ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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190 社長の懇願

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「ほんとだよー、少しは社長室にも顔を出してよー」

 ねこさんの肩を、親しげにポンポンと叩くと、そのまま馬鹿息子の前に歩を進めて……。

 ごいん!

「いって、何すんだよ、親父!?」

 ロークの頭に、垂直打ち下ろし式の稲妻拳固が落とされた。

「はあ、私が何のためにおまえを現場へ配属したのか、わかってねえんだな」

「それはっ……下々の社員の監督──あだーっ!?」

 ごごいん!

 今度は2連撃である。

「バカ野郎! 何が下々だ! 私も含め、同じ社員なんだよ! みんなんでこの会社を盛り上げていってるの! で、一番がんばってるのが、現場で汗水たらして働いて下さっている方たちなわけ!!」

「……」

 烈火のごとく言葉を継ぐ社長に、息子は唖然としていた。

「そんな現場の事を、次期社長として知っておいてほしくて今回無理を言って配属してもらったのに……」

 怒りが頂点に達したのか、ぷるぷると震えだした。

「おまえは! クロ主任を権力で押さえつけて! アルバイトの女子を自分の物みたいに扱って! おまけに私の大恩人であるねこさんに……ばかー!」

 最期は小学生のような物言いになってしまったが、本当に呆れてしまったのか、今度は手を出さなかった。

「だ、だってよう……」

 頭をさすりながら、ローク。

「言い訳は聞きたくない!」

「まあまあ、社長さん。その辺にしとくのね」

 一方的に怒られているロークを不憫に思ったねこさんが、助け船を出す。

「いーや、ねこさんの頼みでも……あ!」

 ここで、社長がねこさんの顔をまじまじと見て、何かを思いついてしまったようだ。

「ねこさん、こいつの腐りきった根性を、トレジャーハンターギルドで叩きなおしてくれないかい?」

「え!?」

「ねこさんと私の仲じゃないか!」

「えー……」

「頼むう!!」

 ばばっ、と土下座した社長に、頷くしかないねこさんだった。
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