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ベーレン王子との再会②
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船から降りた後も、体が揺れている感覚が続いていた。
だけどすこしずつ吐き気が収まってきて、ザグリスについて2日目の晩、ようやく最初の食事をとることができた。
「あの……王子……自分で食べれますから」
スープをスプーンで掬い、私に食べさせようと口元に運ぶベーレン王子にそう言うのだけど、王子は首を横に振り、「さ、早く口を開けて…」と譲ろうとしなかった。
仕方なく、口を開くとベーレン王子はにっこりと笑ってスプーンを口の中に差し入れた。
わずかに傾けられたスプーンの中のスープが、私の喉を潤す。
久しぶりの食事は、優しい味がした。
「……おいしい……」
ブーデリアの味とは違うけど、あっさりとしていて飲みやすく、癖がない。
「……もう一口」
ベーレン王子は飽きもせずに何度もスープを掬っては、私に飲ませてくれた。
えっと……。
こんな人だったかなぁ????
もっと気障だったような気がするけど。
なんだかすごく優しい……。
あ、もしかして私が病人だから???
イリアンダも、私が熱を出したりすると急にお医者さん呼んだりしてたっけ。
まぁカルディア兄さんの影武者になってからは栄養状態が良くなって病気になったりしなかったんだけど。
ベーレン王子はそれから時間があれば私の見舞いに来てくれた。
もっともさすがにそれから2日もしたら元気になったのでお見舞いの必要はなくなったんだけど、ベーレン王子は1週間たっても相も変わらず私に会いに来てくれた。
でも訪問の度に美味しいお菓子を持ってきてくれたので、私はベリアモルゼで私の胸を触ったことを水に流してあげることにした。
……決してお菓子につられたんじゃないからね????
その日もお茶をご一緒しながら、頂いたお菓子を食べていた時だった。
ちょうど、ベーレン王子に、いちごとクリームのケーキのお店に一緒に行こうとお誘いを受けたのだ。
たぶん私が食べるのを楽しみにしていたのを、リリアに聞いたんだと思う。
「ホントに連れてってもらえるんですか???」
と、私が目を輝かせていると、ベーレン王子は「じゃぁ、明日の午後に出かけるか?」と聞いてきた。
いちごとクリームのケーキ!!!!
嬉しい……!!!!!
「はいっ!!!
嬉しいです!!!!」
「っ……く!!!
かわ………!!!」
「え……??
王子、何か……???」
「いや……そ、そう言えば、すごく驚いたぞ??」
「へ?」
私は小首を傾げる??
えっと???
「だだだだだだ、だから!!!!」
「はい??」
「顔が……!!!」
え??
何かついてる???
私は思わず、手鏡を出して顔を確認した。
……何もついてないよね……???
「顔が違ったから……!!!!」
「あ!!」
そうか!!
ベリアモルゼで会ったときは、変装してたから!!!
「……でも、その紫の瞳を見て、同じ人だと分かった……」
おお!! なるほど!
「まさか、こんなに綺麗だったなんて……!!!」
………え?
綺麗って……!!!
ははははは、初めてっ!!!
初めて言われたっ!!!!!
ききききき、気障!!!
やっぱりベーレン王子、気障、だ!!!!
だけどすこしずつ吐き気が収まってきて、ザグリスについて2日目の晩、ようやく最初の食事をとることができた。
「あの……王子……自分で食べれますから」
スープをスプーンで掬い、私に食べさせようと口元に運ぶベーレン王子にそう言うのだけど、王子は首を横に振り、「さ、早く口を開けて…」と譲ろうとしなかった。
仕方なく、口を開くとベーレン王子はにっこりと笑ってスプーンを口の中に差し入れた。
わずかに傾けられたスプーンの中のスープが、私の喉を潤す。
久しぶりの食事は、優しい味がした。
「……おいしい……」
ブーデリアの味とは違うけど、あっさりとしていて飲みやすく、癖がない。
「……もう一口」
ベーレン王子は飽きもせずに何度もスープを掬っては、私に飲ませてくれた。
えっと……。
こんな人だったかなぁ????
もっと気障だったような気がするけど。
なんだかすごく優しい……。
あ、もしかして私が病人だから???
イリアンダも、私が熱を出したりすると急にお医者さん呼んだりしてたっけ。
まぁカルディア兄さんの影武者になってからは栄養状態が良くなって病気になったりしなかったんだけど。
ベーレン王子はそれから時間があれば私の見舞いに来てくれた。
もっともさすがにそれから2日もしたら元気になったのでお見舞いの必要はなくなったんだけど、ベーレン王子は1週間たっても相も変わらず私に会いに来てくれた。
でも訪問の度に美味しいお菓子を持ってきてくれたので、私はベリアモルゼで私の胸を触ったことを水に流してあげることにした。
……決してお菓子につられたんじゃないからね????
その日もお茶をご一緒しながら、頂いたお菓子を食べていた時だった。
ちょうど、ベーレン王子に、いちごとクリームのケーキのお店に一緒に行こうとお誘いを受けたのだ。
たぶん私が食べるのを楽しみにしていたのを、リリアに聞いたんだと思う。
「ホントに連れてってもらえるんですか???」
と、私が目を輝かせていると、ベーレン王子は「じゃぁ、明日の午後に出かけるか?」と聞いてきた。
いちごとクリームのケーキ!!!!
嬉しい……!!!!!
「はいっ!!!
嬉しいです!!!!」
「っ……く!!!
かわ………!!!」
「え……??
王子、何か……???」
「いや……そ、そう言えば、すごく驚いたぞ??」
「へ?」
私は小首を傾げる??
えっと???
「だだだだだだ、だから!!!!」
「はい??」
「顔が……!!!」
え??
何かついてる???
私は思わず、手鏡を出して顔を確認した。
……何もついてないよね……???
「顔が違ったから……!!!!」
「あ!!」
そうか!!
ベリアモルゼで会ったときは、変装してたから!!!
「……でも、その紫の瞳を見て、同じ人だと分かった……」
おお!! なるほど!
「まさか、こんなに綺麗だったなんて……!!!」
………え?
綺麗って……!!!
ははははは、初めてっ!!!
初めて言われたっ!!!!!
ききききき、気障!!!
やっぱりベーレン王子、気障、だ!!!!
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