遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~

ヘボラヤーナ・キョリンスキー

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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!

3-209. J.B.(132)Strutter(スタスタ街ブラマン)

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 結構豪華だっただろうに味などほとんど感じる余裕の無かった海産物主体の朝食を終えると、ヴェーナは「後で闘技場の貴賓室まで来るように」と言って立ち去っていく。俺は一旦あてがわれた部屋へと戻り、全ての荷物を身につけ準備してから闘技場へ。水路の多いプント・アテジオらしく、やや大きなゴンドラのような移動用の舟が用意されていたが、これは丁重に断り歩いて向かう。歩く、というか、まあ身体を温めておく意味も兼ねた軽いジョギングってところ。
 もちろん、ただ身体を使うのが目的じゃ無い。闘技場とその周辺の地理、また闘技場内部の構造をきちんと把握しておくためだ。とにかく俺の予定としては、ガンボンとの試合が終わった後にどういうタイミングで仕掛けるかは別として、“漆黒の竜巻”を奪い去る……て事になる可能性がある。そうなりゃタロッツィ商会の連中ともぶつかり合うかもしれねぇし、逃げるにも戦うのにも、周囲の構造は把握しとくに越したことはない。
 町中に関しちゃ昨日も下調べはしたが、朝に地べたを歩いて見回せば、夜の空から見たのとは違う発見もあるだろう。
 
 町中は闘技会の開催日と言う事もありなかなかの賑わいで、ちょっとしたお祭り騒ぎだ。目抜き通りの商店街じゃ、いろんな店が土産物やら食い物も売っているし、大道芸人なんかもうろちょろしてる。
 その分、衛兵も見回りを強化しているようで、喧嘩騒ぎやスリ、かっぱらいがそこかしこで取り押さえられたりもしている。
 
「おい、そこの」
 突然そう声をかけてくるのは、衛兵の格好をした二人組。そういえば、と思い出す。忘れかけていたが、俺みたいな南方人ラハイシュは、このプント・アテジオじゃ珍しいんだ。
 まあ、闘技場に入るための通行証代わりにと、代官の館を出るときに渡されたカナーリオ家の紋章入りの首飾りがある。曰く、これを見せればこの町の中ならたいていの事は問題ない、と。
 
 その紋章入り首飾りを見せつけるようにして、声をかけてきた衛兵たちへ向き直ると、背の高い方の衛兵が俺の腕を掴み、そのまま裏路地へと引きずり込む。
「お、おい待て、この首飾りを見ろよ……!」
 慌ててそう声を上げると、その口を手で塞ぎつつ、
「しー……、しー……、静ーーかに……、ね?」
 と、まるで子供をあやすように言うのは“闇エルフ団”のブリジッタ。
「その様子じゃ……首尾よくいった、とみて間違いないな?」
 とは、もうひとりの衛兵の格好をしたマシェライオス。
「……たく、お前たちか。脅かすなよ。
 まあ、例の魔術具の設置は問題ない」
「設置“は”?」
「耳聡く聞いてんな。あー、そうだ。設置自体は問題なく済んだが、戻ろうとしたところを“漆黒の竜巻”に捕まって、危うく代官の館の地下室で拷問にかけられ殺されるとこだったぜ」
 昨晩地下室で作られた死体は三つ。だが、そいつらの代わりに俺が死んでたとしてもおかしかなかった状況だ。
「なんだと……?」 
 マシェライオスの声に殺気が滲み、
「おい待てっての。あのな、もし俺がお前らの事をバラしてたとしても、それで自由の身になるなんてことありえねぇだろ? あのヴェーナ本人まで出て来たんだ。バラしたところでそのまま殺されてたか監禁拷問されてたぜ」
「……ならば、どうしてその難を逃れた?」
「かなり危うい賭けだったが、俺はクトリアに来ていたグレタ・ヴァンノーニとヴェーナには何らかの繋がりがあるって所までは掴んで居たんだ。だから、そのグレタから伝言を届けに来たメッセンジャーのフリをした」
 そう言うとマシェライオスは眉根を寄せ考え込むように、
「あのヴァンノーニ商会の……?」
「ああ。アリックから聞いてねぇか? 俺たちクトリアの探索者は、発掘した遺物をグレタ・ヴァンノーニの『銀の閃き』に卸してたんだよ。今は違うけどな」
「そのグレタがどうヴェーナと繋がっているんだ?」
「問題はそこだ。繋がりがあるって事だけははっきり分かったが、どこまでの繋がりかってのがよく分からねぇ。だがそれでも、ヴェーナは俺がグレタからの伝言役だってことに関しちゃ信じたみてーだぜ。だからこの後、闘技場で一緒に試合を見ようてなところまで誘われちまった。助かりはしたが、ちょっとばかし身動きがとりにくい」
「なんだと!?」
 おっと、かなりの食いつきだな。
「待て待て、最初の取り決め通りだ。俺に妙な真似をさせようとするんじゃねーぞ? 絶対にそれは無理だ、成功しねぇ、間違いなく失敗する。正直、生きて帰れるかだってまだ怪しいんだからな」
 たまたま、偶然、なりゆきで、同じ部屋に入れる機会が手に入ったからって、暗殺しろだの、ヴェーナを人質にとれだのみたいなこと言われたところで、上手くいくワケがない。
 だが、マシェライオスの驚き、そして考えはそっちじゃなかったらしい。

「いや、違う違う、そうじゃ……そうじゃない。
 あー……糞!」
 そう呻いて頭を掻き、それから、
「いいか、もしヴェーナと居るときに何かあっても、お前は何もするな・・・・・」 
 何もするな? そりゃ……、
「どーゆーこった?」
「とにかく、加勢も手助けもしないで良い。全く無関係同士、知らぬ存ぜぬを貫き通せ。あと、出来れば何かしらで顔でも隠しておけ」
 は? またまたさらにどーゆーこった? な言葉だ。
「───まあ、良く分かンねーが、お前らの計画と何かしら関係のある話……って事だよな?」
「それ以上は言えん」
 まあその回答拒否という回答が、既に雄弁な答えでもあるわな。
 
 そこでふと思い出し、
「あー……それとよ。お前たちの仲間に、隠密上手な獣人種の奴は居ねーか?」
「いや。隠密云々以前に、俺達の中に獣人種のやつは一人もいない。今、ヴェーナ領ではあまり獣人の奴隷は居ないからな。タロッツィ商会辺りの奴隷兵、奴隷闘士には何人か、後は奴隷鉱山とかには居るが」
 まあそうだろうとは思ったが、昨晩俺の部屋に忍び込んできた奴は闇エルフ団とは無関係のようだ。
「何だ、それは?」
 マシェライオスのその問いに、俺は掻い摘まんで昨夜のことを話す。
「……またここに来て厄介な話だな」
「そいつの目的が何か分からないが、奴の言った言葉が嘘やひっかけじゃないってーんなら、少なくともヴェーナや代官に味方する奴ではない……かもしれねぇよな」
「だが不確定要素だ……。ヴェーナや代官の味方ではないとして、だからって俺たちの味方とは限らん……」
「ああ、お互い十分用心が必要だ」
 俺個人の状況もかなりややこしく面倒くさいものになってるが、周りの状況、思惑もかなりややこしい。
 
 マシェライオス達と別れ、ついでにちょっとばかし露店で買い物なんぞをしながら闘技場まで。紋章入り首飾りを見せると、通達があったようですんなり入れる。
 案内図なんてモンは無いから、係の人間に大まかな構造を聞いてから歩いて確かめる。もちろん関係者のみの区画には入れないが、だいたいの構造は把握出来た。
 正面の入り口は北側で、水路の船着き場と橋を渡っての広場。そこから円形のコロッセオに似た闘技場に入ると、一般観覧席と二階の上客の席に別れ、さらに個室になってる貴賓席がある。
 一般入り口から真反対の南側には、奴隷闘士たちの宿舎や修練場のある区画があるらしい。上から見た構造としては、円形のコロッセオの上に四角い突起が付いてるような形だ。
 奴隷闘士の宿舎側……か。
 出来ればそっちの構造も把握しておきたいんだよな。さてどうするか……。
 
「なあ、闘士の修練場とかって見学出来ねぇのか?」
「無理に決まってんだろ、バカかお前」
 係員にそう無碍に断られるが、取り敢えず例の代官の紋章入り首飾りを見せると態度が変わる。
「あ、や、こ、これは、た、大変、し、失礼を……!」
 言われていた通り、確かに効果は絶大だ。だが態度は一変するも、中に入るという事に関してはまだ渋っている。
 どういう事かと言えば、まあ代官の客人であることは証明されはしたが、そもそも「部外者を不用意に内部に入れない」と言う決まりは代官のデジモ・カナーリオが作ったもので、係員の連中にとっちゃちょっとした二律背反だ。
 と、そこへあわて気味に割り込んでくる一人の男。
「あ~……! これはこれは、どーもすみません、お待たせ致しまして……!」
 誰だ? と視線を向けると、何とはなしに見覚えのある、似合わない口ひげ……付け髭の、やや間延びした顔の貧相な男。豪華では無いがこざっぱりとした格好で、少なくとも奴隷身分とは思えないなりだ。
「あー……お前は……」
「へへ、アバッティーノ商会の者です。こちらの方、ボバーシオから来られました貴族の使いの方で、新しい取引の為に見学をする手筈になっておりまして、ええ、はい」
 揉み手をしながら係員へと付け届けを渡す。
「そうか、まあ、お前がきちんと案内するってんなら、ま~……問題はないか、うむ」
 そう言う係員を後目に、男に手を引かれて鉄門から先、闘技者達の区画へ入る。
 
「おい、何だお前、こんな所で何やってんだ?」
 確か名前はフォンタナス……。俺がヴェーナ領入りしてすぐに襲いかかってきた奴隷商の奴隷狩り部隊の班長。厳密には、タロッツィ商会が奴隷狩りの手先として利用するため使っていた奴隷兵の一人。
 その後俺と取引をして、タロッツィ商会の司令官ヤコポ率いる本隊を騙討ちにし脱走、そこにアリック率いる“闇エルフ団”連中も関わって……あ~……。
「……ああ、お前は“あっち”に加わったんだっけか」
「そうだよ~、忘れないで欲しいなぁ~」
 ……何だか妙にベタベタした雰囲気になってるな。
「何だお前、そのしゃべり」
「おう、何だい、失礼だな、君は。僕ぁね、こういうのが素なのよ。前はただ年が上ってだけで奴隷兵の班長なんかにされちゃってたから、ちょっとは威厳ある感じとか出さなきゃならないってんで、無理してたんだからね」
 まあ実際戦ってたときの動きやら、本隊に戻ってからの報告での思い付きデタラメでヤコポを騙せたところからも、確かにコイツは戦士、兵士ってなガラじゃなく、商人の下働きでもしてる方が似合うっちゃあ似合う。

「それよりも、兄さんがこっちの作戦に絡んでくるなんて聞いてなかったからね。いきなり来るんだもん、びっくりしちゃったよ。事前に連絡ちょうだいよ。報告、連絡、相談、大事よ?」
「いや、さっきマシェライオス達に偶然会ったが、他人同士知らぬ存ぜぬで関わるな、と釘刺されたぞ」
「え!? ちょっと、本当、それ? あららら~……、まずいよ、まずいよ、まずいじゃないのよ? 俺、もしかしてやっちゃいけないことやっちゃった」
「かもな」
「あっちゃ~……」
「まあ良いじゃねぇか。俺は助かったし」
「いやいやいや、僕には良かぁ無いよ!」
 
 まあ間抜けな事この上ないな。
 
「ついでだ。ちょっとばかし中の案内でもしてくれ」
「あ~、もう……、仕方ないなぁ~。まあ、兄さんには助けてもらったお礼もちゃんとしてなかったしね。良いでしょう、やりますよ、やりゃあ良いんでしょ!」
 愚痴っぽくはあるが、切り替えは早いようだ。
 とは言えしかし、俺なんかより遥かに密な協力関係にあるはずのラシードたち偽アバッティーノ商会と、そこと別行動してはいるが共闘関係の闇エルフ団とで、あんまり足並み揃ってねぇってのはちょっと問題だよな。どんな計画かは知らんがよ。
 
 何にせよ、フォンタナスから説明を聞きながら闘技場内部をうろつく。アバッティーノ商会は今結構な闘技者を送り込んでいて、その中にはここでの取引でアバッティーノ商会所属になった奴隷闘士も居れば、フォンタナス同様に闇エルフ団から偽装として送り込まれた者達も居るらしい。
 つまりは潜入工作員だ。

「いいのか? 俺にそういうことまで教えちまって」
「え? まずかった? いや、やめてよ~、変なこと言うのはさぁ~」
 なんだか緊張感がない。
 
「あ、ちょっと待った……!」
 その緊張感のないフォンタナスが、曲がり角で俺を引き止めて壁際に隠れるように張り付く。
「うっへ、タロッツィ商会だ……」
 前から歩いてくる黒を基調とした装束の集団。真ん中数人はおそらく奴隷商だろうが、後に続く半裸に近い衣装の連中は奴隷闘士達か。
「お前、顔ばれでもしてンのか?」
「いやいや、そりゃあ無いよ、無いですよ? 顔合わせたことある奴らも数人いるけど、今は付け髭で変装してるし、そもそもあいつらが奴隷兵にした俺ら雑魚連中の顔なんか覚えてるワケもないでしょ。無いけど……ねぇ?」
「まあ、気持ちは分かる」
「でしょ? でしょ?」
 しかし、みた感じじゃ十分にビビり上がっているようでいて、自分を奴隷にしてた連中の仲間とちょいちょい会うことになる場所に潜入してるんだから、度胸があると言うべきかどうなのか。
 
 とにかく俺は、フォンタナスと肩を並べ、壁際で小さく縮こまりながら道をあける。そう言う俺たちや他の奴隷闘士たちを威圧するかにずらずら歩くタロッツィ商会の中、一際スラリと背の高い“漆黒の竜巻”の姿。
 相変わらず熱も意志も感じられない機械的な歩き姿に、なんとも言えない気分になる。
 だが、すれ違いざまの一瞬、ほんの僅かな一瞬だけ……“漆黒の竜巻”と目があったように感じたのは、気のせいだろうか。

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