ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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82 銀色の憎いヤツ

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 ちゅーちゅるタウンにあるあめりかん二号店は、極寒の地の店舗らしく防寒に関するアイテムが豊富に取り揃えられていた。

「‥‥‥なるほど、なのねー」

 鋭い目つきでその商品たちを一つ一つ確認するねこさん。まるで凄腕のトレジャーハンターのようだ‥‥‥失敬、実際凄腕強運なのだ。

「むむっ! これに‥‥‥決めたのねっ!!」

 数ある防寒着からねこさんが選んだそれは、何やら銀色でぺらっぺらな上下セパレートタイプの防具? だった。

「ねこさん‥‥‥本当にそれでいいんですか?」

 ジョー店長の顔に困惑の色が浮かんでいた。

「いいのね! 何だかとっても軽いし、それにぺかぺかでかっこいいのねー!」

 どこか浮かれポンチなテンションで、ねこさんは試着室へ滑り込んだ。

「じゃ、じゃあ‥‥‥待ってますね」

 すっかり真顔になった店長が、レジへと戻っていった。



「じゃじゃーんっ!」

 若干だぶついているようなそれを着て、ねこさんが現れた。動くたびに生地同士がこすれあってシャカシャカと音を立てている。

「‥‥‥えーと、上着のフードをかぶったら、準備OKです」

 ん? 準備OK‥‥‥です?

「はいなのねー」

 だが、そんな言葉を華麗にスルーしたねこさんであった。

 ささっ、とフードをかぶり両端から出ている紐を、んびゃーと引っ張るとその顔が丸く縁取られた。そして、ひもが緩まないようにすかさずちょうちょ結びも忘れない。

「じゃあ軽く動いてみましょうか。そうですね、シャドーボクシングなんてどうですか?」

 その言葉に、ねこさんの瞳がきらーん、と輝いた。

「いいでしょう!」

 たんたんたん、と軽やかにステップを刻み、しゅっしゅっすぱーん! とワンツーを決める。

「おお! さすがトレジャーハンター!!」

 浮かない表情だったジョー店長から、感嘆の言葉が漏れた。それに気をよくしたねこさんのスピードが、ぐんぐんと上がっていった。

「しゅしゅしゅのしゅー! あははんはーん!」

 目にもとまらぬねこぱんちの乱れ撃ちである!


 で、五分経過‥‥‥。

「じょ、ジョー店長? と、とっても暑いのね‥‥‥ぜは、ぜはー」

「そうでしょうね‥‥‥」

 大量の汗を滴らせて息も絶え絶えなねこさんに、店長は驚愕の事実を突きつける。

「それ、サウナスーツですから‥‥‥」

「‥‥‥え?」

 図らずも減量してしまったねこさんが、どたーん! と卒倒した‥‥‥!
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