ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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182 にゃんこ蕎麦とは……

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 す、と大家さんがお椀のふたを取った。

 瞬間。

「はい、どんどん!」

 給仕係の三毛猫が、ささ、と蕎麦をそのお椀に入れた。

 ずぞぞー! と老猫が間髪入れずに豪快にすすり、お椀を空にする。

「はい、じゃんじゃん!」

 そこへまた、給仕係が蕎麦を入れ……以下無限ループである。

「『(……)』」

 ねこさんたちは呆気にとられていた。

 ずぞぞー! ささ! ずぞぞー! ささ! ずぞぞー! ささ!

(……ん?)

 リースがその光景に、小首を傾げた、ように感じた。

「どうかしましたか、お嬢さん?」

 若い衆が、オーブに聞いた。

(ねえ、これってどういう事?)

「あー、にゃんこ蕎麦は初めてでしたか!」

 リースは首肯するように明滅する。

「にゃんこ蕎麦……それはお客様と店との勝負です」

(勝負?)

「はい! お客様は、とにかく食べる! こちらは、とにかく入れる! この繰り返しです」

(お腹がいっぱいになったら?)

「蕎麦を入れられる前に、お椀に蓋をして下さい」

(それでこっちの勝ちなの?)

「はい! もしくは店の蕎麦を全部食べ切ってもお客様の勝利です! ただ……」

 若い衆の瞳が、怪しく瞬く。

(ただ?)

「お椀に入れられた蕎麦を、三十秒以内に食べきれなかった場合は、その時点でお客様の敗北となります」

 言いながら、なぜかねこさんの肩をぐわしぐわしと揉みしだく。

「ぎゃー、なのねー!?」

 当然上がる悲鳴である。

『ほう……面白い……で、勝った時の報酬と、負けた時のペナルティーは?』

「勝利した際には、こちらの壁に召し上がった杯数が掲載されます! そして、もし敗北してしまうと……」

 ずずい、と、いかつい顔をねこさんに近づける。

「……近いのね」

「ペナルティー、一切ございません! さあ、思う存分お召し上がりください!」

『そうか。良かったな、ご主人、リース』

(やったー!)

「……はあ、なのね」

 三者三様の反応の中、若い衆がねこさんとリースのお椀から、ふたをゆっくりとはずした。

「さあ、それでは張り切って参りましょう!」

 どどどん!

「「はい、どんどん!」」

 太鼓の音に続き、ねこさんたちのお椀にも、お蕎麦が投入された。
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