ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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116 青空と麦わら帽子とおむすびと

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 梅雨明けはまだだったが、夏のような青空が広がっていた。

 日差しもかなり強く、歩いているだけで全身から汗が噴き出した。

「ピクニック気分で、とか言ってたけど、無理なのねー‥‥‥」

『うむ、たしかに‥‥‥』

 ねこヘブンはかりかりタウンから十キロほど離れた丘陵地帯にあるダンジョンだ。

 道路も整備されていて、何よりダンジョン自体もかなり攻略されている。だから、ねこさんたちのような感覚でリハビリに使用するトレジャーハンターも多かった。

「ダンジョンの難易度以前の問題なのねー」

 麦わら帽子をかぶったねこさんが、ぜえぜえと肩で息をしている。

『少し休憩して様子を見よう。焦ることはない。無理そうだったら今日はそのまま帰宅だ』

「な、なのねー」

 適当な木陰を見つけて二人で逃げ込んだ。

「おお! 絶景なのねー!」

 道路の反対側はなだらかな傾斜が続いていて、遠くまで景色がよく見えた。

『緑が心地いいな』

 少し小さめなおそろいの麦わら帽子をかぶったネコサンが、目を細める。

「座るのねー」

『ああ』

 大きな木の下にそのまま腰を下ろした。

「あとどれ位あるのね?」

 聞きながらアイテムボックスから自分で握ったおむすびと、水筒を二つ取りだす。

『あと三キロくらいだな』

「まだちょっとあるのねー」

 す、とネコサンに水筒を一本差し出した。

『む、すまない。冷却用に持ってきてもらって正解だったな』

 麦わら帽子を外して、ざばー、と頭から冷水をかぶった。

『ふう、生き返るな‥‥‥』

「なのねー!」

 ねこさんも乾いた喉を存分に潤した。

「むむ、これは‥‥‥しゃけなのねー」

 おむすびの匂いをふんふん、と嗅ぐと、焼き鮭の食欲をそそる香りが漂っていた。

「では早速‥‥‥へ、へ、へぷちっ☆」

 お口まで後僅かと言うところで、ねこさんのくしゃみが炸裂した。

「あー、びっくりした‥‥‥」

 目をぱちぱちと瞬かせて、きょとんとする。だが、すぐに気を取り直した。

「では改めていただきますなのねー」

 はむ、と右手にあるそれを頬張る。

「むふー、もふもふなのねー」

 おむすびが、もふもふ‥‥‥?

「何だか毛づくろいをしているような不思議な感覚に‥‥‥んあ!?」

 そーっと右手を口から離してまじまじと見る。

「あれ? おむすびは何処!?」

『ご主人、前だ!』

 相棒の声に視線を前方へ飛ばすと、ころころと斜面を転げ落ちるおむすびの姿があった‥‥‥。
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