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いち
しおりを挟む会場は卒業パーティーを迎える者達で賑わっていた
きらびやかな会場には卒業生やその婚約、親類と多くの者達が勢揃い
令嬢達は色とりどりのドレスを纏い天井に吊るされたシャンデリア並にゴテゴテしている
似合う似合わないかどうかは置いといて王子様調に決めに決めている令息達
残念ながら馬子にも衣装の令嬢令息も数多くいる
取り敢えず令嬢も令息も眩しい衣装に着飾られパーティーを楽しんでいた
ただ1人を除いて
優雅な所作で年代物のワインに舌鼓を打つ令嬢が1人
ルビー色した髪を敢えてくくらず下にたらし髪に白い大輪の生花を飾り、長い真紅の睫毛の下から見える金の瞳は会場を静かに見ていた
その佇まいは大輪の真紅の薔薇を思わせる
1つの絵画として成り立つ美しさを持っていた
美の女神が降臨したかと崇める者までいる
誰もその聖域を犯そうとはせず、彼女を心酔する者達はその姿を心に焼き付け為血走っている
気持ち悪い
彼女に近づける者はメイドかウェイターだけだ
食べ者と飲み物を持って行く仕事人達
心棒者からしたら羨ましくハンカチを噛みたくなる
彼女の名はシルビア・ゴクヅマトル
ゴクヅマトル公爵家の跡取り娘だ
婚約者に第三王子を持つが会場に姿は無い
本来ならシルビアをエスコートしなければいけない筈の第三王子は家にも迎えに来なかった
連絡は来た
理由に又かと溜息が出る
彼女の信者からしたら王族とはいえ八つ裂きものである
死ねばいいと狂信者達は思った事だろう
シルビアは第三王子の事などどうでも良かった
ただ暇を持て余していた
性格は目立ちたい性分ではないので自分からは前に出ようとはしない
見た目はイルミネーションすら黙らせる容姿だが中身は優しく聡明、趣味は調合の普通の女の子である
気が利くウェイターが持ってきた椅子に座り、これ又気が利くメイドが持って来た隣国から仕入れたブランデーを受け取り一息付く
そっと信者が家から持参してきたお菓子を差し出す
怖くて食べれない
「ありがとう」
ゴクヅマトル家の従者が音も立てずに近寄りお菓子を回しゅ……受け取る
「家で頂くわ」
検査に合格したら
1人が持って来たら百人はいると考えた方がいい
今日は卒業生以外にも親族も来ているのだ
従者が頑張るしかない
お菓子や珍味の受け取りが終わりを迎えた頃、会場の入口付近が騒がしくなった
第三王子の登場に会場の一部が色めき立つ
金髪碧眼の物語に出て来る、ザ・王子の容姿を持ち
シルビアの隣に並んでもそんなに損傷無く立てる麗しさはあった
令嬢達から黄色い声が上がる
礼儀として
貴族令嬢の嗜みとして
取り敢えず「キャー!」と叫んでおこう
続いて野太い声も上がる
王子の身が危ない
王子は真っ直ぐにシルビアへと向かう
斜め後にピンクの髪の令嬢を伴って
足どりは重い
物理的に王子の腰にピンクブラロンドの令嬢が縋り付いていた
重い……人1人分の体重は歩行を困難にさせる
物語でよくヒローインに「羽の様に軽いよ」などとありえない
普通の華奢な女性でも米俵より重いのだ
シルビアとの距離200メートル
「重い……腰が………まさか腰痛…………十代なのに」
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