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第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
3-241.クトリア議会議長、レイフィアス・ケラー(96)「やりますけど!?」
しおりを挟む「ヤァ、これはこれは」
慇懃な物言いは相変わらずのまま、アジルはヘルヴォラへとそう挨拶をする。仕草だけを見れば、まるで恭しく頭を垂れるかのようだ。
室内には相変わらずベッドに横たわったままのヘルヴォラに、他数人の女性たち。入って来たのはアジルと“災厄の美妃”の持ち手に、マヤと僕。室内にいた女性たちは、この“魔女の谷”に住む女性の中でも、身体的に強い、つまり魔術より武技に優れた者達で、明らかに“災厄の美妃”を警戒してのこと。
家の外にはエンスヘーデと白髪のダークエルフが残り、恐らくはお互いにお互いを監視している。
僕は、どちらに居てもおそらく戦力にはならない。ただ、彼らが何故ここに来たのか。その事を知らずに居るわけにはいかないから、マヤの後ろに隠れるようにしてついて来た。
「君が、新しい“持ち手”か」
ヘルヴォラの言葉は、つまりはアジルの横にいる背の低い猫獣人へのもの。そしてそれはつまり……。
「先代とあなたとの間で起きたことは、非常に残念な事故でした。
改めてお詫びをさせていただきます」
そう返すアジルの言葉に、周りの女性たちは忌々しげに睨む。
“災厄の美妃”は呪われた武器で、その“持ち手”を次々と変えていく。アルバ、テレンスらとの話では、“血の髑髏事件”の頃には別の“持ち手”だったとも言う。ならば、ヘルヴォラ、または彼女たち“3人の魔女”は、その“血の髑髏事件”に関わっていたとでも言うのだろうか?
「だとすれば、ずいぶんと……ゆっくりとした来訪だね」
「何せ、こちらへと来れる“鍵”はありませんので、“預言”にて知れた“割り込み”の出来る時期を待っておりました」
ヘルヴォラへとそう返すアジルの言葉を素直に解釈するのなら、彼らはなんらかのかたちで“預言”というものを得て、それによって僕がここへの“鍵”を作り、帰還する時期を事前に把握していた……ということになる。
そしてそれを利用して、“割り込み”をしてここへと来た。
「仕方ない。こちらも招待状の宛先を知らなかったからね」
感情の読めないアジルの言葉は、横で聞いてると真剣味もなく軽く聞こえるが、それに応じてかどうなのか、やはり軽い調子でヘルヴォラが返す。
「……それで」
その軽い調子だった声がやや強張って続ける。
「先代の忘れ物は、どうするつもりかな?」
開いてめくられた上着の合わせ。露わになった乳房のその間、胸の真ん中に、赤黒く脈動する塊が浮き上がっている。
部屋の中の全ての者が息をのむ。僕はもちろん、マヤも、他の女性達もだ。だが、アジルは相変わらず感情の動きを感じさせない。そしてその横に立つ“災厄の美妃”の持ち手の猫獣人もまた、わずかに身じろぎをするくらいの反応しか見せてない。
だが、
「……ひでぇモンだな、こりゃ」
誰に言うとでもなく呟くその乾いた声音は、アジルとは別の意味でまた感情を読みにくいのだが、それでもそこには、ある種の苦痛への共感が浮かんでいる。
禍々しい、痛々しい……そう言う感情を引き出さずにはいられないほどに、その乳房の間に浮かびあがった赤黒く脈うつそれは、不穏でありまた無残に見える。
それが一体何で、彼ら……アジルと“災厄の美妃”の持ち手は何をしに来たのか?
おそらくは僕以外の全員が知っているだろう事だが、とは言えそれを口に出して聞ける状況ではない。
「さて、はじめにも言いましたが、我々には皆様と敵対する意図はありません。それは我らにとって何一つ益をもたらすものではありませんからね。
そしてかつての過ちによる遺恨も解消したい。ですので───」
一歩、そこで一歩前へと歩み出る“災厄の美妃”の持ち手の猫獣人。
構え、緊張するマヤに周囲の女性たち。
けれども猫獣人はそれらの反応にはまるで頓着せず、しかし苦しげに小さく呻いたかと思うと、ヘルヴォラと同様の赤黒く鈍い明滅がその心臓部分から浮かび上がる。
その心臓の上、突如として現れる闇のごとき黒い物体。
それは、あまりにも歪で、醜悪な、まるで巨人が悪ふざけをしてぐにゃりと闇を丸めて捻った板のようだった。
その歪な黒い塊は、赤黒く鈍い光を明滅させながら、放電するようにヘルヴォラの胸へと光を放つ。
苦悶の表情と嗚咽。やにわに動き出す女性たちに、すでに“災厄の美妃”の持ち手の背後へと回り込んで手にした短剣を突きつけているマヤだが、それらを右手を上げて押し止めるのもまたヘルヴォラだ。
「いけませんよ。途中で止めれば、それこそ命に関わります」
やはり緊迫感の伝わってこない声のアジル。だが“災厄の美妃”の持ち手である猫獣人は、ヘルヴォラ同様に苦しげにも見える。それも当然だ。彼とヘルヴォラを繋いでいるのは膨大な魔力の奔流。おそらくは魔力を感知出来ない、また感知出来ても僅かという者には感じ取れないかもしれない、静かだが暴力的なまでの魔力の嵐のただ中、平然としているのはアジルただ一人。
その嵐のような魔力が最高潮に達したとき、突然ヘルヴォラの胸の真ん中が、大きく膨らみ破裂した。
舞い散る薔薇の花びらのごとき赤黒い血が、スローモーションのようにゆっくりと辺りに飛び散る。
けれどもそれは錯覚。現実にはそんな事は起きていない。起きたのは魔力の塊のような赤黒い物体が突然そこに現れ、“災厄の美妃”の持ち手が手にしていた禍々しい歪な黒い塊へと吸い込まれ、消えたこと。
そして───静寂。
聞こえるのは“災厄の美妃”の持ち手の猫獣人と、ベッドの上で這い蹲るかにつっぷしているヘルヴォラの荒い息のみ。
ヘルヴォラの元へ駆け寄るマヤに、やはり警戒しながらもそろりベッドサイドへ集まり様子を窺う僕を含めた女性たち。
両膝に手をやり上体が崩れ落ちるのを防いでるかの“災厄の美妃”の持ち手の猫獣人は、荒く吐き出される息をなんとか落ち着かせ、
「終わり、だな、これでよ?」
と、横に立つ長身の蜥蜴人へ。
「ええ、問題なく」
アジルはそう答え、それから再びヘルヴォラへと向き直って、
「忘れ物はこれで回収出来ました。お互い、利になる取引だったと言えるのではないでしょうか?」
と言う。
そこに、ヘルヴォラの横で立ち上がったマヤは、
「忘れるな。エンファーラの獄炎は、いつでも貴様等の喉元へと伸びる事を」
と返す。
それに答えるようにして長身の蜥蜴人はゆっくりと恭しく頭を下げると、
「ええ、十分に理解しております」
そう言って、“災厄の美妃”の持ち手の猫獣人と共に退室をした。
◇ ◆ ◇
嵐のようなその出来事から翌日。改めてまた再びこのヘルヴォラの居室へと呼ばれての話し合い。
「どう、調子は?」
「いや、それこっちの台詞ですって……!」
昨日の出来事が何だったのか、その後どうなったのか……。あの直後に部屋へと入ってきたエンスヘーデとその他治癒術の使える女性たちに、呆然としへたり込んでいた僕はそのまま追い出され、エルマー等に以前も貸してもらっていた別の家の客間へと案内され、荷物を下ろし食事や風呂などを頂いて落ち着いてから一晩。朝になりまたエルマーや他の女性達と食事をして、昼前に来るようにと伝言されここにいる。
「あの、とにかく……大丈夫なんですか?」
ストレートにそう聞く僕に、相変わらずベッドに横たわったままではあるものの、声の調子からも分かるくらいに“大丈夫”な様子で、
「困ったことに、すこぶる順調」
と微笑む。
順調なのは実に喜ばしいけど、何故なのかはさっぱり分からない。頭の回りにはてなマークを飛ばしまくってる僕に、これまた穏やかな笑みで語り始めたのは、やはりなんとも飲み込み難い話だった。
「“災厄の美妃”の破片……ですか?」
「そう。昨日の彼ではなく、先代の持ち手、……真っ黒な豹のような猫獣人に一度刺された事があってね。その時、危うく難は逃れたけれども、“災厄の美妃”の一部が私の中に残されてしまった」
“災厄の美妃”の持ち手の猫獣人が近付くと、ヘルヴォラの胸の真ん中と、持ち手の心臓の辺りとが、まるで共鳴するかにして赤く脈打ち、鳴動し始めた。そして双方が強大な魔力で繋がり、それから……。
「あなたの中にあったその破片が、彼の手にしていた“災厄の美妃”へと吸い込まれて行った……」
「“災厄の美妃”に限らず、神々の齎した魔導具の多くは、物質であって物質ではない。破片もまた同じく、だよ。
アレは私の体と魂の奥へ入り込み傷つけ苛んできたけれども、戻る際に現実の肉体を傷つけることは無かった」
何故なのか?
「恐らくは、“災厄の美妃”の意志……だろうね」
破壊と滅美を望む“辺土の老人”グィビルフオグ。その混沌の神がこの世へ齎したとされる“災厄の美妃”が、命を奪うことを望まずに元へと戻ったと言うのはなかなかに信じ難い話でもあるが、実際そうなっている以上確かにそうなんだろう。
けれども、
「そうなるという事が分かっていたんですか?」
「いや。そうなる可能性は高いとは思っていたけどね」
ならば、死ぬ可能性もあったのか。
「もし死んでたら、君が私の跡を継いでたかもね」
「……二代目襲名、みたいに言わないで下さいよ」
“蜘蛛の女王の使徒”であると言う彼女の後継者になる、というのは、さすがに全然心の準備は出来ていない。
「ただ……」
それまでと変わって、やや声の調子を落としてヘルヴォラは続ける。
「“災厄の美妃”の破片が取り除かれた事で、私は回復しつつある。けどそれが“良かった”事と言えるかと言うのは……難しいところだ」
自嘲してるかの響きに、眉間に寄った僅かなしわ。
「だーかーらー、そんな事は気にしないの」
横からそうたしなめるのはエンスヘーデ。
「そうも言えないよ」
返すヘルヴォラの声はやはり低く悩ましげだ。
「何が問題なんですか?」
どうにも気になりそう聞くと、
「……“災厄の美妃”は失われたパーツを取り戻した。つまり、完全な形になったという事だ」
つまり……、
「今まで以上の脅威となりえる……?」
「そう言うこと」
今のところ、確かに僕らの知ってる範囲では、“災厄の美妃”の新たな持ち手が、大規模な破壊や滅日を齎したと言う話は入ってきていない。先代が“血の髑髏事件”に関わっていただろうと言うのが推定されては居るが、代替わりして後はほぼ消息不明。
もちろん、そもそもが社会の裏側で暗躍するのが“災厄の美妃”の持ち手の本分なので、ただ単に僕らの情報網に入ってきてない、というだけかもしれない。いや、多分その可能性の方が高い。
けれども、その“災厄の美妃”が、失われていた破片を元に戻し、より完全な形へとなったというのは……確かに予想もつかない恐ろしさがある。
だが、それもまたただの推測でしかない。実際のところどういう変化があるのかなど分かりっこないのだ。
「彼らの……」
“災厄の美妃”が完全になることがどういう影響として現れるのか。それが分からないのには大きな理由がある。
「彼らの目的は、何なんでしょうか……?」
持ち手と思われる猫獣人の前世のことはアルバが知ってる。この世界で記憶を取り戻し、また王国軍によるクトリア解放、邪術士専横時代の王都から脱出した頃のことはテレンスが知ってる。そして、その後南方でどうしていたかは、スナフスリーやロジウス・ヴォルタスから多少は聞ける。
だがそれらから組み立てられる人物像は、歴史の裏で暗躍する“災厄の美妃”の持ち手と言うイメージとはいまいち結びつかない。
どうやらリカトリジオス軍の残り火砂漠制圧なの流れで拠点としていた農場を失ったらしい……とまでは分かっているが、それ以降は全く動向も掴めない。
彼ら……せめて、彼の目的さえ見えてくればもう少しハッキリとするのだけども……と考えるが、
「そればかりは、そうは分からないな」
とヘルヴォラは言う。
「女王の運命の糸車からは、分からないのですか?」
運命を操り、また広大な織物のように編み上げられる女王の蜘蛛糸から未来をある程度予測するという“蜘蛛の使徒”にはもっと分かっているのでは、と訊ねるが、
「前にも言ったが、あれは未来予知じゃあない。そしてだから、“蜘蛛の女王”の紡ぐ未来予想図とは無関係な事柄はそもそも現れない。他の神々の思惑などは特にね」
蜘蛛の女王ウィドナは、運命を紡ぐ神とは言われているが、あくまでもその時点で描き得る運命を紡ぎ出した糸で描くだけで、確定された運命を見通すわけではない……。
そう、箱の中の猫が生きているか死んでいるかは、結局は箱を開けるまでは分からないし確定もされていないのだ。
「───だから、垣間見れるその運命の糸車により紡がれた蜘蛛糸、それらの織り成すあでやかな布地の文様を読み解き、そこから“物語”を浮かび上がらせて語り直す者……語り部の力が必要になる」
柔らかな、穏やかなままの眼差しを、射すくめるでもなくただ僕へと注ぐヘルヴォラだが、その目の奥には言いようもなく抗い難い強い意志のようなものを感じる。
「蜘蛛の女王の8人の使徒はね」
話をそう引き継いで続けるのはエンスヘーデだ。
「実際のところ常に8人揃ってるとは限らないし、役職もそんなに固定化されてないの。
同じ役職が複数人に分担されることもあるし、1人が幾つかの役職を兼任することもある。場合によっては8人以上になることもあるわ」
え、それで何故8人の使徒、と指定されてんの? とか思っちゃったけど、ああ、蜘蛛の足の数か、と気づく。
「これまでは、私が門番と語り部を兼任していた。だが、“災厄の美妃”の破片を身体に受けて数年……私の力はかなり弱まり、死なずとも今生ではもはや使徒としての役目を全うすることは叶わぬかもしれない」
ヘルヴォラのその言葉は、静かで落ち着いてはいるものの、内容は決して軽くはないだろう。
「だから───君を我が“子”として受け入れ、門番としての役目を半分ほど担ってもらおうと思っている」
だが、続くその言葉は、今度こそ容易に受け入れ難い話だ。
「え、ちょ、ちょぉっと、え? 話、早くない?」
慌てる僕に再び微笑み、
「そう気にする必要もない。いずれは、自然となるようになる」
いやいやいや、そんなぼんやりした答えでは納得出来ませんよ? そもそもその、門番の役目って何よさ?
「まず、そう遠くないウチにあなたにお願いする事があるわ」
僕の混乱などまるで意に介さず、エンスヘーデがまた続ける。
「語り部たる資質を持つ者……未だ覚醒する気配もないその者を、見いだし手伝って欲しいの」
「いや、その、それ自体はまあ、場合によりますけど、それはそれで良いですよ。けど、その前に色々と……とにかく分からないことだらけなんですけど?」
やや早口気味にそうまくし立てる僕。
「───マリィ・ヴォルヘンガルドの娘……」
素知らぬ顔でそう続けるエンスヘーデ。
「聞き覚えはある?」
「いや、無いですよ。初耳です。初登場です。突然です、ええ」
「アナタの疑問にはおいおい答えるわ。けど、アナタは既に僅かではあるけど彼女とは関わってはいるの。
マリィ・ヴォルヘンガルドは昔の名前で、今は変わってるから、すぐには分からないでしょうけどね」
そうなの? 直接会ってる? 直接は会ってない?
「───ま、とにかくだから、君には今のうちにどうしてもやっておいて貰わなきゃならない事がある」
えー、強制? 強制クエスト? いやまあ、確かにここまでかなり色々諸々、無償でかなりの世話にはなってますので、そりゃあ断れませんけどもね。
「たいした事でもないよ。どうせ君の“本来の時間軸”へとなるまでまだ時間はあるだろ?
その間の暇つぶしだと思っておけは良い」
まあ、よっぽどの事でもなきゃやりますけど!? でも、よっぽどの事は嫌ですからね!?
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