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2024年1月

1月12日 3/3

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お母さんに電話するように言いスマホを渡すと少し話して電話を切った。
かすれた声でお母さんもなんか声変だったと心配していた。
それから10分ほど走ったところでコンビニにより飲み物とお菓子を買い、友達の話しを聞いていると着信音がなった。
長女に誰かと聞くとアイツのお母さんからだったので出てもらうと、父がぬいぐるみをうちに持ってきたからこっちに来てほしいとのことだった。
天気悪くなりそうだから泊まりたいと頼むとすぐに了承してくれた。
長女の着替えがないと伝えると結衣か芽衣のがあるから大丈夫だと言われ後一時間半もあれば着くと伝え話しを終えた。
途中で本・文房具と書かれた看板を見つけ寄り道をした。
昔、親友と遊んだんだよと伝え絵の具をいくつか買った。
絵の具を入れる時に失敗して畳に赤い水を零したりして懐かしくてと話すと長女も作りたいと話していた。
アイツの家につく頃には外はもう真っ暗だった。
雲がかかっているのだろうか月も星も見えなかった。
玄関を開ける音に歓迎されて家の中にはいるとアイツのお母さんが出迎えてくれた。
晩ごはん何も買ってこなかったと言うと、そうだと思ったと笑いながらリビングに通された。
台所からはいい匂いが漂っていた。
寒かったので長女と2人でストーブの前を陣取り暖まっていると、後ろ姿は昔のままだと懐かしそうにしながらこたつに食事の準備をしてくれた。
夕飯は懐かしの手羽先と大根の煮物が出て来た。
副えてあるサラダにブロッコリーが乗っていたので長女はどうするのかと見ていると、頑張って食べていた。
その様子を見たアイツのお母さんは「ブロッコリー苦手だったの?知らなくてゴメンね」と笑みをうかべていた。
食後には梨と自分で作ったという干し柿が出て来た。
「梨って味もぼんやりしてるから好きじゃない」と言うと、「昔からおやつに出しても食べないのは知っていたけど、食感が嫌なのかと思ってた」とまだ知らないこともあったと驚いていた。
隣でシャリシャリと音を立てている長女を見てアイツのことを思い出した。
臣が来ると梨いっぱい食べれるからと嬉しそうにしていたアイツの顔を思い出し、伝えると1人で5個くらい食べるから大変だったと懐かしそうにしていた。
妻に連絡するのを忘れていたので、梨を食べる長女にぬいぐるみを持たせた写真を送った。
返事は直ぐにくまの絵文字だけが届いた。

風呂に入り芽衣のをとりあえず着せた。
どこで寝るかとなり、昔泊まっていたアイツの部屋は仏間だから嫌だと言うと3人でリビングに寝ることになった。
長い1日だった。
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