夫の親友〜西本匡臣の日記〜

ゆとり理

文字の大きさ
209 / 784
2024年5月

5月6日 1/2

しおりを挟む
明日からは仕事だと目が覚めた。
2日位の休みならばやる気に満ち溢れているが、長期だと働きたくなくなるのはなぜだろう。
起きてから今日もアイツの実家に行かなければならないのかと思うと気が重かった。
しかも、文乃の旦那も来ていると思うと尚更だった。
朝食を食べ、妻が俺たちが泊まった部屋に掃除機をかけると、母が「そんなことしなくてもいいのに」と声をかけた。
せめてこれだけでもと妻が返すと、「しっかりした人と結婚出来て良かったわね」と俺に言った。
その言葉に何とも言えない気分だった。
10時頃に実家を出たが、長男は父と離れるのが寂しかったのか涙目だった。
俺も子供の頃は祖父母のところから帰るときは、今生の別れかと思うほど悲しかったので気持は分かる。
母は長女に、くまのぬいぐるみを持ったかとしっかりと確認していた。
車に乗せてからも妻が確認していた。
俺も持っているなとバックミラーで確認した。

アイツの実家に着き呼び鈴をならし、玄関を開けた。
開けるときにそういえば鍵がかかっているかもと思ったが、すんなりといつものようにガラガラと音を立てて開いた。
三和土を見ると、男物の靴が置いてあり、靴を脱ぎ捨ててリビングに向かった。
「アイツが戻ってきた」、そう思った。
慌てた様子の俺を文乃が驚いて見た。
当たり前だがアイツは居なかった。
男物の靴を見てアイツの物かと思ったと話すと、「あー、そういうことね」と、文乃が夫の達也さんを見た。
アイツのお母さんもリビングに来てどうしたのかと尋ねられた。
文乃が「靴見ておにぃが戻ってきたのかと思ったんだって」と説明すると、「普段この家に男物の靴なんてないからね」と寂しそうに笑った。
その後に妻が靴も揃えないでと文句を言いながら、双子を連れてきた。
文乃の子供達は嬉しそうに双子の面倒を見てくれた。
気持ちの整理もつかないまま長女と長男を車から降ろし、仏壇に手を合わせに言った。
アイツの机の上には長女が選んだお菓子があがっていた。
改めて達也さんに挨拶をして、リビングのソファーに腰を掛けた。
いつもは居ない人がいるだけで、こうも居心地が悪いのかと思った。
会話がないのもなんだと思い、仕事の話など当たり障りのない会話をした。
文乃がお茶を出してくれたので、気まずい時間が終わり、妻と文乃が話しをしだした。
命日の墓参りや、お盆の事を話していた。
一昨年と去年は長女だけを連れて墓とここでの会食に参加したが、今年は全員連れ来ればいいかなどとの話が聞こえてきた。
双子はともかく、長男は墓場には連れて行きたくないと思っていると、妻も同じ考えだったようで父に預けれないかと思っていると話していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...