ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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169 第一関門の戦い(ねこさん編)

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 たったったった……と足音が近づいてくる。

「む、この部屋なのね!」

 そして、大部屋の入り口に現れたのは、ねこさんである。

「おおっ! 一面スライム液まみれなのねー!?」

「ふふっ、遅いわよ、ねこさん♡」

 びちゃびちゃな床に一瞬ためらった所へ、キジメロから挑発めいた言葉が投げかけられた。

「む?」

「じゃ~ね~! ゴールで待ってるから!」

 だが、彼女はその反応を確かめず、なまめかしいウインクを置き土産に大部屋を出ていった。

「……」

 ぽかんとするねこさん。

「これだけのスライムをこの短時間で仕留めたのは……はっきり言って凄いのねー」

 彼はウインクにやられていた訳ではなく、キジメロの冒険者としての実力に感心していたのだ。

「よーし、負けられないのね!」

 ざん! と大部屋に足を踏み入れて……。

 ぷにゅにゅちゅう~っ!?

「ひっ!?」

 スライム液の何とも言えない感触を肉球で直に感じてしまい、反射的に飛び上がろうとして……。

 つるん!

「あ……」

 足を滑らせたねこさんが……。

 ばしゃーん!

 背中から青い水たまり塗れになった床に倒れて……。

「ちょ、まっ……てぇっ!?」

 ずしゃしゃしゃー!

 摩擦係数がほぼ0だったのか、颯爽? と滑り出し……。

「あ、あ、それは……」

 わらわらと再び湧き出したスライムたちに突っ込んで……。

 どがーん!

 見事にストライクを決めたのだった!

「あーれー!?」

 そのまま大部屋を飛びだしたねこさんの勢いは止まらない。

「な!? ええっ!?」

 一瞬でに抜き去られたキジメロが、思わず立ち止まる。

「あ~~れ~~え~~え~~え~~……ぇぇぇ……ぇぇ……ぁ……」

 遠ざかっていくその声に、流石のSSダブルエスランク冒険者も、恐怖したという……。
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