ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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189 社長、登場!

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 しまった、と言った表情のねこさんが、その手を離すや、ロークはその場に座り込んだ。

「いてーって……」

 ふー、ふー、と潰されかけた手に、息を吹きかけている。

「ごめんなさいなのねー」

 心配そうに覗きこみ、謝罪をするねこさん。

 だが……。

「そんな謝罪は受け入れないからな……どうせ親父にビビっただけなんだろう?」

「? なんでねこさんが、君のお父上にビビる必要があるのね?」

「は?」

 本当に意味不明、と首を捻るねこさんに、ロークは若干焦りの色をみせながら続ける。

「何でも何も、この会社の社長、それが僕の親父だ。おまえはここの社員だろうが?」

「うーん? ねこさんは単なるバイトなのね」

「はあ? もっとマズいじゃねーかよ?」

 言ってる意味わかってんのか? ダメ息子の顔が、そう言っていた。

「んー、別にー」

「いやいやいや、おまえはさあ、こっちの都合でポンポン首が飛ぶ、替えなんていくらでもいる、そんな存在なんですけど?」

「それは、この会社の中だけの話なのね。ねこさんの本業は、トレジャーハンター、しかも……SSSスリーエスランクなのね」

「え……!?」

 ロークがその言葉に固まった。

「ここをやめるのは、ちょっと寂しいけど、経済的にはちっとも困らないのねー」

「そそ、そんな!? ねこさんに辞められたら、私が困っちゃうんだよ!」

「そうでっす、辞めないで下さい、先輩!」

 足にしがみつくクロ主任と、両手を握って離さないみけ子に、ねこさんは困惑した。

「んー、でも、暴力をふるったのは確かだし、ねこさんが辞めれば丸く収まるのなら──」

「何をいっているのかな、ねこさん?」

 不意に言葉を遮られ、声の方へ皆の視線が飛んだ。

「しゃ、社長!?」

 クロ主任がぴしり、と直立不動になった。
 ロークも気まずそうに立ち上がる。
 みけ子の頭上には『?』が乱れ咲き……。

「お久しぶりなのね、社長さん!」

 ねこさんは、にっこりと微笑んでいた。
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