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第15話
ジェフリーはクレメンスの誘導のもと、鷲見城にいた騎士団員と二人の浄化師とともに、暗闇の中を馬を駆り、走り抜けた。
土の精霊ヴァグはいない。
王都にいるイーノックに救援を求めるため、ヴァグを送ったからだ。
そんなわけで今戦闘の最前線が分かるのは、クレメンスの遣うガイゼの導きによるものだった。
三時間ほど進み……ふと、風の匂いが変化したのを感じた。
すると次の瞬間、光の精霊ベリモルが淡い光となって姿を現した。
「ベリモル!
先を照らして!!」
ジェフリーの言葉のまま、暗い草原に一筋の光が走る。
その光の道の先に、蠢く影が見えた。
浄化師の一人も、炎の精霊を先に走らせる。
物理的な攻撃能力を持たない彼らは、背後から魔物の集団に向け炎による遠隔攻撃に従事するのだ。
しかしジェフリーは違う。
彼は剣を片手に魔物と闘う騎士団の面々とともに戦場へと駆け抜けた。
血の匂いと、あらゆる魔物の混在した穢れの臭いが漂っている。
その匂いに思わず吐き気を催したジェフリーだが、自らの魔力を使って空気を払い、匂いを遠ざける。
ジェフリーらの到着とともに、前線へと回り込み、長時間の戦闘で疲弊した兵らを下がらせる。
ドリューのお陰か、死者が少ない。
ジェフリーは周囲を見渡してリチャードの姿を探したが、見つからなかった。
やがてそんな余裕もないほどの魔物の大群と、ジェフリーは対峙した。
傍らにいるベリモルの助けを借り、光を屈折させて味方の居場所を誤認させる。
ただしこれは、匂いで敵を判別するオークには少々弱いが、多少のタイムラグを与えるには十分だ。
そして戦闘とは、一瞬のタイムラグが生死を分けるものだ。
しばらくするとドリューが傍らに戻った。
しかし、攻撃力の強いキャストとルドーがいない。
血糊がつき、激しい戦闘に一部が欠けた剣を補うため、水の魔力をまとわせその水刃で魔物を切り裂く。
ジェフリーが剣を振るうたびに、水しぶきが上がった。
ジェフリーは魔物を森に追い帰す様に、湿原の罠を張り、少しずつ魔物を追い込む。
そこで役立ったのは、水と親和性の高い光のベリモルだ。
鏡の様に視線を遮断し、湿地を隠しているため、魔物たちは知らぬうちにぬかるみに足を踏み入れる。
足が止まったところで、ドリューの水の鋭い刃が魔物の首を刎ねた。
それにしても、ヴァグはまだか。
じりじりとした思いが募る。
少しずつ、騎士団は後退していた。
騎士団がしているのは所詮、先鋒の勢いをそぐことだけだ。
大量に発生した魔物たちは倒しても倒しても尽きることが無い。
負傷して少しずつ数を減らす騎士たちと違って、魔物たちは勢いを増して進軍する。
だから、彼らを滅するには、それなりの仕掛けが必要……。
「陛下……300年前と500年前、魔物の大量発生が起きたことはご存知でしょう。
周期的に言えば、今いつ起きても不思議はない。
備えが必要です……」
ジェフリーは魔法宮長官就任以来、王家の者たちにそう訴えていた。
しかし彼らの反応は薄く……。
むしろそんなことを考えるより、王太子か第二王子に嫁ぐが良いと勧められたほどだ。
それで仕方なく、ジェフリーは誰の助けも借りず魔法宮だけですべてを勧めた。
魔法宮が予算を食うと揶揄されたのはそのせいだ。
孤軍奮闘で頑張った挙句のことだ。
ジェフリーの心は折れた。
正直、何もかも嫌になった。
そんな時に、騎士団の募集に遭遇したのだ。
あの時彼らは何と言ったか……エルファンガの境界線に守られている今、そんな心配は杞憂だと。
それよりも王家の子供を産め、増やせと言われた。
彼らはしょせん、オメガは子供を産ませる道具としか思っていないのか……。
だが、起きた。
起きたではないか。
魔物の大量発生は、起きた。
私が正しかった。
だけど、それがどんなに正しくても、心は晴れない。
こんな風に起きていいはずはない。
これではまるで、私に対する罰ではないか。
私が職務を全うしなかったせいで魔物の大量発生が起きてしまったような、そんなうしろめたさを感じる。
何よりリチャードをこんな危険な目に会わせるなんて……。
リチャード、無事でいて……。
ジェフリーは祈るように、奥へ、奥へと進んだ。
「はぁっ、はぁっ」
息が上がる。
切っても切っても奴らは尽きない。
いつの間にかみんなとはぐれてしまった。
だが俺を、何かが守っている。
そう感じる。
ハイオークたちは相当に鼻が利く。
なのに奴らは物陰に隠れる俺に気付かなかった。
戦闘中、風が激しく通り抜ける。
その風に足を取られて、魔物たちが動けなくなる。
俺はそいつらに止めを刺すだけ。
だが本当に骨が折れる。
いつの間にか、魔物に囲まれている。
戦いの最中、闇の中で方向をうしなってしまった。
知らず知らずに森の中へと進んでしまったらしい。
俺は……死ぬ?
このまま?
ジェフに……ジェフリーに会えないまま死ぬのか???
もう、腕が限界に来ている。
魔物たちは怪力だ。
長時間の戦闘で、俺の握力と腕力は限界に来ている。
命があるのが不思議。
だが少しは望みがある。
何かが守っている。
風が背中を押す。
俺はその導きに従い、進むだけだ。
そして導きの先に、俺はジェフリーの姿を見つけた。
そう、ジェフリーだ。
ジェフリー・レブルの輝く銀の髪は見間違うはずがない。
そして彼が振るう、本格的、正当な剣筋は、ジェフ・アドルのものと同じ……。
ジェフ……やっぱりジェフリーだった。
俺は最後の力を振り絞り、ジェフリーへと向かって歩き続けた。
ジェフリーはようやくに視線の先にリチャードを見つけた。
だが疲弊の色が濃い。
ルドーが周りを守っているが、リチャードはもはやジェフリーしか見えていないように、魔物のただ中を歩いている。
いくらなんでも無茶だ。
ルドーでも防ぎきれない。
ジェフリーは必死にリチャードに近づこうとするが、間には100を超える魔物の塊が阻む。
そんなただ中を、リチャードは歩く。
足を引きずりながら、必死に。
「ベリモル!
彼を隠して!!
早く!!!」
だがほんの一瞬、遅かった。
リチャードはジェフリーの見ているその前で、オークに剣を突き立てられ、どう…と、地に伏せた。
「嫌だ!
嫌だ!
リチャード!!!
ドリュー!!
ドリュー!!!
彼を助けて!!!!」
ジェフリーがそう叫んだ時、エルファンガの境界線がまばゆい光を放った。
それこそ、ジェフリーが魔法宮の面々と成し遂げたしかけ。
ジェフリーが計画し、あらゆる場所に張り巡らされた、強固な魔法の仕掛けを、イーノックが発動させた。
一瞬にして、炎の結界がエルファンガの境界線を覆い尽くし、魔物たちを分断する。
浄化の炎が燃える。
大地の力を用いた、消えない炎。
炎によって分断された魔物は、途端に勢いを失った。
次々と騎士団員に駆逐され、数を減らす。
ジェフリーはリチャードに駆け寄る。
即死ではないが、ひどい重傷を負っている。
「ジェ……フ……?
ほ……ら、俺の思った……と……り」
「リチャード、嫌だ!!
死ぬな。
愛してるんだ!!
逝かないでくれ!!」
ジェフリーは涙を流し、リチャードの体を抱きしめる。
ドリューがリチャードの体に、必死に癒しの力を注いでいる。
「ジェフ……」
リチャードはそう呟くと、すっと目を閉じた。
「リチャード!!
起きて!!
リチャード!!!」
ジェフリーの腕の中で、リチャード・ブレスコットはゆっくりと意識を手放していった。
土の精霊ヴァグはいない。
王都にいるイーノックに救援を求めるため、ヴァグを送ったからだ。
そんなわけで今戦闘の最前線が分かるのは、クレメンスの遣うガイゼの導きによるものだった。
三時間ほど進み……ふと、風の匂いが変化したのを感じた。
すると次の瞬間、光の精霊ベリモルが淡い光となって姿を現した。
「ベリモル!
先を照らして!!」
ジェフリーの言葉のまま、暗い草原に一筋の光が走る。
その光の道の先に、蠢く影が見えた。
浄化師の一人も、炎の精霊を先に走らせる。
物理的な攻撃能力を持たない彼らは、背後から魔物の集団に向け炎による遠隔攻撃に従事するのだ。
しかしジェフリーは違う。
彼は剣を片手に魔物と闘う騎士団の面々とともに戦場へと駆け抜けた。
血の匂いと、あらゆる魔物の混在した穢れの臭いが漂っている。
その匂いに思わず吐き気を催したジェフリーだが、自らの魔力を使って空気を払い、匂いを遠ざける。
ジェフリーらの到着とともに、前線へと回り込み、長時間の戦闘で疲弊した兵らを下がらせる。
ドリューのお陰か、死者が少ない。
ジェフリーは周囲を見渡してリチャードの姿を探したが、見つからなかった。
やがてそんな余裕もないほどの魔物の大群と、ジェフリーは対峙した。
傍らにいるベリモルの助けを借り、光を屈折させて味方の居場所を誤認させる。
ただしこれは、匂いで敵を判別するオークには少々弱いが、多少のタイムラグを与えるには十分だ。
そして戦闘とは、一瞬のタイムラグが生死を分けるものだ。
しばらくするとドリューが傍らに戻った。
しかし、攻撃力の強いキャストとルドーがいない。
血糊がつき、激しい戦闘に一部が欠けた剣を補うため、水の魔力をまとわせその水刃で魔物を切り裂く。
ジェフリーが剣を振るうたびに、水しぶきが上がった。
ジェフリーは魔物を森に追い帰す様に、湿原の罠を張り、少しずつ魔物を追い込む。
そこで役立ったのは、水と親和性の高い光のベリモルだ。
鏡の様に視線を遮断し、湿地を隠しているため、魔物たちは知らぬうちにぬかるみに足を踏み入れる。
足が止まったところで、ドリューの水の鋭い刃が魔物の首を刎ねた。
それにしても、ヴァグはまだか。
じりじりとした思いが募る。
少しずつ、騎士団は後退していた。
騎士団がしているのは所詮、先鋒の勢いをそぐことだけだ。
大量に発生した魔物たちは倒しても倒しても尽きることが無い。
負傷して少しずつ数を減らす騎士たちと違って、魔物たちは勢いを増して進軍する。
だから、彼らを滅するには、それなりの仕掛けが必要……。
「陛下……300年前と500年前、魔物の大量発生が起きたことはご存知でしょう。
周期的に言えば、今いつ起きても不思議はない。
備えが必要です……」
ジェフリーは魔法宮長官就任以来、王家の者たちにそう訴えていた。
しかし彼らの反応は薄く……。
むしろそんなことを考えるより、王太子か第二王子に嫁ぐが良いと勧められたほどだ。
それで仕方なく、ジェフリーは誰の助けも借りず魔法宮だけですべてを勧めた。
魔法宮が予算を食うと揶揄されたのはそのせいだ。
孤軍奮闘で頑張った挙句のことだ。
ジェフリーの心は折れた。
正直、何もかも嫌になった。
そんな時に、騎士団の募集に遭遇したのだ。
あの時彼らは何と言ったか……エルファンガの境界線に守られている今、そんな心配は杞憂だと。
それよりも王家の子供を産め、増やせと言われた。
彼らはしょせん、オメガは子供を産ませる道具としか思っていないのか……。
だが、起きた。
起きたではないか。
魔物の大量発生は、起きた。
私が正しかった。
だけど、それがどんなに正しくても、心は晴れない。
こんな風に起きていいはずはない。
これではまるで、私に対する罰ではないか。
私が職務を全うしなかったせいで魔物の大量発生が起きてしまったような、そんなうしろめたさを感じる。
何よりリチャードをこんな危険な目に会わせるなんて……。
リチャード、無事でいて……。
ジェフリーは祈るように、奥へ、奥へと進んだ。
「はぁっ、はぁっ」
息が上がる。
切っても切っても奴らは尽きない。
いつの間にかみんなとはぐれてしまった。
だが俺を、何かが守っている。
そう感じる。
ハイオークたちは相当に鼻が利く。
なのに奴らは物陰に隠れる俺に気付かなかった。
戦闘中、風が激しく通り抜ける。
その風に足を取られて、魔物たちが動けなくなる。
俺はそいつらに止めを刺すだけ。
だが本当に骨が折れる。
いつの間にか、魔物に囲まれている。
戦いの最中、闇の中で方向をうしなってしまった。
知らず知らずに森の中へと進んでしまったらしい。
俺は……死ぬ?
このまま?
ジェフに……ジェフリーに会えないまま死ぬのか???
もう、腕が限界に来ている。
魔物たちは怪力だ。
長時間の戦闘で、俺の握力と腕力は限界に来ている。
命があるのが不思議。
だが少しは望みがある。
何かが守っている。
風が背中を押す。
俺はその導きに従い、進むだけだ。
そして導きの先に、俺はジェフリーの姿を見つけた。
そう、ジェフリーだ。
ジェフリー・レブルの輝く銀の髪は見間違うはずがない。
そして彼が振るう、本格的、正当な剣筋は、ジェフ・アドルのものと同じ……。
ジェフ……やっぱりジェフリーだった。
俺は最後の力を振り絞り、ジェフリーへと向かって歩き続けた。
ジェフリーはようやくに視線の先にリチャードを見つけた。
だが疲弊の色が濃い。
ルドーが周りを守っているが、リチャードはもはやジェフリーしか見えていないように、魔物のただ中を歩いている。
いくらなんでも無茶だ。
ルドーでも防ぎきれない。
ジェフリーは必死にリチャードに近づこうとするが、間には100を超える魔物の塊が阻む。
そんなただ中を、リチャードは歩く。
足を引きずりながら、必死に。
「ベリモル!
彼を隠して!!
早く!!!」
だがほんの一瞬、遅かった。
リチャードはジェフリーの見ているその前で、オークに剣を突き立てられ、どう…と、地に伏せた。
「嫌だ!
嫌だ!
リチャード!!!
ドリュー!!
ドリュー!!!
彼を助けて!!!!」
ジェフリーがそう叫んだ時、エルファンガの境界線がまばゆい光を放った。
それこそ、ジェフリーが魔法宮の面々と成し遂げたしかけ。
ジェフリーが計画し、あらゆる場所に張り巡らされた、強固な魔法の仕掛けを、イーノックが発動させた。
一瞬にして、炎の結界がエルファンガの境界線を覆い尽くし、魔物たちを分断する。
浄化の炎が燃える。
大地の力を用いた、消えない炎。
炎によって分断された魔物は、途端に勢いを失った。
次々と騎士団員に駆逐され、数を減らす。
ジェフリーはリチャードに駆け寄る。
即死ではないが、ひどい重傷を負っている。
「ジェ……フ……?
ほ……ら、俺の思った……と……り」
「リチャード、嫌だ!!
死ぬな。
愛してるんだ!!
逝かないでくれ!!」
ジェフリーは涙を流し、リチャードの体を抱きしめる。
ドリューがリチャードの体に、必死に癒しの力を注いでいる。
「ジェフ……」
リチャードはそう呟くと、すっと目を閉じた。
「リチャード!!
起きて!!
リチャード!!!」
ジェフリーの腕の中で、リチャード・ブレスコットはゆっくりと意識を手放していった。
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