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大狼くんのお友達
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大狼くんと食事をしていると、1人の生徒がこっちにやってきた。
「あー!いたいた!蓮!探したよー。」
そう言って近づいて来たのは犬の獣人だった。身長は大狼くんより3cm程低いかな?と言っても大狼くんも185cmはあるらしいから、彼も相当身長高いだろう。
ちなみに僕は165cmだ。兎族は身長が高くなりにくいのが特徴だから仕方ない...
犬の獣人はゴールデンレトリバーの種だろうか、黄金色の艶々した垂れ耳と大きな尻尾している。髪は耳や首筋にかかるくらいの長さで、耳や尻尾と同様な色をしている。緩く気崩された制服はだらしないよりも少し色気を感じた。
「あぁ。健人か。どうした?」
「どうした?じゃないよー!酷いよー!俺、ずっと待ってたのにー!!」
「...なんで?」
「なんで?じゃないよ!合流したら一緒に廻ろうって言ってたじゃん!!」
「...そうだっけ?」
「忘れたの!?酷くなーーい!?親友との約束忘れるなんて...ぐすん...ぐすん...」
「悪かったって。」
大狼くんは苦笑いをしながら犬の獣人を窘めた。犬の獣人は泣いてる仕草をしているが、尻尾が大きく揺れている所を見ると、どうやら泣き真似の様だ。
余りにも間抜けな顔をしていたのか、一連の流れをポカンと見ていた僕に犬の獣人が気がついた。
「ん?蓮、この子誰?」
「俺と同室のヤツで、兎村 雪だ。」
「あ、えっと...と、兎村 雪です!よ、よろしくお願いします!」
「雪くんね~!俺は犬井 健人。同い年なんだからタメ口で良いよ。よろしくね~!」
緊張してカミカミな僕に向日葵が咲いたような二パッとした笑顔で犬井くんは挨拶をしてくれた。
それから犬井くんは大狼くんの隣の椅子に座った。
「何シレッと座ってんだ。」
「えー。いいじゃーん。俺も仲間に入れてよー!俺、お腹すいちゃったー!雪ちゃん、お邪魔して良い?」
犬井くんは机の上に上半身を預け、上半身を前に伸ばしながら上目遣いで僕に話しかけてきた。
尻尾はブンブンと振られている。
「あ、うん。もちろんだよ。一緒に食べよう。」
「わーい!雪ちゃん優しい~!って事で俺も注文するー!」
犬井くんはウキウキしながら慣れた手つきでタッチパネルを操作し、さっさと注文を済ませた。
「はぁ。騒がしくて悪いな。」
「ううん。大丈夫。それより、大狼くんと犬井くんは元々知り合いなの?」
「そーなんだよ!俺と蓮は所謂、幼なじみってやつ。両親同士が元々友達だったみたいでね、蓮の事はオムツの頃から知ってるよ。」
「腐れ縁だな。」
「もう!親友でしょ!」
「はいはい。」
大狼くんは犬井くんの話を雑に流しているけど、2人の顔には笑顔があり、犬井くんは尻尾が揺れ、大狼くんの耳は小さく反応していた。やはり親友なんだって事がわかる。
「ふふ。仲が良いね。」
「まぁね!ところで雪くんは外部生?」
「うん。中学までは地元だったんだけど、両親が受けてみたらって勧めてくれたんだ。」
「そうだったんだ!地元は遠いの?」
「うん。ここから4時間くらいの月見町って所なんだ。」
「4時間!?遠いねぇ。」
「家族にすぐに会える距離じゃないのは心細いし寂しいけど、頑張るって決めたんだ。」
「雪ちゃん...なんて健気なの...俺、雪ちゃんが寂しくならないように協力するね!」
「え?」
「って事で、今から友達!ね!」
「お前なぁ...いつも強引なんだよ。兎村。嫌だったら断っても良いんだぞ。」
二パッと笑った犬井くんは僕に握手を求めて、それを隣で大狼くんが窘めていた。
犬井くんは大狼くんの親友だし、悪意も感じない。信用しても良いんじゃないかなって思った僕は、差し出された犬井くんの手を握った。
「よろしくね。犬井くん。」
入寮1日目にして2人も友達ができた。早速家族に報告しようと僕は嬉しくなった。
「あー!いたいた!蓮!探したよー。」
そう言って近づいて来たのは犬の獣人だった。身長は大狼くんより3cm程低いかな?と言っても大狼くんも185cmはあるらしいから、彼も相当身長高いだろう。
ちなみに僕は165cmだ。兎族は身長が高くなりにくいのが特徴だから仕方ない...
犬の獣人はゴールデンレトリバーの種だろうか、黄金色の艶々した垂れ耳と大きな尻尾している。髪は耳や首筋にかかるくらいの長さで、耳や尻尾と同様な色をしている。緩く気崩された制服はだらしないよりも少し色気を感じた。
「あぁ。健人か。どうした?」
「どうした?じゃないよー!酷いよー!俺、ずっと待ってたのにー!!」
「...なんで?」
「なんで?じゃないよ!合流したら一緒に廻ろうって言ってたじゃん!!」
「...そうだっけ?」
「忘れたの!?酷くなーーい!?親友との約束忘れるなんて...ぐすん...ぐすん...」
「悪かったって。」
大狼くんは苦笑いをしながら犬の獣人を窘めた。犬の獣人は泣いてる仕草をしているが、尻尾が大きく揺れている所を見ると、どうやら泣き真似の様だ。
余りにも間抜けな顔をしていたのか、一連の流れをポカンと見ていた僕に犬の獣人が気がついた。
「ん?蓮、この子誰?」
「俺と同室のヤツで、兎村 雪だ。」
「あ、えっと...と、兎村 雪です!よ、よろしくお願いします!」
「雪くんね~!俺は犬井 健人。同い年なんだからタメ口で良いよ。よろしくね~!」
緊張してカミカミな僕に向日葵が咲いたような二パッとした笑顔で犬井くんは挨拶をしてくれた。
それから犬井くんは大狼くんの隣の椅子に座った。
「何シレッと座ってんだ。」
「えー。いいじゃーん。俺も仲間に入れてよー!俺、お腹すいちゃったー!雪ちゃん、お邪魔して良い?」
犬井くんは机の上に上半身を預け、上半身を前に伸ばしながら上目遣いで僕に話しかけてきた。
尻尾はブンブンと振られている。
「あ、うん。もちろんだよ。一緒に食べよう。」
「わーい!雪ちゃん優しい~!って事で俺も注文するー!」
犬井くんはウキウキしながら慣れた手つきでタッチパネルを操作し、さっさと注文を済ませた。
「はぁ。騒がしくて悪いな。」
「ううん。大丈夫。それより、大狼くんと犬井くんは元々知り合いなの?」
「そーなんだよ!俺と蓮は所謂、幼なじみってやつ。両親同士が元々友達だったみたいでね、蓮の事はオムツの頃から知ってるよ。」
「腐れ縁だな。」
「もう!親友でしょ!」
「はいはい。」
大狼くんは犬井くんの話を雑に流しているけど、2人の顔には笑顔があり、犬井くんは尻尾が揺れ、大狼くんの耳は小さく反応していた。やはり親友なんだって事がわかる。
「ふふ。仲が良いね。」
「まぁね!ところで雪くんは外部生?」
「うん。中学までは地元だったんだけど、両親が受けてみたらって勧めてくれたんだ。」
「そうだったんだ!地元は遠いの?」
「うん。ここから4時間くらいの月見町って所なんだ。」
「4時間!?遠いねぇ。」
「家族にすぐに会える距離じゃないのは心細いし寂しいけど、頑張るって決めたんだ。」
「雪ちゃん...なんて健気なの...俺、雪ちゃんが寂しくならないように協力するね!」
「え?」
「って事で、今から友達!ね!」
「お前なぁ...いつも強引なんだよ。兎村。嫌だったら断っても良いんだぞ。」
二パッと笑った犬井くんは僕に握手を求めて、それを隣で大狼くんが窘めていた。
犬井くんは大狼くんの親友だし、悪意も感じない。信用しても良いんじゃないかなって思った僕は、差し出された犬井くんの手を握った。
「よろしくね。犬井くん。」
入寮1日目にして2人も友達ができた。早速家族に報告しようと僕は嬉しくなった。
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