ねこさんは、トレジャーハンター!?

豆井悠

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191 ローク、ギルマス室でたしなめられる

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 ギルマス室に、並々ならぬ緊張感が走っていた。

「……で、おまえさんは、本気でこのギルドで修行する気があんのかい?」

 ギルマスが椅子に座ったまま、でっぷりとした腹を撫でる。

「はあ……僕にはそんな気、さらさらないんだけど……どうしてもって言うなら、やってやらなくもないよ?」

 生命タマの取り合いのような状況にもかかわらず、ロークは猫背全開でそっぽを向いていた。

「そうかい……じゃあ、お引き取り願おうか」

「……え!?」

 馬鹿息子の顔が、明らかに動揺する。

「や、その……それはマズいんだよ……また親父に怒られる──」

「だったら! どういう態度を取ればいいのか、わかるよな?」

 今までロークは、勘違いしていた。

 父である社長が、彼の態度等を黙認していたのは、いつか彼自身が気づくだろうと、大目に見ていたのだ。

 それを、自分は何をやっても許される存在だと、思い込んでいたのだ。

 先日の件でしこたま怒られたにもかかわらず、その考え方がまだ抜けていなかったのは、ロークにとって悲劇の始まりでしかなかった。

「よ、よろしくおねしゃしゃーす!?」

 拗ねたように唇を尖らせながら、ぺこ、と一瞬だけ頭を下げる。

「バカ野郎!」

 当然ギルマスのこの反応である。

「私はなあ、おまえさんの親父さんから、頼まれてるんだよ」

「……」

「それにだ……ねこさんが、どうしてもって言うから、引き受けたんだよ」

 ギルマスから滲み出る怒りのオーラに、ロークは青い顔をして聞いている事しかできなかった。

「いろんな方のご厚意のおかげで、今、おまえさんはここにいるんだ。そこん所を、もちっと考えるんだな」

「す、すいませんでした」

 ゆっくりと正座し、まっすぐギルマスを見る。

「よろしくお願い──」

「お茶をお持ちしました」

 絶妙なタイミングでギルマス室に入ってきたのは、看板受付嬢だった。

「どうぞ、お召し上がり下さい」

 言いながら、下がりかかったロークの頭を踏みつける。

「ぷぎゃ!?」

 床に熱い接吻をかました彼から、異様な音が漏れていた。

「で、こいつが、みけ子に言い寄ったクズ野郎ですか?」

 ニコニコと笑んだまま、その美しいおみ足がぐりぐりと後頭部を責め立てる。

「み、みけ美くん、一応お客様なんだからその辺──」

「うっせー!」

 シルバートレイが投げつけられ、ギルマスの額にぶち当たると、くわーん! と心地よい音が響いた。

「ひぃいっ、ごめんなしゃい!?」

 すっかり鬼瓦と変化したみけ美……野郎二匹の命が心配だ……。
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