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157 ギルマスのライバル
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「こんにちはー!」
ばーん! とギルド出入口の重厚なドアを開け放ち、ねこさんがあいさつした。
「てやんでーべらぼーめー!」
「ひっ!?」
だが返ってきたのはギルマスの怒声である。
「ごご、ごめんなしゃい!」
身の危険を感じ、脊髄反射で土下座を決めるねこさん……さすがはSSSランクトレジャーハンターだ?
「いきなり怒鳴るなんてあんまりですよ~、白豚さん?」
「てめ、人の身体的特徴を揶揄するんじゃねー! 訴えんぞ! このガリヒョロ野郎!」
「……あなたこそ……だれがガリヒョロだって? ああん?」
ここでねこさんは床を見たまま小首を傾げた。
(知らない声なのね……ギルマスさんはねこさんに怒ったんじゃないのね?)
そして、そーっと顔を上げてみる。
「やんのかこの野郎!」
「白豚ーっ! 言う前に手ぇ出すんじゃねーよ、こらぁ!」
「……え?」
大の大人が二人、取っ組み合いながら罵り合っていた。
でっぷりとした腹を揺らす白猫と……やけに痩せこけて、それでいて高身長なキジトラ……。
ねこさんは正座のまま困惑するしかなかった。
「あ、ねこさん! ちょうどいい所へ」
そこへみけ美がすっ飛んでくる。
「あ、みけ美さん、おはようごじゃいます」
「あ、おはようございます」
二人はきっちりと頭を下げて挨拶をかわす。
「って、それどころじゃないんです!」
「どうしたのねー?」
尋常ではない彼女の慌てっぷりに、ねこさんも不安の色を隠せない。
「なな、殴り込みです!」
「殴り込み!?」
驚きすぎて咄嗟に立ち上ったねこさん。
「「違うわい!」」
「ぴょ!?」
すかさず二つの鬼瓦からツッコミが入った。
「でで、では新手のスモウ?」
「って、ねこさんじゃないか……へへ、こいつはグッドタイミングだぜ!」
その天然発言を華麗にスルーしたギルマスが、キジトラを振りほどいてねこさんの傍へやってきた。
「おう、ガリヒョロ……いや、冒険者ギルドのマスター、キジトラさんよお……このねこさんが、今回のうちの代表だぜ!」
ばし! と背中を思い切り叩かれるねこさん。
「いたっ……て、あひょっ!?」
その勢いにつんのめって床にダイブしていた……。
「ふん! そんなチンチクリンで大丈夫なのかい? こっちの代表は今回も私の娘、SSランク冒険者のキジメロちゃんですよ!」
ガリの後ろから、スラリとした美人さんが現れた。
「ふーん」
すすー、と音もなくねこさんに近づいてゆっくりとしゃがみ込むと、彼の顔を右手でくい、と持ち上げてまじまじと見ていた。
「……な、なんでしょう?」
「結構好みのタイプね!」
「えーっ!?」
驚いて声を上げたのは、みけ美だった。
ばーん! とギルド出入口の重厚なドアを開け放ち、ねこさんがあいさつした。
「てやんでーべらぼーめー!」
「ひっ!?」
だが返ってきたのはギルマスの怒声である。
「ごご、ごめんなしゃい!」
身の危険を感じ、脊髄反射で土下座を決めるねこさん……さすがはSSSランクトレジャーハンターだ?
「いきなり怒鳴るなんてあんまりですよ~、白豚さん?」
「てめ、人の身体的特徴を揶揄するんじゃねー! 訴えんぞ! このガリヒョロ野郎!」
「……あなたこそ……だれがガリヒョロだって? ああん?」
ここでねこさんは床を見たまま小首を傾げた。
(知らない声なのね……ギルマスさんはねこさんに怒ったんじゃないのね?)
そして、そーっと顔を上げてみる。
「やんのかこの野郎!」
「白豚ーっ! 言う前に手ぇ出すんじゃねーよ、こらぁ!」
「……え?」
大の大人が二人、取っ組み合いながら罵り合っていた。
でっぷりとした腹を揺らす白猫と……やけに痩せこけて、それでいて高身長なキジトラ……。
ねこさんは正座のまま困惑するしかなかった。
「あ、ねこさん! ちょうどいい所へ」
そこへみけ美がすっ飛んでくる。
「あ、みけ美さん、おはようごじゃいます」
「あ、おはようございます」
二人はきっちりと頭を下げて挨拶をかわす。
「って、それどころじゃないんです!」
「どうしたのねー?」
尋常ではない彼女の慌てっぷりに、ねこさんも不安の色を隠せない。
「なな、殴り込みです!」
「殴り込み!?」
驚きすぎて咄嗟に立ち上ったねこさん。
「「違うわい!」」
「ぴょ!?」
すかさず二つの鬼瓦からツッコミが入った。
「でで、では新手のスモウ?」
「って、ねこさんじゃないか……へへ、こいつはグッドタイミングだぜ!」
その天然発言を華麗にスルーしたギルマスが、キジトラを振りほどいてねこさんの傍へやってきた。
「おう、ガリヒョロ……いや、冒険者ギルドのマスター、キジトラさんよお……このねこさんが、今回のうちの代表だぜ!」
ばし! と背中を思い切り叩かれるねこさん。
「いたっ……て、あひょっ!?」
その勢いにつんのめって床にダイブしていた……。
「ふん! そんなチンチクリンで大丈夫なのかい? こっちの代表は今回も私の娘、SSランク冒険者のキジメロちゃんですよ!」
ガリの後ろから、スラリとした美人さんが現れた。
「ふーん」
すすー、と音もなくねこさんに近づいてゆっくりとしゃがみ込むと、彼の顔を右手でくい、と持ち上げてまじまじと見ていた。
「……な、なんでしょう?」
「結構好みのタイプね!」
「えーっ!?」
驚いて声を上げたのは、みけ美だった。
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