殿下つかれてますよ

SEKISUI

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 殿下の登場だ
 来たからと迎えに行くことも無くシルビアはただその姿を観察していた
 近づいて来た殿下の顔色は青
 目の焦点が合っていない
 少し窶れている
 原因は腰に纏わり付いたピンクの女性
 そして重要なのがピンクの足は地面を離れていることだ
 「又レオ様連れて来ましたね」
 シルビアは観察結果を1人呟く
 よく引っ掛けて来るので又になる
 王族は見目が良い者が多く良くも悪くも目を引くのだ
 第三王子であるレオンハルトも例に漏れない
 生き死に関わらず寄って来る
 「連絡をくれた従者の話だとうちへ来る途中でしたわね………卒業パーティでキラキラ度が増した殿下に引き寄せられたのかしら?」
 死霊を祓う力を持ちえる者が常に婚約者に選ばれる
 シルビアは聖女の力を持っていた
 見える者見えない者からの目から見てもレオンハルトの動きは不自然だ
 ふらつく足取りは亡者のように見える
 何時もなら憑かれていても意識はあった
 念が濃いのかして今回は操り人形だ
 祓う為にシルビアはレオンハルトの背後に立つ
 レオンハルトの首がぐりんとシルビアの方に向いた
 そんなレオンハルトを見てシルビアが思った事は気持ち悪~い、ああ可哀そう、むち打ちになるわね、だ
 シルビアはレオンハルトにヘッドクローきめ神力を込める
 苦しみだしたレオンハルトは藻掻きシルビアを突き飛ばす
 「………シッ………シルビ…アに………何てこと………を」
 「誰よあんた!」
 レオンハルトから2つの声が発する
 「……あら、レオ様御機嫌よう。そして始めましてピンクの方、わたくしは貴方が憑いてある方の婚約者ですわ」
 すっと立ち上がったシルビアはカーテシーを披露する
 「ピンクの方、わたくしの婚約者を開放して頂けますか?」
 「嫌よ!貴方とは婚約破棄して私と婚約するのよ!絶対に離れないから!!」
 「いやだ!いやだ!いやだ!いやだ!!シルビアと婚約破棄なんてしない!!」
 レオンハルトの口から矛盾する言葉が叫ばれる
 これは長引けば長引くほど面倒臭いパターンだ

 因みに傍から見たレオンハルトはご乱心されたと思われても仕方がない、だが皆冷静に事の成り行きを見ていた
 

 シルビアだってレオンハルトと婚約破棄するのはいやだ
 王子妃教育を頑張った
 聖女教育も頑張ったのが無駄になるのは非常に腹正しい
 それにレオンハルトに対して恋情はないが親愛はある
 レオンハルトは憑かれ体質さえ除けばとても優秀だ
 使える人間だ
 「婚約破棄は困りますわ。ピンクの方強制的に払わせて頂きます」
 さっき神力を込めた時は強制的に剥がす為だったが今回は魂を消滅させる方
 シルビアが何かブツブツ言い出した
 小さくて聞こえない 
 シルビアが光出す
 神々しい
 周りが平伏し手を合わせ拝み出す
 光が大きくなりレオンハルトの口から意味の分からない叫び声が発した
 「わたしがぁぁぁぁぁぁヒローインよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 叫び声を皮切りにレオンハルトの顔色が良くなって行く
 「天に召されました」
 シルビアの終了を告げる合図に平伏していた者達は立ち上がり居住まいを正す
 
 そして今日も平穏を取り戻したシルビアとレオンハルトだった

 シルビアの信徒たちは今日も良いものが見れたとシルビアを崇めるのだった
 
 その後無事卒業パーティは終了した

  終わり

 

 
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