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170 二択
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ず……ざざざざざーっ!!
「ぎ、ぎぃゃあああっ!」
付着していたスライム液が落ち切った途端、石畳の通路が背中に牙をむいた。
激しい摩擦熱で煙が立ち上っている、ようにも見える。
「こ、このままでは、お背中がハゲてしまうのねー……ここは……ねこバリア!」
ぽわん、とねこさんを、温かな光が包み込んだ。
「「「え!?」」」
その様子を特設モニターで見ていた両ギルドメンバーたちから、驚きの声が上がる。
ねこさんが魔法を使えると知っていたギルド関係者は、ギルマス、みけ美のみだったので、当然だろう。
そんな中、特に驚愕していたのがついさっき戻ってきたキジマスだった。
「ちょっと……白豚さん?」
「誰が白豚だ! って、何度も言わせんな!!」
「そんな事より、ねこさんは……魔法が使えたのですか?」
「ちっ、そんな事じゃねーんだが……まあ、見ての通りだ……」
「そうですか……」
そう言ったきり黙り込んだキジマスの顔は、何やら悪だくみしているようだった。
「へえ……ますます面白いじゃない!」
ねこさんのすぐ後ろまで迫っていたキジメロの口もとが緩む。
「さあねこさん、次の勝負といこうじゃない!」
「な、なのねー!」
ほぼ同時に二匹は第二関門である小部屋に飛び込んだ。
「「……こ、これは……?」」
その目の前には、四つの宝箱が置かれている。
そして、二匹の入室と共にパーテーションが天井から降りてきて、左右二つのさらに小さな部屋のように分けられた。
片部屋の宝箱は二つ。
右の部屋の前に、キジメロの名前が浮かび上がった。
同じく左部屋の前にはねこさんの名前が。
【それでは始めて下さい!】
機械的な音声が響き、二人はそれぞれの部屋に進んだ。
ネコサンの事前説明では、この関門は、危機察知能力、解錠技能及び罠解除の技能を競う物との事だった。どちらかの宝箱に先へ進むための鍵が入れられていて、それをより安全に素早く入手する事が求められているのだ。
『実は、それだけではない……さて、【LUCK】を支配しているのは、どちらかな?』
ネコサンが、ニヤリと笑った。
「ふふっ……ちょろいね」
そう言いながら、だが、慎重な手つきで二つの宝箱を調べていくキジメロ。
「……」
ねこさんはと言うと、腕組みをしてそれらを見据えている。
「どうしたのかなー、ねこさん?」
動いている気配のない敵を煽ってみる。
「……わかったのねー! こっち、なのねー!!」
「え!?」
キジメロの困惑する声も気にせずに、ねこさんは当てずっぽう? で左側の宝箱を何の躊躇もなく開け放った!
しゅいいいぃ……ぃいいん!
「あ……なのねー!?」
発動したトラップによって、ねこさんはまたしてもどこかへワープしていった……。
「……SSSランクってのは……ヤバイ奴がなる物なんだね……」
すっからかんの隣室を覗き込んだキジメロの身体が、ぶるぶると震えていた。
「ぎ、ぎぃゃあああっ!」
付着していたスライム液が落ち切った途端、石畳の通路が背中に牙をむいた。
激しい摩擦熱で煙が立ち上っている、ようにも見える。
「こ、このままでは、お背中がハゲてしまうのねー……ここは……ねこバリア!」
ぽわん、とねこさんを、温かな光が包み込んだ。
「「「え!?」」」
その様子を特設モニターで見ていた両ギルドメンバーたちから、驚きの声が上がる。
ねこさんが魔法を使えると知っていたギルド関係者は、ギルマス、みけ美のみだったので、当然だろう。
そんな中、特に驚愕していたのがついさっき戻ってきたキジマスだった。
「ちょっと……白豚さん?」
「誰が白豚だ! って、何度も言わせんな!!」
「そんな事より、ねこさんは……魔法が使えたのですか?」
「ちっ、そんな事じゃねーんだが……まあ、見ての通りだ……」
「そうですか……」
そう言ったきり黙り込んだキジマスの顔は、何やら悪だくみしているようだった。
「へえ……ますます面白いじゃない!」
ねこさんのすぐ後ろまで迫っていたキジメロの口もとが緩む。
「さあねこさん、次の勝負といこうじゃない!」
「な、なのねー!」
ほぼ同時に二匹は第二関門である小部屋に飛び込んだ。
「「……こ、これは……?」」
その目の前には、四つの宝箱が置かれている。
そして、二匹の入室と共にパーテーションが天井から降りてきて、左右二つのさらに小さな部屋のように分けられた。
片部屋の宝箱は二つ。
右の部屋の前に、キジメロの名前が浮かび上がった。
同じく左部屋の前にはねこさんの名前が。
【それでは始めて下さい!】
機械的な音声が響き、二人はそれぞれの部屋に進んだ。
ネコサンの事前説明では、この関門は、危機察知能力、解錠技能及び罠解除の技能を競う物との事だった。どちらかの宝箱に先へ進むための鍵が入れられていて、それをより安全に素早く入手する事が求められているのだ。
『実は、それだけではない……さて、【LUCK】を支配しているのは、どちらかな?』
ネコサンが、ニヤリと笑った。
「ふふっ……ちょろいね」
そう言いながら、だが、慎重な手つきで二つの宝箱を調べていくキジメロ。
「……」
ねこさんはと言うと、腕組みをしてそれらを見据えている。
「どうしたのかなー、ねこさん?」
動いている気配のない敵を煽ってみる。
「……わかったのねー! こっち、なのねー!!」
「え!?」
キジメロの困惑する声も気にせずに、ねこさんは当てずっぽう? で左側の宝箱を何の躊躇もなく開け放った!
しゅいいいぃ……ぃいいん!
「あ……なのねー!?」
発動したトラップによって、ねこさんはまたしてもどこかへワープしていった……。
「……SSSランクってのは……ヤバイ奴がなる物なんだね……」
すっからかんの隣室を覗き込んだキジメロの身体が、ぶるぶると震えていた。
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