わせていたのだ……」
 全く、猿獣人シマシーマもそうだが、犬獣人リカートもガチャガチャとうるさいもんだぜ。
 
「ふん? この女がお前の村から何か盗んでたのか?」
「そ、そうではない! そう言う話ではなくな……!!」
「じゃあどーでも良いだろ。
 悪ィが俺はクトリアの家畜小屋生まれで、自分の部族どころか家族すら分からねー。部族同士の確執だ何だって言われても、全然ピンとこねーぜ」
 俺のこの言葉に、カリブルもルゴイも押し黙る。
 
 ま、こいつは話を進める為の方便、てヤツだ。
 家畜小屋生まれは事実だが、部族同士の確執とかがピンとこない理由はそれじゃあねえし、正直、俺からすりゃあどーでも良い。とにかく俺としちゃあ、この先の計画を進める為の情報が欲しい。
「───ま、とにかく、そのカミさんから聞けるだけの話を聞かせてもらおうや」
 
 ▽ ▲ ▽
 
 相も変わらず砂漠の空ってなあ、雲ひとつなくまっさらだ。
 乾いた朝の澄んだ空気の中、何本もの槍を地面に突き刺して作られた即席のリング。その中で俺と相対しているのは、一人の南方人ラハイシュの男だ。
 前世の感覚で言うなら、そうだな……黒人のヘビー級プロボクサーてな感じか。いや、実際にはヘビー級と言うにはちょっと筋肉が衰えてる。身長もあるし骨格もいいが、なにせ奴隷待遇だ。栄養状態はとてもじゃないが万全とは言えねえやな。
 
 特徴的なのは全身の刺青。この軍へとやって来て最初に見た、荷運びの奴隷の列の中にいた、立ち上る炎のような赤い刺青をしたやつだってことだ。
 それが、決闘バカの“不死身”のタファカーリが指名してきた俺の対戦相手。
 この人選、俺がツルツル肌にんげんに捕らわれていたということからのものなのか、またはそれで衰えているだろうことを考慮してのものなのか、何にせよこう……ある種の配慮を感じる。
 決闘バカではあるが、心情的には俺に勝たせたい……というところなのかね。
 だが……、
 
「お前、その入れ墨は何の加護だ?」
 試しに小声のクトリア語でそう聞くと、南方人ラハイシュの男はわずかに反応。
「ここの奴らは南方人ラハイシュの加護の入れ墨の事はあんまり知らねえのか? お前さん、神の力を宿してんだよな?」
 ルチアと模様も色も違うからシジュメルじゃない。シジュメルの加護の入れ墨は素早さが各段に上がるが、こいつのものはどうなのか。
 
「開始!」
 タファカーリの横にいたリカトリジオス兵の合図で、それまで整然としていた周りの兵士たちも湧き上がる。
 決闘はリカトリジオスのとって神聖な儀式であると同時に、最大の娯楽だ。
 規律にうるさいリカトリジオス軍内でも、決闘の時だけはちょっとしたお祭り騒ぎが許される。 
 
 さて、考えどころだ。
 “黒鼻アブンアワ”のジダール先遣隊でボルマデフと戦った時は、あくまで一時的に奴らの懐に入り、奴らが食屍鬼グール化してるかの確認と、ちょっとした情報収集を出来ればそれで良かった。だから、のらりくらりとボルマデフの攻撃をかわし、苛立たせてバテさせる、てな、俺の得意な戦い方で構わなかった。
 だが、今回ばかりはちょっと事情が違う。できるだけ犬獣人リカート好みの、勇猛さを示すような戦い方をしなきゃなんねぇ。
 “ツルツル肌にんげん”の捕虜だった、と言う事へのタファカーリからの同情だけじゃなく、軍内全体からの敬意を勝ち取る方が後々の行動にとっては良い。
 
 俺は開始の合図と同時、一足飛びに南方人ラハイシュの男へと飛びか掛かる。嘘の設定じゃ、何日間かクトリア人の死霊術師の捕虜になり衰えている……と言う事になって居るが、実際には食屍鬼グールたちとのバトルはしたものの、それ以外は問題無く体調も万全だ。
 奴の入れ墨の加護が何であれ、奴隷身分で衰えている南方人ラハイシュに、そうそう後れを取ることはないだろう。
 
 急激に距離を詰められ、相手の南方人ラハイシュは対応も出来ずパンチを食らう。ワン、ツー、そして態勢の崩れたところへストレート。シンプルかつ速攻。鼻面に食らう一撃で鼻血を吹き出させる。
 
 それからサイドに回り込んで足元へのロー。ぐらりと倒れかけたのを背後から受け止めるようにして首を極める。チョークスリーパー、つまり頸動脈を絞めて“落とす”技。
 体格的には小柄な俺より頭一つ半くらいはデカい南方人ラハイシュの男だが、その後ろからおぶさるような姿勢。
 そのまま、背中から落ちるように地面へと引き倒す。両腕で首の頸動脈を極め、両足で下半身の動きを固め、完全に自由を奪った。
 唯一動かせるのは両腕だが、爪で引っ掻こうが、腰の入らない手打ちのパンチを入れてこようが、その程度で外すほど俺もヤワじゃねぇ。
 あと少しで完全に落ちるかとそう思ったところで、南方人ラハイシュの大男が大きくのけぞる。
 
 顎を自分の胸につけるかのようにひきながら、同時に天高く腰を突き上げるかにして、上半身の重さを俺にかけてくる。
 鼻血、そして頸動脈を極められた状態じゃ、体力は激しく消耗する。
 もちろん、絞め技で落ちるのは体力の消耗からじゃない。この辺はダーヴェからの受け売りだが、要は血圧が急激に下がることで立ちくらみと同じような効果になるのだそうだ。
 ここまで抵抗されるってのはまあ、要はまず、俺の技の決まりが甘いってこと。多分、きちんと頸動脈に入ってねえ。
 だが単純にそれだけじゃなく、この南方人ラハイシュの大男が、普通じゃ考えられないほどのタフネスだからだろう。
 強引なブリッジから、さらにぐるりと横に反転。信じられない馬鹿力で体を激しく動かされると、ヤツの首に食い込んでいた俺の腕の隙間に緩みが出る。
 その緩みに顎を滑り込ませ……悲鳴。
 いや、悲鳴というほどのでけえ声じゃなかったとそう思いてえが、それでも俺が声を上げさせられたのは事実だ。
 猫獣人バルーティ相手に、そのお株を奪う噛みつき攻撃。猫獣人バルーティの牙と違う人間の歯では、毛皮に阻まれ皮膚まですら届かないが、それでもかなりの痛み。
 締める手を離したか? いや。だが、緩みはさらに大きくなり、そこからさらに力任せに振りほどかれる。
 
 速攻で決めるつもりが、また振り出しに戻るだ。いや、むしろこの短い攻防で、より多くのダメージを受けたのは俺の方かもしれない。
 激しく責め立てていたぶん俺の方が息が荒くなり、だが南方人ラハイシュの男は既に息も整え、立ち上がってファイティングポーズを決めつつ俺へと向き直る。
 ちょっとばかし甘く見てたぜ。こりゃ反省会だ。
 
 南方人ラハイシュの男は滑り込むようにし、低い体勢から左右に体を揺らしつつ迫ってくる。
 でかい体格から勢いでかかってくるかと思いきや、下から伸び上がるような蹴り……いや、違う?
 蹴りを放つかのような気配を見せつつ、それをフェイントとしての頭突き。
 鼻面に一発かまされるが、いや、なんだこれは? なんつう変則的な攻め方だ?
 何か妙だ。何だかやりにきぃぜ。
 その後も、時折長い脚による蹴りを入れるかのような素振りを見せつつ、基本の攻め手はパンチに頭突き。
 フェイントと考えれば、めちゃめちゃ高度なフェイントだ。何せ、普通に見てれば、蹴りを放つ素振りを見せたことすらわからない。
 だがさらに妙なのは、その蹴りを放ちそうな気配を見せた後、少しテンポがずれるところだ。そこから流れるような連打に入りゃ、俺はもっといいやつをたくさん食らってるはず。
 
 とにかく異常にタフだし、ガタイはいいし、思ってた以上に力がある上、その妙なフェイントも入って、やたらとやりにくい。
 ボルマデフのときとは逆に、こいつと長期戦に入るのはかなりやばい。
 さてどうする?
 なんだかんだで勢いに乗って激しく攻め立ててくる南方人ラハイシュの男のパンチをさらに数発食らい、俺は膝を落として体勢を崩す。
 南方人ラハイシュの男はそれを好機とみて、さらに大きな打撃を狙い……宙に浮く。
 渾身の右ストレートを俺に掴まれたそのままの勢いで投げ飛ばされ、砂地の上で大の字にベタン。さすがのタフネスも、地面と言う武器に叩きつけられれば息も止まる。
 再び俺は仰向けになり地面に倒れている南方人ラハイシュの大男へと組み付くと、今度は首じゃなく右腕を極める。
 腕ひしぎ逆十字って……やつだ。
 悲鳴を上げる南方人ラハイシュの大男。どんなにタフで、どんなに体を鍛えても、ゴム人間でもなきゃあ腕の関節が逆さに曲がるなんてことはねえ。この痛みをやせ我慢して耐え続けたところで、ただ単に腕が折られてしまうだけだ。
 
「降参しな、でかいの。奴隷身分のお前が腕なんか折られたら、取り返しがつかねえだろ?」
 別に俺の目的はこいつを痛めつけることじゃあねえ。ただボルマデフの妻子と、カリブルの部族の仲間を助け出す為に、一時的にこの軍内で動きやすくなればいいだけだ。
 男はしばらく、悲鳴をあげつつ悶えていたが、ほどなくして空いてる左手で地面を叩き、今まで以上のでかい声で「降参だ、降参する!」と、叫んだ。
 
 大地を揺るがす歓声……てのはまさにこのことだろう。周りを囲っていたリカトリジオス兵達は、足を踏み鳴らし手を叩き、遠吠えのように吠えながらの大騒ぎだ。
 今回ばかしは俺も、犬獣人リカートの大好きな真っ向勝負、ってやつで勝ったんだからな。なかなかしんどい闘いだったが、十分な見返りを得たとは言えるだろう。
 だが、遠吠えのような歓声は次第に一つの言葉にまとまりだす。
「……せッ! ……せッ!!」
 音もデカすぎるし、俺の犬獣人リカート語の認識力じゃいまいちはっきり聞き取れない。だがこりゃ……ちょっと不穏な様子だぜ。
 
猫獣人バルーティの勇士よ、見応えな勝利だ。
 さあ、勝者の権利だ。その奴隷の首を切り、血を飲み干し、力を我が物とするが良い」
 
 “不死身”のタファカーリがそう裁定を下す。
 まてよ、そいつは聞いてねーぜ?
 
 ▽ ▲ ▽
 
 誰かから聞いた話か、それともガキの頃通っていた例の古本屋で読んだ本に書いてあったのか。
 情報の出所ははっきり覚えていないが、確かいわゆる食人の風習とかってのは儀式的、宗教的な意味合いのあるものが多く、その場合「食べた相手の霊的な力を自らに取り込む」というのがあるそうだ。
 殺して、血を飲み、その力を自らに取り込め……という“不死身”のタファカーリの言葉からすれば、今ここで求められているのもそういう意味合いのことだろう。
 
 だが……おい、マジでこいつは、冗談じゃねぇぜ。
 決闘で戦って勝ったからって、その相手を処刑し、血を飲み干せなんて言う趣味の悪ィ事に付き合ってられるかってんだ。文化の違い? 知ったこっちゃねぇぜ。それを言うならこの南方人ラハイシュの奴隷に、そんな文化があるとはとても思えねえしな。
 
 しかし、周りのリカトリジオス兵たちは、殺せ殺せの大騒ぎ。全く、文字通りにさかりのついた犬の群れのようだ。冷や水ぶっかけた程度じゃ収まりそうにない。
 “不死身”のタファカーリの側にいた別の奴隷の南方人ラハイシュが、見たまんま死んだ魚みたいな目をしながら近付いて来て、両手に掲げた爪のような形のナイフを俺へと差し出す。武器というよりはむしろ儀式用のナイフだろう。いや、むしろ処刑用ってところか。
 タファカーリは満足げに頷いて、俺へと期待の籠もった目を向ける。
 
 この流れで、ただこの奴隷を助けるだなんて事を言やあ、次に引き裂かれるのは俺の方だ。
 まだ早朝の、爽やかな青空の下、犬獣人リカート達の興奮した声がわんわんと響いてる。
 
 俺はその爪のような形のナイフを受け取る。それを握り、軽く持ち手の具合を確かめながら逆手に構える。
 くそったれどもめ。そんなに血が見てえんなら、ああいいぜ、見せてやるよ。
 
 その爪先のようなナイフの切っ先が、皮膚を切り裂き、鮮烈な血の匂いを放ちながら砂地を赤く染める。
 興奮、歓声は次第に小さくなり、ざわめきと戸惑いの反応が広がってゆく。
 
「一人目、一人目だ。こいつは最初の一人目だ」
 爪先のようなその儀式用ナイフで、自ら傷つけた自分の左腕の傷を見せつけるように高く掲げながら、拙い犬獣人リカート語で俺はそう宣言する。
 
「死霊術師、俺の仲間、五人、殺し、操り、俺と戦わせた。
 あと四人、ツルツル肌にんげん奴隷、俺と戦わせろ。
 その全て、俺は勝つ。そして、負けた奴隷を、俺の奴隷にしろ。
 そいつらを死霊術師と戦わせる」
 
 しばらくの間。
 ざわめきどよめきは、次第にまた興奮した歓声へと変わってゆく。

「……よかろう、猫獣人バルーティの勇士よ! 
 お前のために選りすぐった奴隷を、今すぐここへ連れてきてやろう!」
 
 周りの歓声を受け続け、タファカーリは再びそう宣言。更なる興奮の渦の中、俺は自分のついたこの嘘をちょっとばかし後悔する。
 この後さらに、犬獣人リカート好みの真っ向勝負で4連戦……こりゃ、けっこうキツイぜ。
 
 ▽ ▲ ▽
 
「本当に、すごかったです……」
「うむ……あれは、まさに勇士と呼ぶにふさわしい戦いぶりであったぞ。貴様もやれば出来るではないか!」
 天幕へと戻ると、ルゴイ、カリブルの二人が口々にそう言ってくる。
 
「糞……! 冗談じゃねえぜ。あんな面倒でしんどい戦い、二度としたくねえ」
 本気の本気でマジでそう思う。
 タファカーリは「選りすぐった奴隷たち」なんて言っていたが、正直最初に戦った大男に比べれば残りの四人はそれほどでもない。一人はおそらく日に焼けたクトリア人。あとの三人は南方人ラハイシュだったが、体格、技術、どれをとっても最初の一人には及ばねえ。
 もちろん、例の入れ墨の加護なんてのもありゃしない。
 
 で、今その五人の奴隷たちが、この天幕の隅に立たさせられている。
 勝ったら俺の奴隷にして死霊術師と戦わせる、なんて宣言したもんだから、まあ当然そうなるわけだ。
 これまた、面倒なもんを背負い込んじまったもんだぜ。
 だが……。
 
「よう、おめーらにちっとばかし……、あー、色々聞きたい事がある。かまわねーよな?」
 情報収集、て意味じゃあ、重宝出来る存在でもあるぜ。
 
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