魔王が生まれ変わったら父が勇者で母が聖女だった

SEKISUI

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2(0歳)

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 我は赤子なので大半を寝て過ごしている
 逃亡防止と思われる柵で囲われたベビーベッドとやらに寝かされている
 姑息な奴等よ
 まぁふかふかのサラサラで悪くはないが、我が魔王をしていたものに比べて質は墜ちるがな
 及第点てとこか
 赤子らしく惰眠をむさぼっていた我の元に真っ赤な頭が近づいて来た
 勇者だ
 いつも我の寝込みを襲う卑怯者ぞ
 勇者の風上にも置けぬ奴よ
 今にも我に手を伸ばして無礼にも頭をナデナデしようとしてくる
 そのような痴者には必殺のパンチを食らわしてやるわぁ!てぇい!!

 ぺちぺち、ぺちぺち

 それ以上触れられまい
 どうだ必殺のパンチを思い知ったか!
 我に触れようなどと愚かな考えを持つからだ
 固まりおって、フンッどうだ恐ろしくて声もでまい
 
 「か、か、か、か」
 か?脳が退化して言葉を忘れたか?
 「かぁわいいなぁもうううシェルたんわぁぁぁ!!パパの御手々で遊んで楽しかったでちゅか、ぁあああうちの子可愛い過ぎでしょ!シェルたぁぁん!!」
 きもい、うざい、帰れ!
 あっ抱き上げた
 許してないぞ
 「我が天使ぃぃぃい!!」 
 ギューッジョリ、ジョリジョリ、ジョリジョリジョリジョリ
 ぎゃあああやめろぉおおお!
 痛い!痛いから!止めて!後キモいし
 「んんぎゃぁああああ!!」
 喋れませからね
 だから泣きます
 聖女ぉおお助けてぇぇええ!!!
 「んぎゃああ!んぎゃああ!」
 ベチコーンといい音して勇者が飛んでった
 そして我は中に舞う
 聖女キャッチ
 「もう貴方ったらシェルの柔肌が気付くでしょう」
 そっと私はベッドに寝かされて一安心
 「綺麗にしてあげるからじっとしていてね」
 ひっ!懐からナイフ出したぁああ
 勇者を捕まえ皮ごと髭を綺麗に削いでいった
 勇者が自己回復力持ちとはいえそんなグロいの見たくない
 ちょっと聖女は不器用なだけだと自分に言い聞かせ窓を見る
 ああ空が青いな
 
 今日はこの位で勘弁してやるか
 
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