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初めての友達
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食堂に向かう道中、あそこに自販機があるとか、ここにトイレがあるとか大狼くんに色々教えてもらった。
「大狼くんは寮に詳しいね。」
「あぁ。朝早くに寮に着いちまってな。やる事もないし、寮内プラプラしてたんだよ。」
「そうだったんだね。」
「あ、食堂はここな。」
食堂フロアに到着すると、既に入寮を済ませた生徒たちがパラパラと利用していた。
食堂と言うよりもカフェテリアな感じで、2名用~大勢用までの席が用意されていた。
僕達が座った4人掛けの白いテーブルにはタッチパネル式のメニューが備えてあり、決済の際に部屋の鍵になるカードをタッチパネルに読み込ませれば完了するらしい。
どうやらキーカードは決済でも使えるようだ。無くさないように気をつけなければ。
僕は大狼くに実践しながら教えてもらい、なんとか注文する事が出来た。
「はぁ。凄いねー。僕が住んでた所にはこんなに便利なものはなかったよ。」
「地元は何処なんだ?」
「僕の地元はここからバスと電車に乗って4時間くらいの山奥にある月見町っていう小さい町なんだ。この決済方法はなかったから知らなかったよ。都会って凄いんだねー。大狼くんの地元は遠いの?」
「俺の地元は森中市って所でここから1時間くらいだ。まぁ、通えない距離じゃないんだが、親が勝手に手続きしてたらしくてな。学生生活楽しんでこいって理由で放りこまれた。」
「そっか。皆、理由はそれぞれなんだね。でも、帰省しやすいのは羨ましいな。…僕、友達出来るか不安だな」
急に不安に駆られ家族が恋しくなり、しゅんと肩を落とす僕の頭に大狼くんは自身の手をぽんぽんと乗せて励ましてくれた。
「兎村なら大丈夫だろ。」
「大狼くん…。あの…じゃぁ…迷惑じゃなかったら…その、僕の1人目の友達になってくれる?僕、大狼くんとお友達になりたい!」
「…あぁ。まぁ、同室だし…かまわねーよ。」
「嬉しい!…あの、これからよろしくね。」
「…あぁ。」
(モジモジする仕草もピンクの頬も、潤んだ瞳も全部可愛すぎるだろ!!この学校じゃ絶対危ない。俺が守ってやらないと。)
僕はこの時、大狼くんが心の中で葛藤してるなんて全然気づかなかった。
「…なぁ、嫌なら言わなくても良いんだけど、その…右目ってどうしたんだ?」
ドキッと心臓が嫌な音を立てて、冷や汗が流れた。
(大狼くんは受け入れてくれるだろうか…
でも、せっかく友達になってくれたのに嫌な気分にさせちゃったり、僕のせいで大狼くんが周りから何か言われたりするのも嫌だな。)
「あの…気味悪いから…きっと大狼くんに不快な思いさせちゃうと思う…」
「いや、俺は他人の容姿に気味悪いなんて思わねーよ。俺はどんな容姿でも大事なのは中身の方だと思うからな。俺だってこの目にこの顔だ。怖がられるなんて日常茶飯事だ。耳と尻尾も変な色してるしな。」
大狼くんの目は鋭く切れ長で、冷淡な雰囲気がある。
でも、黒い瞳は力強く、スっと通った高い鼻筋、形の良い唇はとても色っぽい。髪は黒いが同じ黒い耳と尻尾は毛先だけが白い。大きな身長に筋肉質の浅黒い肌をした身体は、漢の魅力があって羨ましい。
「僕は大狼くんの耳と尻尾、とても綺麗な色だと思うよ。危ない所を助けてくれたし、優しくてとても親切だから怖いとも思わない。僕、大狼くんが友達になってくれてとても嬉しいよ。」
「フッ…ありがとうな。俺も兎村の事、気味悪いなんて思わねーよ。だから、兎村が良いって思った時に教えてくれるか?」
「うん。」
優しくて笑ってくれた大狼くんの笑顔に僕は胸が小さく高鳴ってしまった。
胸の音が大狼くんに聞こえてしまわないかと恥ずかしくなって、笑って誤魔化した。
「お待たせしいたしました。Aセットの焼肉定食と、オムライス・スープ・サラダ付きセットでございます。どうぞ、ごゆっくり。」
ウェイターさんが大狼くんに焼肉定食、僕にオムライスセットを置いてくれたのを見届け、僕達は遅い昼食を始めた。
「大狼くんは寮に詳しいね。」
「あぁ。朝早くに寮に着いちまってな。やる事もないし、寮内プラプラしてたんだよ。」
「そうだったんだね。」
「あ、食堂はここな。」
食堂フロアに到着すると、既に入寮を済ませた生徒たちがパラパラと利用していた。
食堂と言うよりもカフェテリアな感じで、2名用~大勢用までの席が用意されていた。
僕達が座った4人掛けの白いテーブルにはタッチパネル式のメニューが備えてあり、決済の際に部屋の鍵になるカードをタッチパネルに読み込ませれば完了するらしい。
どうやらキーカードは決済でも使えるようだ。無くさないように気をつけなければ。
僕は大狼くに実践しながら教えてもらい、なんとか注文する事が出来た。
「はぁ。凄いねー。僕が住んでた所にはこんなに便利なものはなかったよ。」
「地元は何処なんだ?」
「僕の地元はここからバスと電車に乗って4時間くらいの山奥にある月見町っていう小さい町なんだ。この決済方法はなかったから知らなかったよ。都会って凄いんだねー。大狼くんの地元は遠いの?」
「俺の地元は森中市って所でここから1時間くらいだ。まぁ、通えない距離じゃないんだが、親が勝手に手続きしてたらしくてな。学生生活楽しんでこいって理由で放りこまれた。」
「そっか。皆、理由はそれぞれなんだね。でも、帰省しやすいのは羨ましいな。…僕、友達出来るか不安だな」
急に不安に駆られ家族が恋しくなり、しゅんと肩を落とす僕の頭に大狼くんは自身の手をぽんぽんと乗せて励ましてくれた。
「兎村なら大丈夫だろ。」
「大狼くん…。あの…じゃぁ…迷惑じゃなかったら…その、僕の1人目の友達になってくれる?僕、大狼くんとお友達になりたい!」
「…あぁ。まぁ、同室だし…かまわねーよ。」
「嬉しい!…あの、これからよろしくね。」
「…あぁ。」
(モジモジする仕草もピンクの頬も、潤んだ瞳も全部可愛すぎるだろ!!この学校じゃ絶対危ない。俺が守ってやらないと。)
僕はこの時、大狼くんが心の中で葛藤してるなんて全然気づかなかった。
「…なぁ、嫌なら言わなくても良いんだけど、その…右目ってどうしたんだ?」
ドキッと心臓が嫌な音を立てて、冷や汗が流れた。
(大狼くんは受け入れてくれるだろうか…
でも、せっかく友達になってくれたのに嫌な気分にさせちゃったり、僕のせいで大狼くんが周りから何か言われたりするのも嫌だな。)
「あの…気味悪いから…きっと大狼くんに不快な思いさせちゃうと思う…」
「いや、俺は他人の容姿に気味悪いなんて思わねーよ。俺はどんな容姿でも大事なのは中身の方だと思うからな。俺だってこの目にこの顔だ。怖がられるなんて日常茶飯事だ。耳と尻尾も変な色してるしな。」
大狼くんの目は鋭く切れ長で、冷淡な雰囲気がある。
でも、黒い瞳は力強く、スっと通った高い鼻筋、形の良い唇はとても色っぽい。髪は黒いが同じ黒い耳と尻尾は毛先だけが白い。大きな身長に筋肉質の浅黒い肌をした身体は、漢の魅力があって羨ましい。
「僕は大狼くんの耳と尻尾、とても綺麗な色だと思うよ。危ない所を助けてくれたし、優しくてとても親切だから怖いとも思わない。僕、大狼くんが友達になってくれてとても嬉しいよ。」
「フッ…ありがとうな。俺も兎村の事、気味悪いなんて思わねーよ。だから、兎村が良いって思った時に教えてくれるか?」
「うん。」
優しくて笑ってくれた大狼くんの笑顔に僕は胸が小さく高鳴ってしまった。
胸の音が大狼くんに聞こえてしまわないかと恥ずかしくなって、笑って誤魔化した。
「お待たせしいたしました。Aセットの焼肉定食と、オムライス・スープ・サラダ付きセットでございます。どうぞ、ごゆっくり。」
ウェイターさんが大狼くんに焼肉定食、僕にオムライスセットを置いてくれたのを見届け、僕達は遅い昼食を始めた。
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