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五月の戸惑い編 第一章
2 今月のターゲットと諸葛亮と‥‥‥。
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昼休み。
三太、孝明、康司は、いつもの中庭のベンチで、今後の方針について話し合っていた。
そこにふらっと佐野ましろがやってくる。
「なあ、なんでオレに声かけねえの?」
登場早々、かなりご立腹のご様子。
「な、なんでって言われても‥‥‥」
「お、俺たちが、佐野に気安く話せるわけないだろう?」
「じ、自分はクラス違いますし‥‥‥」
おどおどと三人。するとましろは大きなため息を一つ。
「ったく、どいつもこいつも意気地がねえなあ。特に孝、てめえはそこそこ男前なんだから、堂々と話しかけりゃあいいんだよ」
「い、いや、俺たちの件を、他の奴らに聞かれるのはまずいだろう?」
「だったら世間話とかから普通に誘えよ」
ましろの目が、頭使えよ、と言っていた。
「てめえ、そんなんじゃ、いつまでたってもオレをものにできねえぜ?」
不意打ちの真剣な言葉に、孝明がうろたえる。
「とと、と言うことは、脈ありとーー」
「ねえよっ!」
圧倒的なバッサリ感であった。
「で、ですよね~」
しょんぼりと孝明は俯いた。
「大体てめえは、本気でオレに向き合っているように見えねえ。本当は他に思ってるやつがいるんじゃねえのか?」
「‥‥‥」
普段は見ることのできないような、そんな重苦しい表情で、孝明は地面を見つめていた。
「ま、まあまあ、佐野さん。今度からはちゃんと誘うからさ」
三太が助け舟を出す。
「青、この間言ったよな。こんな所で無防備に作戦会議なんかすんなって」
「すす、ストリーキング?」
「そこだけ覚えてんじゃねえっ! あっ、てめ、い、いやらしい目でオレを見るなあっ!!」
言いながら、どす黒く染まった右手を頭上に突き上げると、三太は、ぷら~ん、と見えない力で宙づりにされた。
「み、見てないよ‥‥‥っていうか、あんな大勢にぱぱ、パンツ見られてるのに、ぼくの視線ごときで‥‥‥」
「るせえっ!」
軽く頬を染めながら、能力を消失させる。
「わわっ!?」
二メートルほどの高さから自由落下し、地面にたたきつけられた。
「‥‥‥だ、だから、普通の人間だったら死ぬよ? っていったよね?」
「能力者だから大丈夫だって、言ったよな?」
むー、と二人は睨み合った。
「とと、ところで、しゃのしゃん今日はどん‥‥‥あ」
始めてましろに呼びかけた康司が、極度の緊張から嚙んだ。
「‥‥‥山。てめえはまず、女子と普通に話せるようにならねえとな‥‥‥」
絶対的ヒロインの同情の眼差しに、康司は意識を刈り取られた。
「じ、自分だって‥‥‥瑠璃とはちゃんと‥‥‥瑠璃とは‥‥‥」
瑠璃? 誰? と三太に質問するましろ。
「すんごい可憐な妹さんだよ」
「妹は、女に入らねえだろ?」
「いや、山瀬くんには悪いけど、全然似てなくてさ、もしぼくの妹だったら普通ではいられないよ」
「うっわ、キモ! 青ってば変態!?」
その言葉に康司の肩が、ビクっ、と震えた。見れば顔から、血の気が引いている。
「あ、ごめんね、山瀬くん。悪気はなかったんだけど、つい‥‥‥」
「いえ、いいんです。大丈夫ですから!」
表情とは裏腹に、不自然なくらい明るく言った。
「まあ、オレでよけりゃあ、練習相手くれえしてやんよ。気軽に話しかけてきな」
口調は粗野だが、これが本来のましろなのだろう。
「は、はい、ありがとうございます」
おう、と康司の肩をたたき、辺りをきょろきょろと窺う。
「よし、やつらいねえな。じゃ、本題な」
言ってベンチの二人をどかし、どっかと腰掛ける。そして。
「てめえら、四月は何人めくった?」
「え~と、佐野さんでしょ、星川さんに、会長さんと副会長さん。あと、おまけでみどりの合計五人だね」
「この学校、女性は何人いるか知ってるか?」
「たしか、一学年が男女合わせて二百人前後、つまり女子生徒はその半分の約百人だ。三学年合計で、三百ってとこか」
孝明が復活していた。
「ええ、それと職員で二~三十人程度でしょうか?」
康司も続く。
「正解だ。つまり少なく見積もっても、あと三百二十はめくらなきゃなんねえ」
三人の喉が、ごくりと鳴った。
「あと十一ヶ月、つまり約三百三十日、まあ実際はもっと少なくなるが‥‥‥」
「一日一人はこなさないといけないんだね‥‥‥」
「しかもてめえらの能力は、一日一回限定」
「下手したら‥‥‥」
「う~ん、パイパンねっ!」
とてもうれしそうな声が、頭上から降ってきた。反射的に野郎どもの表情がこわばる。
「や! やってるね!」
坂崎高校の恋の女神さまは、どこか気品のある色気をまき散らしながら、ましろの隣に座った。
「恋ちゃんさあ、前にも同じように登場したよね?」
「女神としてどうなんだろうな、そういうのは?」
「はい」
三人が、ジト目で言った。
「なに? 今日はやけに挑発的だね?」
「ああ、今発破かけてたとこだから、かな?」
「ふ~ん。ま、いいけど」
「何しに来た?」
孝明が、突っかかる。
「もう、好戦的すぎだよ? そんなだと今すぐ‥‥‥ふむ」
そこで恋ちゃんが、孝明をなめるように見た。
「な、なんだ?」
「ねえ、キミは‥‥‥ま、いっか。じゃあ今月の必須ターゲットを発表します」
唐突の発表に、三人はげんなり。ましろはウキウキ。
「今月は、2-Bの山尻桃ちゃんにしましょう!」
高らかに発表された内容に、三太、孝明、ましろの顔までが、曇っていた。
「ん? んん? どしたの?」
怪訝そうな女神さま。
「あのさ、恋ちゃん。今桃ちゃんは、はずしてもらえないかな?」
「えー、なんでえー?」
「あー、山尻は、ちょっと、な」
ましろは常に他人の事を見ている。だから、おおよその状況が把握できているようなのだ。
「すまん、女神。桃だけは、勘弁してくれないか? 頼む」
孝明が頭を下げる。
「あのね~、あたしはこの学校の、恋の女神さまなんだよ? あたしの言うことを聞いてれば、大丈夫だから!」
「何がどう大丈夫なんだ? あいつは今‥‥‥」
「知ってる。キミの色々な事情も、知ってる。だから、あたしに任せて」
あの女神さまらしからぬ、慈愛に満ちた表情だった。
「‥‥‥それでも俺は‥‥‥」
「あ~、孝。女神の言うことに、少しだけ付き合ってみようぜ、な?」
その観察眼は、女神さま相手でも通用したのだろう。ましろも優しく諭していた。
「‥‥‥わかった。だが、俺はめくらないからな」
「いんや、キミがめくることになるよ。きっと、ね!」
「‥‥‥」
怒りと戸惑いが、ごちゃ混ぜになった瞳で女神さまを睨む。
「あ~いたいた」
そこへ、場の空気を読まないような声が響く。
全員が、その人物を見た。
「なんだ、中谷か。関係者のくせに、おせ‥‥‥誰だ?」
ましろが眉をひそめた。女神さまも消えようとする。
「あ、女神さま、知ってるんで大丈夫ですよ」
「あ、あおいちゃん! こんなとこまで来なくても‥‥‥」
「うん、三太くんたちの力になりたくてね」
「あおい‥‥‥おめえ、中谷の妹か?」
「いつもお姉ちゃんがお世話になっております」
恭しく頭を下げた。
「今日Sクラスに転入した、二人のうちの一人が、おめえだったのか?」
「そ、あと一人もと~ってもかわいい女の子だよ」
「け、また女かよ」
ましろの本能が、瞬時に敵になると判断したようだ。
「ごめんね~、女で。でもましろちゃんの座には興味ないから、安心して」
にっこり。
「ちっ、食えねえ野郎だぜ」
「ありがとね~」
そしてあおいは、恋ちゃんの前に立つ。
「あの~、わたしも手伝っていいですか?」
「え? いいけど‥‥‥キミ能力とかないよね? 危ないよ?」
「大丈夫です。わたしこう見えて、かなり頭が切れますから。軍師的なポジションを希望します」
そこで孝明が、ガクブルしだす。
「ああ、あおいちゃんは‥‥‥諸葛亮‥‥‥ひぃっ! 風が、風があっ!」
「そんな風に呼ばれたこともあります。あ、ちなみにお姉ちゃんは張飛!」
ぷーっ、と噴き出す三太。そしてはっとして辺りを見まわし、豪傑がいない事を確認して、安堵のため息を漏らすのだった。
「いや、せめて関羽って言ってやれよ‥‥‥」
ましろがここにはいない姉を思いやる。
「女神さまいいですよね?」
「ん~、まあそういうことなら、いいんじゃない」
「やったー! じゃあ、三太くん、さっそくわたしのをめくっちゃって?」
唐突な命令に、焦る三太。
「え、ええっ!?」
「さあ、はやく!」
「いいじゃねえか。オレん時みてえに、やってやんな」
「そうね、あたしも見たいわあ!」
あおいはこうと言ったら、後には引かないところがあった。三太はもう、めくるしか、なかった。
はあ~、と極大なため息を漏らし、あおいのスカートに集中する。そして、思い切り白目を剥いた。
するするとめくれ上がるスカート。
病弱なくせに押しの強い幼なじみのそれは、白にミントグリーンの縞パンだった。
三太、孝明、康司は、いつもの中庭のベンチで、今後の方針について話し合っていた。
そこにふらっと佐野ましろがやってくる。
「なあ、なんでオレに声かけねえの?」
登場早々、かなりご立腹のご様子。
「な、なんでって言われても‥‥‥」
「お、俺たちが、佐野に気安く話せるわけないだろう?」
「じ、自分はクラス違いますし‥‥‥」
おどおどと三人。するとましろは大きなため息を一つ。
「ったく、どいつもこいつも意気地がねえなあ。特に孝、てめえはそこそこ男前なんだから、堂々と話しかけりゃあいいんだよ」
「い、いや、俺たちの件を、他の奴らに聞かれるのはまずいだろう?」
「だったら世間話とかから普通に誘えよ」
ましろの目が、頭使えよ、と言っていた。
「てめえ、そんなんじゃ、いつまでたってもオレをものにできねえぜ?」
不意打ちの真剣な言葉に、孝明がうろたえる。
「とと、と言うことは、脈ありとーー」
「ねえよっ!」
圧倒的なバッサリ感であった。
「で、ですよね~」
しょんぼりと孝明は俯いた。
「大体てめえは、本気でオレに向き合っているように見えねえ。本当は他に思ってるやつがいるんじゃねえのか?」
「‥‥‥」
普段は見ることのできないような、そんな重苦しい表情で、孝明は地面を見つめていた。
「ま、まあまあ、佐野さん。今度からはちゃんと誘うからさ」
三太が助け舟を出す。
「青、この間言ったよな。こんな所で無防備に作戦会議なんかすんなって」
「すす、ストリーキング?」
「そこだけ覚えてんじゃねえっ! あっ、てめ、い、いやらしい目でオレを見るなあっ!!」
言いながら、どす黒く染まった右手を頭上に突き上げると、三太は、ぷら~ん、と見えない力で宙づりにされた。
「み、見てないよ‥‥‥っていうか、あんな大勢にぱぱ、パンツ見られてるのに、ぼくの視線ごときで‥‥‥」
「るせえっ!」
軽く頬を染めながら、能力を消失させる。
「わわっ!?」
二メートルほどの高さから自由落下し、地面にたたきつけられた。
「‥‥‥だ、だから、普通の人間だったら死ぬよ? っていったよね?」
「能力者だから大丈夫だって、言ったよな?」
むー、と二人は睨み合った。
「とと、ところで、しゃのしゃん今日はどん‥‥‥あ」
始めてましろに呼びかけた康司が、極度の緊張から嚙んだ。
「‥‥‥山。てめえはまず、女子と普通に話せるようにならねえとな‥‥‥」
絶対的ヒロインの同情の眼差しに、康司は意識を刈り取られた。
「じ、自分だって‥‥‥瑠璃とはちゃんと‥‥‥瑠璃とは‥‥‥」
瑠璃? 誰? と三太に質問するましろ。
「すんごい可憐な妹さんだよ」
「妹は、女に入らねえだろ?」
「いや、山瀬くんには悪いけど、全然似てなくてさ、もしぼくの妹だったら普通ではいられないよ」
「うっわ、キモ! 青ってば変態!?」
その言葉に康司の肩が、ビクっ、と震えた。見れば顔から、血の気が引いている。
「あ、ごめんね、山瀬くん。悪気はなかったんだけど、つい‥‥‥」
「いえ、いいんです。大丈夫ですから!」
表情とは裏腹に、不自然なくらい明るく言った。
「まあ、オレでよけりゃあ、練習相手くれえしてやんよ。気軽に話しかけてきな」
口調は粗野だが、これが本来のましろなのだろう。
「は、はい、ありがとうございます」
おう、と康司の肩をたたき、辺りをきょろきょろと窺う。
「よし、やつらいねえな。じゃ、本題な」
言ってベンチの二人をどかし、どっかと腰掛ける。そして。
「てめえら、四月は何人めくった?」
「え~と、佐野さんでしょ、星川さんに、会長さんと副会長さん。あと、おまけでみどりの合計五人だね」
「この学校、女性は何人いるか知ってるか?」
「たしか、一学年が男女合わせて二百人前後、つまり女子生徒はその半分の約百人だ。三学年合計で、三百ってとこか」
孝明が復活していた。
「ええ、それと職員で二~三十人程度でしょうか?」
康司も続く。
「正解だ。つまり少なく見積もっても、あと三百二十はめくらなきゃなんねえ」
三人の喉が、ごくりと鳴った。
「あと十一ヶ月、つまり約三百三十日、まあ実際はもっと少なくなるが‥‥‥」
「一日一人はこなさないといけないんだね‥‥‥」
「しかもてめえらの能力は、一日一回限定」
「下手したら‥‥‥」
「う~ん、パイパンねっ!」
とてもうれしそうな声が、頭上から降ってきた。反射的に野郎どもの表情がこわばる。
「や! やってるね!」
坂崎高校の恋の女神さまは、どこか気品のある色気をまき散らしながら、ましろの隣に座った。
「恋ちゃんさあ、前にも同じように登場したよね?」
「女神としてどうなんだろうな、そういうのは?」
「はい」
三人が、ジト目で言った。
「なに? 今日はやけに挑発的だね?」
「ああ、今発破かけてたとこだから、かな?」
「ふ~ん。ま、いいけど」
「何しに来た?」
孝明が、突っかかる。
「もう、好戦的すぎだよ? そんなだと今すぐ‥‥‥ふむ」
そこで恋ちゃんが、孝明をなめるように見た。
「な、なんだ?」
「ねえ、キミは‥‥‥ま、いっか。じゃあ今月の必須ターゲットを発表します」
唐突の発表に、三人はげんなり。ましろはウキウキ。
「今月は、2-Bの山尻桃ちゃんにしましょう!」
高らかに発表された内容に、三太、孝明、ましろの顔までが、曇っていた。
「ん? んん? どしたの?」
怪訝そうな女神さま。
「あのさ、恋ちゃん。今桃ちゃんは、はずしてもらえないかな?」
「えー、なんでえー?」
「あー、山尻は、ちょっと、な」
ましろは常に他人の事を見ている。だから、おおよその状況が把握できているようなのだ。
「すまん、女神。桃だけは、勘弁してくれないか? 頼む」
孝明が頭を下げる。
「あのね~、あたしはこの学校の、恋の女神さまなんだよ? あたしの言うことを聞いてれば、大丈夫だから!」
「何がどう大丈夫なんだ? あいつは今‥‥‥」
「知ってる。キミの色々な事情も、知ってる。だから、あたしに任せて」
あの女神さまらしからぬ、慈愛に満ちた表情だった。
「‥‥‥それでも俺は‥‥‥」
「あ~、孝。女神の言うことに、少しだけ付き合ってみようぜ、な?」
その観察眼は、女神さま相手でも通用したのだろう。ましろも優しく諭していた。
「‥‥‥わかった。だが、俺はめくらないからな」
「いんや、キミがめくることになるよ。きっと、ね!」
「‥‥‥」
怒りと戸惑いが、ごちゃ混ぜになった瞳で女神さまを睨む。
「あ~いたいた」
そこへ、場の空気を読まないような声が響く。
全員が、その人物を見た。
「なんだ、中谷か。関係者のくせに、おせ‥‥‥誰だ?」
ましろが眉をひそめた。女神さまも消えようとする。
「あ、女神さま、知ってるんで大丈夫ですよ」
「あ、あおいちゃん! こんなとこまで来なくても‥‥‥」
「うん、三太くんたちの力になりたくてね」
「あおい‥‥‥おめえ、中谷の妹か?」
「いつもお姉ちゃんがお世話になっております」
恭しく頭を下げた。
「今日Sクラスに転入した、二人のうちの一人が、おめえだったのか?」
「そ、あと一人もと~ってもかわいい女の子だよ」
「け、また女かよ」
ましろの本能が、瞬時に敵になると判断したようだ。
「ごめんね~、女で。でもましろちゃんの座には興味ないから、安心して」
にっこり。
「ちっ、食えねえ野郎だぜ」
「ありがとね~」
そしてあおいは、恋ちゃんの前に立つ。
「あの~、わたしも手伝っていいですか?」
「え? いいけど‥‥‥キミ能力とかないよね? 危ないよ?」
「大丈夫です。わたしこう見えて、かなり頭が切れますから。軍師的なポジションを希望します」
そこで孝明が、ガクブルしだす。
「ああ、あおいちゃんは‥‥‥諸葛亮‥‥‥ひぃっ! 風が、風があっ!」
「そんな風に呼ばれたこともあります。あ、ちなみにお姉ちゃんは張飛!」
ぷーっ、と噴き出す三太。そしてはっとして辺りを見まわし、豪傑がいない事を確認して、安堵のため息を漏らすのだった。
「いや、せめて関羽って言ってやれよ‥‥‥」
ましろがここにはいない姉を思いやる。
「女神さまいいですよね?」
「ん~、まあそういうことなら、いいんじゃない」
「やったー! じゃあ、三太くん、さっそくわたしのをめくっちゃって?」
唐突な命令に、焦る三太。
「え、ええっ!?」
「さあ、はやく!」
「いいじゃねえか。オレん時みてえに、やってやんな」
「そうね、あたしも見たいわあ!」
あおいはこうと言ったら、後には引かないところがあった。三太はもう、めくるしか、なかった。
はあ~、と極大なため息を漏らし、あおいのスカートに集中する。そして、思い切り白目を剥いた。
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